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早く大人になりたくて、14歳でデンマークへ一人旅 Lunch#79 山崎さん

私の人生初めての海外は、大学の卒業旅行でのオランダでした。仲の良い友人グループでの旅行にも関わらず、初めての海外、知らない言語、長距離飛行機。いろんなことに怯えまくりながら、オランダへと旅立ったことを覚えています。

元来、臆病で小心者の私とは違い、山崎さんは、海外へと中学生の時からどんどんと旅立っていったのでした。

外の世界への憧れと好奇心のカタマリ、そんな山崎さんのポイントはこちら。
・親に黙ってデンマーク旅行
・ありがとうの一言だけで
・次の夢に向かい始めた


まずは、親に黙ってデンマーク旅行です。


ご両親が共働きの家庭の中で、一人っ子として育った山崎さんは、早く大人になりたい、そう願う女の子でした。

家の中で1人で過ごすことも多かった上に、心配性のお母さんに、大切に育てられたその反動からか、早く大人になりたい、外の世界に出て冒険したい。そんなことを強く願うことが多かったそうです。

そうはいっても、小さな女の子が簡単に外に飛び出すことはできなかったはずなのですが、とんでもない幸運が山崎さんを連れ出してくれたのでした。

いつものように、家で1人でいる時に、たまたま見ていたテレビ番組。
その番組の最後で、デンマーク行きのペアチケットが抽選で当たるキャンペーンをやっていました。

番組の中での特集で、デンマークに惹かれていた山崎さんは、気軽な気持ちでそれに応募してみたのでした。

何気ない気持ちで応募したのが良かったのか、翌週には当選の連絡が。14歳の女の子が、なんとデンマークのペアチケットに当選してしまったのです。

普通の子どもなら、ここでお母さんにこんなの当たったよって報告して、運が良ければお母さんと2人で旅行、運が悪ければ両親のものになってしまう。そんなことがあったのかもしれません。

しかし、外に出たい、と強く願っていた山崎さんはこれをチャンス、と考えて、親に黙って旅行へと計画を進めるのです。

親友を誘って、2人で行こうと計画するのですが、残念ながら親友はパスポートを持っておらず、泣く泣く1人で行くことにしたのでした。(親友が行けなくなっても、親を誘うなんてことは全く考えなかったそうです。笑)

そして、アリバイ作りのために、親友の家に泊まりに行くと嘘をついて、1週間分の荷物をスーツケースに詰めて、親友の家ではなく、羽田へと。

初めて1人でやってきた羽田は、キラキラして夢が詰まった場所に見えたそうです。チェックインカウンターで、ペアチケットが1人になってしまったことを伝えて、無事にチェックインすると、飛行機に乗って、デンマークへと。

そこからの5泊7日の旅はとても楽しくて、1人での海外への怖さなんて少しもなかったそうです。

ちなみに、このデンマーク旅行は、4日目くらいに、親同士の会話の中でバレてしまい、帰国後にこっぴどく怒られたそうです。


次は、ありがとうの一言だけで、です。


デンマークから帰ってきて、こっぴどく怒られたにも関わらず、山崎さんの海外への思いが薄れることはありませんでした。いや、むしろますます強くなっていきました。

14歳の春休みにデンマークへ行ってから、大切にためていたお年玉を使って、山崎さんは海外への一人旅にどんどんいきます。

中学高校合わせて、ヨーロッパの周遊や、東南アジア、アメリカなど、30カ国以上を訪れたのだそうです。

そんな中で、何度も飛行機に乗るうちに、自然とエアラインの職員、具体的にはキャビンアテンダントに憧れるのは当然だったのかもしれません。

高校を卒業すると、そのまま、キャビンアテンダントの専門学校に進学。1年目から、国内の航空会社で、インターンをします。

それまで、山崎さんのイメージでは、エアラインでの仕事=CAだったのですが、このインターンの中で、グランドスタッフという仕事に出会います。

グランドスタッフとは、飛行機には乗らずに、空港で、訪れた人や旅立つ人のお手伝いをする仕事で、チェックインや荷物の管理などをしてくれている人です。

そんなグランドスタッフの、空港に迎え入れて送り出す仕事内容に魅力を感じていくのでした。そして、専門学校2年目では、シアトルに留学して、アメリカの航空会社でインターンを経験するのでした。

その頃には、グランドスタッフを経験してから、CAに異動するというキャリアプランも良いかもと考えるようになっていました。

そのキャリアプランそのままに、国内の航空会社のグランドスタッフとして内定をもらい働き始めたのでした。


グランドスタッフとしての仕事は、相当好きじゃないと続けられない、それくらい厳しいものだったと教えてくれました。

入社前に想像していなかったことがほとんどで、毎日のように泣いていたそうです。

人間関係やクレーム処理、さらには、緊急対応など、やることはあまりにも多岐にわたっており、本当に大変な仕事だったそうです。

そんな仕事の中でも、相手と関わって、ありがとうと喜んでもらえたその一瞬。ほんの一瞬だけのありがとうかもしれないけれど、その瞬間にいつも勇気をもらっていたそうです。

ありがとう、その一言だけで頑張れた、と。


最後は、次の夢に向かい始めた、です。


そんな大好きなグランドスタッフを4年経験した後に、グランドスタッフからCAへの道や、そのほかの部署へのお誘いなどもいただいていたそうですが、山崎さんは、退職を決意したのでした。

小さい頃からの夢の仕事、大好きな仕事ではあったのですが、体力的に過酷な仕事でもあったので、体のことも考えて、退職へと。

そのあとは、山崎さんのもう1つの夢を追いたくて、飲食業界へと転職します。

ちょうどランチをした時が、転職したばかりのタイミングで、この先の将来への思いが高まっているのを教えてもらいました。大好きな仕事を離れることに、少しの寂しさは感じながらも、それでも、自分のもう1つの夢も追いかけたい、と。

それは、カフェ経営、です。

もともと、相手が喜んでくれる瞬間がとても好きで、いろんな形で人とのつながりを大切にしてきた山崎さん。人と人が触れ合える場所、人が出会い繋がれるそんな空間を作りたくて、飲食業界への転職となったのでした。


突然出てきたように思えるカフェかもしれませんが、実は山崎さんにとって、カフェはいつも大切な場所でした。

特に、海外に行った時には。

14歳の時から、山崎さんは繰り返し一人旅をしてきました。それも海外へ。
1人で行ってすることは、観光ガイドを見ながら、名所を巡るということもあるのですが、それ以上に、現地のカフェを訪れて、隣に座った現地の人に話しかけるのだそうです。

そこで、出会った地元の人と友達になって、地元の人しか知らないような場所に案内してもらったり、飲食店に連れて行ってもらったり、全国・全世界に友達を作っていたのでした。

だからいつも、旅立つ時は1人でも、帰りにはたくさんの友達との思い出と一緒に帰ってきていたそうです。

こんな風に、山崎さんは、知らない国で、知らない人と、カフェで出会っていたのです。逆に言えば、山崎さんにとって、カフェって友達と出会える場所だったのかもしれません。

だからこそ、カフェを開いて、日本全国・海外から、いろんな人が訪れる場所を作り、その人たちと友達になりたい、そう思っているのです。

そんなことを考えながら、次のステージへと進み出した山崎さんは、この先が楽しみで仕方ない、そうです。


14歳でデンマークへと家出のように出かけた女の子が、今度はどんな人と出会うのか、想像しただけでワクワクしますね。


2019.12.19 山崎さん
新宿にて


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