マガジンのカバー画像

星芒鬼譚《完全版》

38
「どうにかして探してほしいんです、九尾の狐を」 源探偵事務所に舞い込んだその依頼は、世間を騒がす連続神隠し事件とも関係があるようで…? 調査に乗り出した探偵事務所一行が出会ったの…
1章ずつのお買い上げよりお得で、順番どおりに並べられているので続けて読みやすくなってます。
¥4,000
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

星芒鬼譚11「待って不死身の人多すぎない?」

星芒鬼譚11「待って不死身の人多すぎない?」

「ここまで来れば大丈夫かと…って大丈夫ですか?」

賀茂が振り返ると、京極はぜぇはぁと息を荒げていた。
なんなら、げほげほと噎せている。

「だ、大丈夫じゃないけど…とりあえず、大丈夫…」

京極はベンチに倒れ込むように座った。
賀茂も、少し間を開けて腰を下ろす。
夜の公園には誰もいない。外灯がジジッと音を立てて点滅した。
しばらく続いた沈黙を、賀茂が破る。

「…京極さん。昨日のことですけど」

もっとみる