公衆衛生学xスタートアップ事業開発、Ubieで引き起こしたい「健康」の未来
こんにちは、守屋祐一郎(@_ymoriya_)と申します!
「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」Ubie株式会社(Ubie Discovery)にて、医療機関向けの事業開発に従事しています。
一人でも多くの方に医療/ヘルスケア/公衆衛生に対するモチベーションを抱いて頂くこと、Ubieで同じ山を登る仲間とのご縁に期待して、久しぶりnoteを書きます。
特にこんな方に読んでほしい
臨床、研究とはまた異なる課題解決手法を模索したい医療従事者
医療/ヘルスケア/公衆衛生に関心があるビジネスパーソン
前向き/コトに向かえるスタートアップで働きたい方
簡単に自己紹介
2018/3 慶應経済卒
2018/8-2021/11 セルソース(医療機関向け営業、新規事業、メディカル)
2021/12- Ubie株式会社(Ubie Discovery)(医療機関向け事業開発等)
2023/4 聖路加国際大学 公衆衛生大学院(SPH,School of Public Health,3年コース)入学予定 社会人大学院 New!
新米公衆衛生学徒として、誰もがより健やかで豊かな状態でいられるためには、どうすると最高か、をずっと考えています。
このnoteでは、上記の問いに対し思考実験しながら、今私が見ている未来や登り方を言語化してみたいと思います!
要約
医療/ヘルスケア/公衆衛生の重要性がこれからますます高まる
健康の定義は広範に渡る。課題解決の矛先としてDeterminants of Healthを意識したい
medical care、Individual behaviorの変数にフォーカスし、生活者と医療の適切なタイミングでのマッチング、行動変容を最大化したい
Ubieのミッション達成は必要条件。公衆衛生学研究との両輪で、より良い未来を引き起こせるようがんばります
思考実験:誰もがより健やかで豊かな状態でいられるために
現在地と傾向、事象の構造を眺めつつ、中長期の姿を描き、登り方を検討していきます。
1.現在地を知る:医療/ヘルスケア/公衆衛生に対する関心の高まり
みなさんの医療/ヘルスケア/公衆衛生に対する印象はどのようなものでしょうか。
誰もが一度は頼る身近な存在
少子高齢化時代の成長産業
等がイメージしやすいと思います。
以下で人口構成や社会保障(マクロ)、個人の生活(ミクロ)の両面で関心が高まっていることがわかりやすく説明されています。
ヘルスケア産業の市場規模は高齢者の増加等により拡大傾向にあり、社会保障制度の持続性確保の観点からも国家的課題である
コロナ禍を通じて、人々の健康意識、予防意識が向上(したことが示唆された)
これらを直近の兆候と解釈し、「10年経っても変わらないものを軸に戦略を立てよ」というジェフベゾスの教えに倣い、中長期に目を向けます。
2.時流を捉える:少子高齢化、老化制御
人間が不健康、死を忌避することは、10年後そしてその先の未来においても変わりにくい特性と考えられます。昨今のトレンドも踏まえ、世界が”落下”していく方向として、以下を想定します。
公衆衛生の良化、教育の浸透、経済成長のポジティブフィードバックループに伴い、人口構造/動態は少産少死 x 少子高齢化に収斂していく。
生物老年学研究の発展と社会実装に伴い、老いは不可逆な存在から転じ、(部分的に)制御可能なものとして再定義されていく。
こうした奔流の中で、医療/ヘルスケア/公衆衛生の重要性は更に高まるでしょう。これらのゴールたる「健康」は曖昧な概念ですので、定義を再確認します。
3.ゴールを定義する:「健康」の射程
WHOの定義では、「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」とあります。(マッキンゼーの「人生をより長く、豊かに過ごす」もわかりやすいです)
また、人生の目標を達成することができるからこそ健康に価値があると捉え、健康を「標準的な状況において、自分自身の目標を達成する十分な能力を有している状態」と定義するケースもあるようです。(公衆衛生の倫理学)
これらを踏まえ、身体/精神的に病気がないことに加え、個人の価値観や目標達成、他者との繋がりの良好さなども包括したより広い概念として捉えることを現状の最適解と仮置きします。
次に、構造に関心を向けます。
4.構造を把握する:Determinants of Health
「健康」を規定する構造として、Determinants of Healthが参考になります。
89% of health occurs outside of the clinical space through our genetics, behavior, environment and social circumstances. These factors are known as the social determinants of health.
定義と構造を所与として、ポジティブな影響を与える切り口を考えます。
5.切り口を考える:変数を絞り、フォーカスする
迅速に大きなインパクトをもたらすために以下を重視します。
課題の大きさ/深さ≒解決時の量的、質的インパクト
解決/改善方針における不確実性
変数同士の依存関係
medical care、individual behaviorに照準を絞ります。理由は、
①解決/改善方針の不確実性が低く、社会実装フェーズにある
medical care
多くの疾患に対して、何らかの医療ソリューションが既に存在する
現状のUnmet Medical Needsに対する課題解決は無論必要
踏まえて、生活者と医療の適切なタイミングでのマッチングの最大化を急ぎたい
individual behavior
望ましい健康行動に関する確からしい解がすでに存在している
踏まえて、生活者の行動変容=認知、理解、取捨選択、実行、継続(ヘルスリテラシー、アドヒアランス)を最大化を急ぎたい
②medical care、individual behavior間のポジティブフィードバックループの形成を期待できる
日本は一人当たり受診回数が12.5回/人・年と大変多く、最も医療のプロフェッショナルと一般生活者の接点が多い環境の一つです。
この特性を踏まえ、生活者が適切なタイミングで適切な医療を享受⇄生活者が健康行動をより能動的に選択、という循環構造を作れる=合計47%を占める大きなテーマに同時アプローチできる可能性があると睨みました。
大雑把に構造を捉えたので、未来に目を向けます。
6.未来を描く:20年後のmedical care、individual behavior
おそらくこのような姿になると推測します。
medical care
生活者が適切なタイミングで、適切なソリューションにアクセス(経済的、物理的、etc)可能な状態
医療全体の投資対効果(患者アウトカム)が最大化され続ける状態
あらゆる健康改善、老化等に対するソリューションが存在し、活用可能な状態
individual behavior
生活者一人一人が、医療を主体的に納得感高く使いこなせる状態
生活者一人一人が、個別の価値観とバランスさせながら、能動的かつ継続的に健康行動を実践可能な状態
以下が上記をもたらす主たる事象であると考えています。
いずれも実現に向けた階段を登っている最中の理解ですが、必要性やWhy nowを改めて得心できました。
7.登り方を企てる:手段としてのスタートアップ、そしてUbie
上記の実現に際して、流れを大きく前進させるためには、
①不確実性の高い課題に対する大胆なリスクテイク
②生活者への大規模かつ継続的、効果的なアプローチ
③各ステイクホルダーを巻き込んだ共創
が肝要であると考えています。
①に関して、特にスタートアップが得意かつ期待される役割です。
医療従事者、公衆衛生人材、業界外で活躍してきたタレントが、医療/ヘルスケアスタートアップにて挑戦する機会が増えていくことを期待します。
②,③に関して、生活者に深く活用していただけるサービス(症状検索エンジン ユビー, US)を有し、プラットフォームを構築しているUbieが果たす役割は大きいと考えています。
総括すると、冒頭の問いに対する私の今の答えとして、
まずUbieのミッション「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」の達成が必要条件である
同時にPatient Centricityの実現、Value Based Healthcare、Health Literacy教育の浸透、Shared Decision Makingの普及などを加速できるよう、研究活動と両輪で成果を出したい
と考えています。
やるか超やるか
4月からはSPHの授業も始まります。スタートアップやりながら英語で大学院はさぞタフでしょうが、スタートアップ事業開発を通じて、公衆衛生学の知見を社会実装する人材となるべく、”Protecting Health, Saving Lives—Millions at a Time”を胸に、引き続き全力でやっていきたいと思います!
We are hiring!
Ubieでは一緒に「健康」の未来に挑戦する仲間を絶賛募集中です。
今が一番楽しい、を常に更新し続ける日々です!
ぜひカジュアルにお話しさせてください!
カジュアル面談
YOUTRUSTさんにUbieのカジュアル面談まとめページを作っていただきました!
私も参加させてもらっています!
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