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円安といわれる日本から

日曜日の夕方6時に「ちびまる子ちゃん」を見ながらこの記事を書いている。

まるちゃんのお姉ちゃんの声優さん、変わったんだなあ。

なんて。

日本に住んでいる人にとっては当たり前のこの日曜日の夕方が私にとってはいとおしい。

ここ数年、一時帰国のたびに日本を去りがたく辛い気持ちになる。

郷愁というのか望郷というのか。

円安円安といわれる日本だが、東京に限ってはそんなに安いとは感じなかった。スーパーの食材も一見安そうには見えるものの、量が小さいのでそう見えるだけで、家族4人として考えると値段でいえばカナダとそんなに変わりないかな?という気もした。

ただ、大きく違うことがあった。

食材の種類と、野菜の色だ。

ほうれん草にしてもトマトにしてナスにしても、色が濃くて立派だ。
この時期のみかんも種類もたくさんあって甘くてうまい。

カナダは寒い地域なので仕方がないことかもしれないけれど、あんなに色の濃い野菜はそうそうお目にかかれない。

野菜に命がちゃんと宿っている。

そういう気がするのだ。
こんなお野菜を毎日食べられる日本人はいいなあ。
長寿の理由はこういうところにもあるのかな?

なんて思ったりする。

そして、神社仏閣。

日本人はかみさまに近い民族だと再確認した。

なにも宗教的な話をしようというわけではない。

でもやはり、皆さんの中にあたりまえのように存在する神道的な部分(それこそもう、節目に神社にお参りに行くこと自体が)であったり、寺院にて冠婚葬祭(一番身近なのは旅立ちの儀かもしれないけれど)があり、お経やお墓参りという概念があることがもうかみさまに近いと感じる。

今回も何ヵ所か神社仏閣を訪れたけれど、境内に入ると背筋がピンとして、感覚が凛と澄まされた。

あの感覚はとても特殊なもの、
日本人が生まれ持つ能力と言ってもいいかもしれない。

今回、秋の京都をめぐり、人の多さに辟易としたのは事実なのだが、でもその中でもあちこちに見出すことのできる、凛とした丁寧な佇まいに触れるたび、ああ、日本人でよかったなあと思うのである。


最後に都内で訪れたとあるお寺では、手書きで御朱印を書いてくださり、それを香の煙で清めてから手渡してくださった。


歳を重ねると、そういう所作に安らぎを感じてくるようになる。

そんな風にいつまでも日本の日常に想いを馳せていたいところだが、そろそろいとまの時間である。

コロナ前に子供達が日本の小学校で体験入学をさせてもらったときに校長先生に言われたことがある。

「日本とカナダのいいとこ取りをして、素敵な国際人になってね」

この言葉、子供はどうだがいざ知らず、わたしの心の礎になっている。

その言葉を胸にしまい、カナダと日本に少しでも橋をかけられる存在になれるよう、カナダに戻ってもがんばろうと心に決めた。

さよなら、日本。また会う日まで。


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