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最終話~魚屋おのざき~
大正12年。貧しい家庭ながら大家族を養うために、魚を売り始めた1人の女性がいた。女に魚屋ができるわけないと嘲笑されながらも、子供らのために軒先で必死に魚を売った。そのひたむきさが評判を呼び、少しずつ客が集まったそうだ。やがて、彼女1人ではまかなえないほど繁盛し、10人の子のうちの末っ子が店を手伝うようになった。そう、彼が私の祖父であり、おのざき2代目、そして現・会長の小野崎英雄だ。
昔からおのざきで働く従業員は口をそろえて言う。会長の下で働けて幸せでした―僕の自慢の祖父だ。
そんなカリスマ祖父が天塩をかけた会社も今年で創業98年を迎えた。老舗企業ならではの課題も山積しているが、今日も元気に魚を売っている。
「俺は良い魚を安く仕入れられた時しか笑わねぇ。」冗談交じりに会長は言う。数十年後、いわきの地で魚を通して人々を笑顔にする会社を牽引する僕の姿を見て、会長が天国で笑っている、そんな日が来ることを願う。
3ヶ月間、稚拙な文章にお付き合いくださりありがとうございました。今後は皆様と店頭でお会いできれば幸いです。 (いわき民報掲載)
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