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かつて僕らは兄弟だった ONCE WERE BROTHERS

「新時代の本を読むんじゃなく、原点に向かってた」

大好きなザ・バンドのドキュメンタリー映画を観にゆきました。
メインソングライターであり、2人の生き残りの内の1人であるロビー・ロバートソンの誕生から音楽との出会い、バンドとの出会い、そして伝説の『THE LAST WALTZ』に至るまでの道のりが彼の視点を中心に当時のスタッフや親交のあったミュージシャンの言葉で語られる内容。ブルース・スプリングスティーンやエリック・クラプトン、ヴァン・モリソンなどがコメントで登場。

ザ・バンドのファンで彼らの歴史を知る人ならどうしても(メンバーの反対を押し切って解散を決めた)ロビー・ロバートソンには良い感情を持ちにくい人が多いように思っているのですが、僕もその1人で、今作で彼と彼の妻が解散を他のメンバーのせいにする口ぶりにはやっぱり引っかかるものがありました。これじゃ死人に口なしじゃん。ロビー側の言い分はあまり知らなかった部分なのでその辺は新事実として受け止めましたし、ラストワルツという最後の闘いが必要だったっていうのも分からんではなかったですが、もう1人の生き残りであるガース・ハドソンのコメントがあればもう少し多角的に見られたろうになぁ。本編でも語られるように彼がシャイだからなのか、メンバー3人が鬼籍に入った今語るべきでないと判断したからなのかガースからのコメントは一切なし(他3人は生前映像を使ってのコメントあり)。

そもそも『THE LAST WALTZ』でのロバートソンのインタビューシーンもなんとなく嘘くさいというか(笑)、終わりに向けて自分に酔ってる感があってあんまり好感を持てずにいました。ほとんどのオリジナル曲は彼が作っているしボブ・ディランとの関係も最初は彼が入口になっているのも事実で、彼なしには語れないバンドであることは分かるのですが、再結成の際に彼だけ外されてるのにはそれなりの理由があるんだろうなぁっていう。でも今回、彼には彼なりの解散(正確にはライブ活動のみの停止)に至る理由があったんだなということが知れたのはよかったです。

そしてやっぱりザ・バンドの音楽と演奏は胸にじわーっとくるものがあるし、帰ってまた『ラスト・ワルツ』を見返したいと強く思いました。悪い意味じゃなく。
「こんな写真や映像あったのぉ⁉︎」とかロニー・ホーキンスが健在だったことなど(笑)驚きと発見に満ちた映画でした。

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