聴いてほしい。ときを止める歌声、adieu
私が彼女の曲を知ったのは、宇多田ヒカルをほれ込ませた「小袋成彬」のiTunes上のプレイリストの第一曲目に入っていたからだ。
花は揺れる
透きとおった声。
単調なリズム。
厳選された少ない音数が、常に耳に心地よく、より彼女の声を際立たせている。
よくよく調べてみると、「花は揺れる」はカップリング曲で、CDのB面を飾る曲だった。
私はカップリングが大好きで、シングルの場合、好きになるのは大抵1曲目ではない。カップリングの方がアーティストの好きにしました!感があって、色が出やすいなと思う。だからこそ好きなのだ。
「花は揺れる」のA面の曲はナラタージュ。
これは嵐の松本潤と有村架純が主演となった恋愛映画の主題歌で、作詞作曲はRADWIMPSの野田洋一郎だ。
ちなみにナラタージュもめちゃめちゃいいので、ぜひ。
Youtubeにナラタージュだけあったので。
歌っているのはadieuという歌手。
女子高生シンガー、(2017年時点で17歳)という今年かわかっておらず素顔は謎に包まれている。
ナラタージュ監督の行定勲さんが「ときを止める歌声」というコンセプトに、探したどりついたのが、adieu。
とのこと。
ときを止める歌声
とはまさにそのとおりで、彼女の曲を聞くと、なんだか現実が少し薄まるような気がする。
花は揺れる のどこがいいかというと、もちろんメロディー、彼女の声、単調でシンプルな曲調全て好みだ。
しかし最大に惹き込まれたのは歌詞かもしれない
歌詞もものすごーくシンプルなのだが、季節の単語や、自然の風景の単語がよく出てくる印象だ。
花は揺れて
雲は流れてく
月は欠ける
夜は明ける
雨はやがて
川になり海に消える
わかっている
わかっていること
花は揺れる、雲は流れていく、雨は川になって海になる。という当たり前のことはわかっている。
あなたが優しく触れたのも
あなたに激しく触れたのも
どうしようもないくらい
自然なことになのに
あなたを小声で呼ぶのも
あなたと離れ離れなのも
どうしようもないこと
あぁ 風が吹いている
あなたとのことも当たり前でどうしようもないこと。
それも「わかっている」
と自分に言い聞かせている。
綺麗な歌詞に隠れた切ない心情を彼女の声と音が完璧に表現している。
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