会社を辞めた理由 第三章

私は11月末に約7年もの間務めてきた会社を退職して、12月から世界一周に旅立ちます。

なぜ会社を辞めるという決断に至ったのかについて、第三章を書き綴りました。

悶々と悩む社会人の方、社会人になる前の学生の方にぜひ読んでいただきたいです。


第三章 一通の手紙

転職という道を取るか、この会社で駐在を待つか、悩み始めた時、デスクに一通の手紙が届いた。

庶務さんから渡されたその封筒には差出人の会社名が無かった。

封を開けると、ヘッドハンティング会社からのスカウトだった。

「一部上場のメーカー様より、世界各国で展開を予定する新規事業の戦略立案をお任せできる人材のスカウト依頼を受け、リサーチをかけた結果、勇一様のご活躍を耳にしご連絡しました。是非一度ご面会の機会を頂戴できれば幸いです。」

手紙の中に書いてあったアドレスに返信してみると、わざわざ東京から会いに来るとのこと。
ただ指定された日は海外出張中で不在であることを返信すると、電話で一度話すことになり、日時を取り決めた。

数日後、女性から電話がかかってきた。

まず、どうやって私を知ったのかを聞いたところ、

「詳細は申し上げられませんが、過去に名刺交換をされた方からの推薦です」との返答。

ありがたいことに部門費で何万円もする外部研修に一年に2度ほど参加させてもらっていたので、おそらくその中で一緒に研修を受けた誰かなのだろう。
そして、私が会社HPや広告代理店企画の社会人サイトに出ていたことも確認済みだった。

オファーの内容は、弊社よりも有名かつ企業規模も大きい競合他社からだった。

年収は100~200万円アップ。

現在と同業界の仕事には全く興味が無かったことからお断りした。

それにしても転職を考え始めたタイミングでこんなオファーが届いた。

何か一歩踏み出せというメッセージなのかもしれない。
一流企業で活躍する複数の友人に話をするとそんなスカウトの話は聞いたことが無いとのこと。

自分は他社でも通用する市場価値があるのではないか?

じゃあ確かめようということで、リクルートやDODAなど転職エージェントに登録をして、話をしに行った。

すると、27歳、英語中国語可、中国駐在経験あり、という実績からたくさんの企業を紹介してもらった。
年齢的にも経験的にもちょうどよかったのだろう。
アベノミクスにより景気が安定していたこともあって企業も積極的に中途採用をしていた。

転職活動を通して気づいた。

自分には市場価値がある。
世の中には山ほど働き先がある。

凝り固まった常識の枠が外れた。

「一度きりの人生やりたい仕事をしよう。」

エージェントから紹介された企業や業務内容をひとつひとつ時間をかけて確認していった。
自分でもネットを駆使して、転職情報をリサーチしまくった。

ただ、ここでまたひとつの壁にぶち当たることになった。

「俺はこの人生で何がしたいんだ。」


最終章に続く。

第一章はこちら

第二章はこちら


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