燃えている！

＊2015年の記事です。BC州では5年前から夏＝山火事が定番化してきました。2018年にはBC州でも記録的な大規模山火事がおきました。2020年現在アメリカ西海岸で起きている山火事の被害が1日も早く鎮静化することを願っています。今夜から少しだけ雨が降るみたいです。まとまった雨が降りますように。現在の記事はこちら＊

雪の降らない冬から、雨の降らない夏に突入したCoastal BC。
１３年、カナダで暮らしていて、一番ドライな夏。
Drought（干ばつ）なんていう言葉も聞こえてくるほど乾いています。

ここへきて大規模山火事が頻発しています。
乾燥と強烈な日差しに加えて、強風も重なり火の勢いは増しているそうです。３つの大きな山火事が半径１００km圏内で起こっていて、のんきに傍観するほど人ごとでもないので、ドキドキします。

暮らしへの影響

今日はSquamishに山火事の煙が押し寄せて、視界２００m先が見えない状態でした。

Air Qualityは最低の１０。（←この数値はじめてみた）
ウィスラーは最低よりも上の１１（←最低に上があるなんて知らなかった）

家で窓を閉めていても、喉イガイガ、目はシパシパ、鼻水はとまらないし、かといって外にも出れない。
庭にはうっすら灰がつもり、もちろん煙い。
いつもは強い風の吹くSquamishが、無風のため煙がたまる一方で、どんどん視界が悪くなる。どこにもでれない、どうにもできない。
そんなこんなで気持ちも体も苦しくなって、ややパニックになってしまいました。

いてもたってもいられず、バンクーバーに避難。
若干空気のいいバンクーバーで気分も落ちつき、冷静になってきます。

世界中で温暖化や異常気象のニュースを見聞きしています。
ですがBC州は変化が少なくて、頭では理解してても、肌で感じるほどではありませんでした。なんといっても、ここは水が豊かで、災害も少なのです。

ですが去年あたりから、夏に晴天が続きすぎることに少し危機感を感じだしました。そして、今年は、”危ないな”と感じる暑さ・熱さです。
雨が降ってほしいと切実に思います。

山火事の生態系への影響

ご存知のとおり、Coast BCはサーモンのふるさとでもあります。
でも、今年は川の深さが足りず、さらに表面温度も高くてサーモンが川を上がってこれないそう。心配です。

そして、Squamishは別名風の街。
夏になるとびゅうびゅう風が吹きます。
この風は、実は100km北にあるPembertonの街と関係して、Pembertonの気温があがると上昇気流が発生し、その気流が風となってSquamishに吹くのです。

今は、PembertonもSquamishも分厚い煙に覆われているせいで、気温があがりません。Pembertonの気温があがらなければ、Squamishで風は吹かず、煙は動かない。

森も、サーモンも、風もあたりまえの光景だったけれど、
こうしてバランスが乱れてしまうと、日々いかに調和されていたか気づきます。

今まで、気づくか気づかないかの地味な変化でいれたのは、圧倒的な自然のおかげだったんだな、と気が付きます。
マジ、ありがとう自然。愚かなわたし。バカ！

いつもの毎日が戻るように、
雨が降ってほしいけれど、雨が降らない日を指折り数えるのではなく、
今は、あるがままの状態を、落ち着いて受け止めようと思います。
煙も、暑さも、続く日照りも、いつ落ち着くかもわからない山火事も全部。

こういうときこそ、命がけで消火活動にあったっている人達に、森に、共に経験している地球に感謝の気持ちをまず向けていこうと思います。
恐怖よりも、感謝にフォーカスしよう。

この山火事のメッセージは深く大きく。しかも、誰にでもわかりやすいですね。

出火させないように気をつけること

そしてそして、最後に、おさらい。
乾燥と高温が続いていると、小さな火種があっというまに広がってしまいます。今アクティブな山火事の多くは、落雷が原因です。

でも、雷が落ちたからと言ってすぐ燃えるわけではなく、数日、数週間、地面の中でくすぶり続け、高温と乾燥という条件で発火します。
私の友達も、森でトイレットペーパーを燃やし、土の中に埋めた時に、見た目では完全に消えていたのに、地面から煙がでてきてくすぶっていて、”こうやって山火事っておこるんだなあ”って言っていました。

なので、たとえ小さな火種でも、高温乾燥している時はそのとき発火しなくても、いずれ火はでます。

完全に消したつもりでも、火種になりそうなもの（たばこの吸い殻とか、バーベキューの火の粉とか、）は、森には決して持ち込んではいけません！！

どうか、みなさんもBCに雨が降るように祈ってください！
そして、命がけで消火活動にあたっている人達がみな無事に戻って来れるように。

もう、祈るしかない。