君が残した365日 あとがき
※この記事には微かなネタバレ(匂わせレベル)が含みます。ご注意ください。
それでも誰かを想い残したのなら、きっとこれが本物の愛なのだと
ある日、雲一つない秋晴れがまるで世界が一つになったかのように続いていた。マスクの下、薄く開いた唇はただそんな空を眺めていた。空想も何もない、綺麗だという言葉すら頭に浮かばず、目を奪われたような感覚で歩いていた。
不意に金木犀の匂いがした。ああ、もう秋だ。分かっていたけれど、歳を取るにつれ時間はあっという間に過ぎ去っていく。週5、8時間。