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グローバルに少しだけ近付いたシリーズC15億円の資金調達とFindyのこれから

15億円のシリーズC資金調達を実施

シリーズCの資金調達を4/19(火)にプレスリリースさせていただきました。

創業時からFindyを追ってくれている、ダイヤモンドの大崎さんの記事はこちら

また、今回Podcastも含めて記事化いただいたBRIDGEの平野さんの記事はこちら

多くのメディアに取り上げて頂いただけではなく Twitter や Facebook でもエンジニアユーザーやクライアントの方から応援の声をいただきとてもうれしい気持ちでいっぱいです。

今回は新規にトレジャーデータの創業者メンバーが立ち上げているCarbide Ventures(カーバイド・ベンチャーズ)から投資いただきました。 元々トレジャーデータの日本の取締役である堀内さんと繋がりがあり、 Findy Teamsがエンプラ向け含む SaaS 事業であるため、アドバイスをもらいに行ったのがきっかけで今回出資頂くに至りました。

出資のプロセスの中で、トレジャーデータの役員陣と議論するのは非常にエキサイティングで、グローバル視点でサービスを展開している経営者の視座の高さを実感しました。今後、彼らのナレッジや視点をしっかりと取り入れて、事業を成長させて行きたいと思っています。(ちなみに人生で初めて英語でのプレゼンにチャレンジしたのもとてもいい機会でした。Zoomはいいですね。手元でカンペが見れるのでw)

同時にとても嬉しかったのは今回既存投資家5社が追加でフォローオンの出資をいただいたことです。 普段から投資家とのコミュニケーションは力を入れており、またクライアント先の紹介やナレッジのシェアなどでも積極的にご支援いただいてきた関係性でしたが、やはり追加で応援を頂けるというのは非常に嬉しいことだと感じています。グローバル・ブレインさんに至っては、普段から採用や特許申請までの幅広い支援に加えてシリーズAから3回連続ということでこの恩はしっかりと返さないといけないと思っています。

前回の資金調達はコロナにより緊急事態宣言入りの時期ということで、100社弱投資家を回ってやっとのことで資金調達を実現した背景がありましたが、今回は既存投資家の熱い応援もありスムーズに乗り切ることができました。

シリーズCの資金調達を実施した背景

シリーズ C を実施した背景は、まずは転職やフリーランスマッチング事業がクライアント数やユーザー数も着実に増え急速に成長している中で、もう一段のプロダクトの進化を実現するために開発力を付けていきたいと考えたからです。

例えば、先日、アップデートしたスキル偏差値なども、もっと定期的に改善していけるような体制を整えていきたいですし、またマッチングのアルゴリズムの精度向上やエンジニアユーザーの利用者にとって転職や案件探しのタイミングだけではなく、普段から価値提供できるようなサービスに進化させていきたいと思っています。

続いてFindy Teamsがクライアント数も増え順調に成長してきたことを踏まえて、更なる開発投資に踏み込んでいきたいと考えているからです。すでにトライアル含めて導入実績が100社を超えており、メトリクスの種類も増えてきました。ただエンジニア組織の可視化や生産性の向上だけではなく、その結果として、良いエンジニア組織文化づくりや開発者体験の向上につながるプロダクト設計などまだまだやらないといけないことは膨大にあるサービスです。また、この分野については国内に明確な競合がいないのが現状ですので、このタイミングでしっかりとプロダクトへの投資を行い、クライアントニーズに応え続けられる存在になっていきたいと思っています。

また、同時にリリースしたエンジニア採用の海外版も進めていきたいと思っています。すでに1月からテストマーケティングとして海外向けにサービスを開始しています。まだテストとして3か月ほど運用しただけですが、既にインドやバングラデシュ、ネパールなどから6,000人以上のユーザーに登録して頂いております。これまで日本で運用してきたスキル偏差値を活用して、現地のエンジニアの方に日本の会社で働いたら、どれぐらいの年収がもらえるかなども確認できるようなサービスとして開始しており、「面白いね」ということで口コミでも広まりながらユーザーが増えています。

日本の企業サイドもこのエンジニア採用難を受けて外国人のエンジニアを、日本に居住している人だけではなく、海外に在住している人も含めて採用を開始している企業も増えてきており、そうしたニーズに応えていきたいと思っています。

ちなみに海外で採用すると実は応募者を募ることはそれほど難しくありません。というのも日本と違って人口増加国家が多いので、仕事を探している人も同時に多く、募集を出すとたくさんの応募が来ます。ただ難しいのが、スクリーニングです。たくさん来るので誰が優秀なのか、誰が本当にコードを書けるのか見分けるのが非常に難しいというのが課題になってきます。我々のサービスではそのスキルという部分を一定程度データで見える化するというところが強みになっているので、比較的スムーズに採用活動が行えるようなサポートができるのではないかと思っています。

前回の資金調達からのアップデート

前回資金調達を行ったタイミングではまだまだ30人ぐらいの規模の会社でした。約1年半の期間を経て順調に成長し、現在では正社員が75人ぐらいの規模まで成長しています。売上も公開していないですが倍以上に成長しており、またプロダクトも転職フリーランスサービスの進化だけではなく、Findy Teamsのリリースなど、エンジニアやデザイナーメンバーの頑張りによって提供できる価値が増えてきています。

また、この間における大きな変化としてはミッション・ビジョンの改定を行ったことです。元々「テクノロジードリブンな事業成長を増やす」というテーマでビジョンを掲げていましたが、以下のフィードバックをメンバーからもらっていたこともあり、改めてビジョンの再考を行いました。

  • ビジョンが非常に大きな目標であるため、実際のサービスや実務とのつながりをもっとわかりやすく説明してほしい

  • パッと聞いた感じ企業側に寄っている感じがするため、エンジニア個人の活躍やエンパワメントにも言及していきたい

今回はクリエイティブディレクターに入っていただき、伝えたいことやコピーの整備も行ったのですが、同時にそのプロセスを全て社員に公開し、意見をもらいながら進められたことがとても良かったのではないかと思っています。

自分のスタイルとしてトップダウンで決めてしまうというわけではなく、一緒に事業を作ってくれているメンバーの意見や考えを取り込みながら構築していきたいと思っているので、会社の根幹である経営理念やビジョンを全員で考えることができたのはとても楽しかったですし、全社としても盛り上がって良い機会になりました。

ちなみに新しい経営理念とビジョンはこちらです。

◆経営理念
つくる人がもっとかがやけば、世界はきっと豊かになる。

◆ビジョン
挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。

グローバルな投資家との接点

今回の資金調達活動で新たにグローバルな投資家との接点を持ち始めました。まだ、我々の規模がそれほど大きくはないので、次回シリーズDなどがあれば検討するよという投資家が多かったのですが、初めてコミュニケーションをさせていただくことでたくさんの学びがありました。

まず、シンプルに市場規模だけを見ると日本の20倍存在しているということです。トレジャーデータの創業者である芳川さんと議論する中で、「この市場規模は海外も含めると20倍になるよね」と言われそれまで考えても見たことがなかったのでハッとさせられました。しかも新興国だともっと伸びるから将来的には30倍とかになるかもしれませんし、そこに対してのマーケティングも始めているところで、純粋に考えるだけでワクワクしてきます。

また、海外でマーケティングを始めたのを見て連絡してきた投資家もおり、実際に発信していくことの大切さを感じました。

同時に海外の投資家は投資金額の規模も非常に大きく彼らのチケットサイズを踏まえると、我々の成長性という意味ではまだまだ足りないということを強く実感しました。例えば、上場にはシンプルに売上100億円規模が求められるマーケットがあり、そこから逆算するとこれぐらいの成長性が求められるというロジックで投資検討している投資家もいたのですが、やはりそこに行くにはもう一段会社の実力を上げて、なおかつスピードも上げていかないといけないっていう事を強く強く実感をした次第です。

また、当たり前ですが日本の事情を説明したところで、そこが理解されるわけではありません。やはりこういうマーケット構造で、こういう取り組みをした結果こうなっており、さらに投資をしてこの規模まで伸びるという市場の可能性も含めて全て数字で説明をしなければいけないという当たり前の厳しい事実に直面しました。日本ってこうだよね、という感覚値は伝わらないということです。この辺り、次回の資金調達を行うのであればしっかりと考えていきたいと思っています。

「つくる人がもっとかがやけば、世界はきっと豊かになる。」という経営理念の実現に向けて

サイト内で経営理念を以下の通りで規定しています。

テクノロジーによる社会変革の時代に最も必要なことは、エンジニアの可能性を拡げることです。
Findyは、アルゴリズムとヒューマニティの融合によって、すべてのエンジニアが不安なく挑戦できる世界共通のプラットフォームをつくります。
個人のチャンスを生み出し、組織の生産性を向上させ、社会の人材資産を好循環させる。
エンジニアプラットフォームが、デジタル社会の発展を加速していきます。

https://findy.co.jp/

新卒で入社した三菱重工業は技術をベースにグローバルでプロダクトを提供する会社でした。そこで働く技術者=つくる人が大きな規模の予算を持ち、挑戦を続けてきた結果が今に繋がっていると思います。

翻って、IT/Webの領域を見るとまだまだグローバルで勝てている会社は多くありません。今後グローバルで一定の地位を獲得できる企業は、ソフトウェアやアルゴリズムの優位性が必須となってきます。Findyはそうした技術の最先端を担うエンジニアが不安なく挑戦できる社会をつくることで、イノベーションの数を最大化し、世界を豊かにしていくサポートができればと思っています。

この壮大な経営理念を実現していくためには、まだまだたくさんの仲間が必要だと思っています。まだ、正社員100人未満の小さな会社で風通しもよくどんどんチャレンジしていける環境です。興味を持っていただける方はご連絡をいただけると嬉しい限りです。

また、来週この資金調達に合わせてFindyの経営陣でオンラインイベントを実施するので、ご関心のある方は、是非ぜひ覗いていただけると嬉しい限りです。

これからも地道に続けていくこと

今回の資金調達を社内で若手に話していた際に「15億円ってそんなに大きくないですね」と言われました。「おい、結構大変なんだぞ(涙)」と思いながら、二桁億円後半の資金調達が続く中では決して大きくない規模なのは事実ですし、そう捉えられても仕方ありません。ちょっとそういう規模に短期で進んでいる会社が羨ましく感じることもあります。(本音ですw)

ただ、個人的には他がどうかではなく、純粋にこの経営理念とビジョンに向けて、エンジニア向けのプロダクトやサービスを作っていることが楽しいですし、社会的に大きな意義を感じています。本気で我々のサービスがイノベーション最大化の鍵を握っていて、将来の日本の豊かさ維持にも大きく貢献できる会社だと思っています。

そして、自分の強みはその方向に対して「地道に続けていく」ことだと思っています。「続ける」力は誰にも負けないぞ、という気持ちで、徐々に、そして確実グローバルなサービスを提供する会社に進化していきたいと思っています。