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Expo '74 2019の思い出

今年の4月末に
Max 8(旧: Max/MSP)を開発している
Cycling '74社の主催する
3日間のイベントに参加する為に
アメリカに行ってきた。

Expo '74とは?

僕が参加するのは初めてなんだけど
Expo '74は今回で3回目らしい。
初回が2009年
2回目が2011年だったので
だいぶご無沙汰。

開催された場所はオールバニーという
ニューヨークから電車で2時間ぐらいの場所で
平たく言って
UberやLyftがほとんどないようなド田舎

公共交通手段で行くのは
たぶん無理ゲーなので
イベントの運営チームは
全参加者(80名ぐらい)が
会場までたどり着けるように
シャトルサービスをそれぞれ手配してくれたりと
神がかったサポート体制だった。

会場となったMASS MoCAという施設は
元々は工場だったところを改修して
今はミュージアムとして運営しているそうだ。

中はリノベートされてとても綺麗だったけど、外はワイルド


期間中は
1コマ1時間ぐらいのプレゼンテーションが
毎日9:30-19:00ぐらいまでギッシリ入っていて
時間帯によっては
複数会場で同時に行われていたりするので
興味のあるプレゼンを選択して聞くことができる。
システム的には
ダルムシュタット現代音楽講習会に近いかも。

最終日はワークショップが中心のプログラム構成で
それぞれ自分で手を動かして
色々体験することができた。
僕が参加したワークショップは
MPE、
AIによる音楽生成システム
Maxでライブコーディングできるツールなど。

あと、僕は参加しなかったけど
初級者向けのNode for Maxのワークショップが
あっという間に満席になっていたのは
みんなこれに何か大きな期待を持ちつつ
何をしたらいいのか分からない

ということなのかもしれない。

Science Fairについて

実は、僕が参加したのはこちらが目的
2日目の夜にScience Fairというイベントがあって
Expoの参加者で事前に申し込んだ人は
それぞれ3m × 3mぐらいのスペースが与えられて
そこで自由に自分のパッチやプラグインを宣伝できる。

かねてより僕は
Max for Liveのプラグイン制作で有名な
Suzuki Kentaroさんと
Node for Max使ってなんかクールなの作ろうよ!
という話をしていて
いつも一緒に制作してる
MAGNETICA studioの鈴木理くんも
ちょうど良いアイデアと技術があったので
3月末に3人で
最高にクールなプラグイン作り始めた。

それで出来たのがこれ。


簡単に説明すると
オーディオファイルをFFT解析して
出てきたスペクトログラムに
画像解析をかけて
抽出したラインをメロディとして
グラニュラーシンセシスをする
Max for Liveデバイス。

(なんじゃそら。)

出展直前まで追い込み開発してたんだけど
同行していた最強エンジニアのzigenくんが
ガーッと手伝ってくれたりしたおかげで無事に完成した。
彼には出来ないものがないらしい。

ともあれ
Max for Liveのくせに
ボタン一つでブラウザにUI拡張したり
AWSのPythonサーバーと通信したり
Max 7では出来なかったこと
ガンガンやったので
Cycling '74の開発者も
「え?それできるの?どうやってるの?」
みたいな感じで
大きな印象を残すことが出来た。

イベントを振り返って

交通はメチャクチャ不便だし
宿泊先も快適とは言えなかったけど
30年の歴史があるMaxを愛する
80名+のギークたち
濃い情報交換ができたのがアツかった。

そういえば
Max/MSPの産みの親である
ミラー・パケットも来てたけど
彼が自作のPure Dataでやってた
ライブパフォーマンスがかっこよすぎて
これがエンジニアの頂点か・・・
というお気持ちになった。

次のExpo '74がいつになるかは分からないけど
次も必ず参加したいし
その時はきっと講師として呼ばれたい。



開発したプラグインのソースコード:
フロントエンド(m4l)
フロントエンド(Web)
サーバーサイド






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