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それはどのタイプのガトーショコラなのか

💝

ハッピーバレンタイン〜
でしたね👏

バレンタインでどんなお菓子を作ろうかワクワクするのと同時に、何もアイデアが浮かばなくて焦る、という新たなステップに足を踏み入れました。

今まではバレンタインという行事に浮かれて、今の自分を全て出し切る!全てぶつける!と力んで作ったこともないものに挑戦したり、基本のレシピを無視してチョコ増し増し、好き放題やってみたり、しましたが、
今年はなんだか基本に立ち返りたい気分になりました。

そんなわけでガトーショコラ。
いろんなレシピがあるけれど、今年は富澤商店のウェブサイトのもので作りました。見るからに、私が選ばないタイプの、軽いケーキっぽいガトーショコラ。

自分の好みは、しっとりねっとりした、まるで生チョコみたいな重いガトーショコラなんですけど、昔好きすぎて作りすぎて、じつはちょっと飽きていた。結局このしっかり暗い色味ってココアパウダーのものだし、でもチョコはココアと油脂と砂糖だし、私はじゃあチョコを溶かして新たなチョコ味の何かを作って果たしてそれは最初のチョコより美味しいのか?みたいな怒りのようなものがふつふつと心の中で生成され始めて、ガトーショコラとは距離を置いていた。

外で食事した時に、デザートがガトーショコラとわかると同時に

「それはどのタイプのガトーショコラなんだろう🧐」と警戒する癖もついた。

重い系ならまだ喜んで食べられる。

それが軽いケーキ系のだったら、私は出来るだけそいつの悪口を心の中で言語化しないようにしないように、添えられたバニラアイスクリームを美味しく食べるためのクランブル的な立ち位置にすり替えて、またはお皿に乗ったラズベリーソースをディップするためのココア味の塊であると認識をスライドさせて、最後のミントをよく噛んでささやかなチョコミント的終わりを決めてその場を立ち去るのであった。

それくらい軽いガトーショコラを嫌い、無視し、自分にとって都合の良い存在にすり替えて、今まで過ごしてきた。

でも果たしてこの態度は、いかがなものだろうか?いささか子供っぽすぎやしないだろうか?

実際世の中のガトーショコラの半分、またはそれに近い割合でこの軽やかなチョコ味のケーキは存在している。ガトーショコラという名前で活動している。
レストランのデザートとして何食わぬ顔でトリを飾っている。
小麦粉と卵と砂糖にココアで色と香りをつけたぱさぱさした主役はクリームまたはバニラアイスとラズベリーソースを従えてまるで王様のように登場する。

誰も文句を言わないのだろうかと常日頃思っていたんですけど、もしかしたら間違っているのはコッテリ至上主義のこの私で、これだけ市民権を得ている軽やかガトーショコラを理解できないのは私が未熟だからなのでは…!

とここまで思い、おそらく15歳くらいの時には見切りをつけていた軽やかなガトーショコラを、再び作ってみることになったのでした。

正直、こんなにいい材料使ってこんなに手の込んだ作り方をして、この味なんだなぁと思わなくはありませんが、次回外食でパサパサの君と会っても、私はきっとその作業工程や材料のことを思い出し、きっと非難はしないだろう。たぶん。

メモ:生クリームを添えるとやっぱりしっくりきた。
メモ2:デコレーションはギャルみを意識した。かわいい。

#バレンタインデー  

あなたのおかげで生きているのかもしれません。