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フィリピンでビーチリゾートを作るまで(土地探し編)

物事を学ぶときはあまり考えずにスッと飛び込んでいくのが良いのだろうか。

僕はいろいろ考えてしまうタイプなのだがこの時はいろいろ考える余地もなく、全てのことがはじめてだらけだったので考えすらも及ばなかった。

前回の続きでビーチリゾートを立ち上げることに決まったのだが文字通りゼロからのスタートでまずやることはビーチリゾートを作るその土地探しからだった。

フィリピンの田舎では当然不動産業者などいなくまた土地売買の適正価格やルールのようなものが曖昧過ぎてそこから勉強していかないといけない。

ブローカーと呼ばれる土地売買の仲買人みたいなちょっと怪しげな人達がいてその人達にコンタクトを取るか、直接土地を色々持っていそうなオーナーと話をするか、しらみつぶしに良さそうな空き地を探し回るかしかなかった。結局空き地を見つけたとしてもオーナーやブローカーに連絡することになり、ブローカーと土地オーナーの2本立てでネグロス島の海岸線沿いの土地を見て回った。

超アナログな伝言ゲームからの運を天に任せ良さそうな土地と出会えるかの一種の賭け

まずブローカーを知っていそうな人に紹介してもらい当然フィリピンでは一人や二人に任せておくと彼らの都合や感覚やセンスの違いでとんでもない時間と労力のロスになるので、並行していろいろなブローカーと出会い話をしとにかく土地を見まくり、土地オーナーも同様に人脈を広げていく。

不思議と一人と繋がると芋づる式に増えていきお陰様でネグロス島海岸線沿いの土地は全て網羅したんじゃないかというくらい見まくったが、向こうも自分の土地を買ってもらいたい、中間手数料をもらいたいので必死で彼らの対応の方にもなかなかの労力と時間を費やした。

良いものはギリギリに予期せぬ所からやってくるのかもしれない

そうやって土地とか不動産とかにずぶの素人が滅茶苦茶数をこなすことによって半ば無理矢理いろいろ覚え何とか見様見真似で形になっていったが、1年ほどが過ぎてもなかなか土地が決まらなかった。

その間依頼人たちは日本から毎月か2か月に一回やってきて2,3日程度ドゥマゲッティにいる。

1年が過ぎてもなかなかピンと来る土地が見つからないのでさすがに焦りが出て来たのかこのまま見つからなかったら農業に切り返しましょうと言われ農地まで並行して探していたが、ある時しつこく何度も良い土地があると言ってきたセンスが悪く感覚もあまり合わないブローカーがそれでも見てみろと言うので当初予定していた範囲を超えていたが、日本の依頼人に確認を取り「まあ見るだけなら良いんじゃない?遠いけど」とあまり乗り気ではない感じだったが、最後のチャンスと行ってみるとこれがバッチリみんながピンと来る土地だった。

こうしてギリギリで予期せぬところから土地が決まった

ビーチリゾートの土地

郷に入れば郷に従い過ぎるのもビジネス上良くない

こうして土地は決まった。しかし、フィリピンではまだ外国人が土地を購入できない。どうするかと言うとフィリピンに会社を立ち上げてその会社に土地を買わせる。

フィリピンでは外国人が株を持てる割合が40%、フィリピン人が60%持たないといけないので(今は職種や状況によって異なって来た)

リスクはリスクなのだがそこはこれだけ多くの外国人がフィリピンで商売を堂々とやっている理由でまあいろいろ裏技なり魔法なり方法や理屈はいろいろある。

この時はまだ無知だったのでその魔法を使える魔法使いを紹介してもらったが結局その魔法使いが悪い魔法使いだった。

とりあえず悪い魔法使いが説明するように2つ会社を設立し、会社のフィリピン側の株主はその弁護士と弁護士事務所のスタッフ達になった。

こうして悪徳弁護士の言いなりに土地売買の書類等も作成してもらい何とか憧れのビーチフロント、アポ島フロントの土地を取得する手続きに入った。

ちなみにフィリピンではビジネスをやろうと思ったり不動産関係などお金が絡んでくる案件はだいたい弁護士を通さないといけない。

行政書士のような仕事も弁護士がこなすし分野は分かれるが何でも屋さん的な所が多い。この弁護士が一番厄介で一番信用できない

フィリピンでは弁護士的能力の良し悪しよりもまずは信用できるか、そして誠実でしっかり仕事をこなしてくれるかだけで良い弁護士と思っちゃうほどだ。


今回の日本の依頼人たちは日本でわりと大きな会社の会長や経営者で日本やハワイ、グアムなどで多額のお金を動かしていたので私達は海外ビジネスにも精通していていろいろわかっていると豪語し、途中からおかしいと思いいろいろアドバイスしたが聞く耳持たず、常に日本のやり方をそのまま持って来てしまいこの悪徳弁護士にまんまとやられてしまった。

「日本では弁護士に会社の印鑑や通帳を預けるのは当たり前だから」と僕にことわりもなく預けていてこの弁護士が言うことを丸呑みしていた。

海外では日本の常識特にビジネス的な常識はあまり通用しなく、日本の常識を持って来てこうだからとずっと言われ続けるほど辛いものはない

郷に入れば郷に従えはわかるが、従い過ぎるのも問題だ

疑いや何故そうなるのかのしっかりとした裏付け、損得勘定の流れ方、お金の行き先、流れ、失敗したり上手くいかなかった時のかなり多岐に渡るリスクマネージメントなどなどをしっかりと考え行動しないと特に海外ではフィリピンでは痛い目に合う。

今回はこの辺にしておきます。お読みいただきありがとうございました。

次回は悪徳弁護士との闘いや土地オーナーとの攻防戦を書こうと思います。


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