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「神は細部に宿る」〜採用における選考フィードバックについて〜

久しぶりのnote投稿。
少し時間ができたのと、これからnote投稿のKPIを自分に課したため、継続して更新していきたいと思います。

「神は細部に宿る」というタイトルですが、
今日は企業の採用選考における求職者へのフィードバックについて思うことがあり、書きました。

選考フィードバックは企業によって様々

企業の採用、転職に関わる仕事をして今年で14年目になりますが、毎日たくさんの企業の選考通過フィードバック、選考見送りフィードバックを見ます。

選考通過
の場合は、企業から求職者に対して詳細にフィードバックを送っていただける企業も多いのですが、
選考見送りの場合、お見送りの理由を何もお伝えしない企業もあれば、よくあるテンプレート文面のお見送り理由だけを送る企業もあれば、詳細にその求職者に向けたお見送り理由をフィードバックくれる企業もあればで、本当に様々です。

僕はその選考フィードバックの内容に、企業の候補者(個人)に対するスタンスが見えるなと思っています。

様々な選考フィードバック例

パターン①:理由なし
弊社内で検討した結果、大変残念ながらお見送りとさせていただきます。
パターン②:理由がテンプレート
弊社内で検討した結果、大変残念ながらお見送りとさせていただきます。
理由としては、以下になります。
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ご経験を総合的に考慮し、即戦力としては難しいと判断したため
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パターン③:お見送り理由が明確
今回のご面接の結果、誠に残念ではございますがお見送りでお願い致します。
[理由/面接官フィードバック]
非常に能力が高いということは感じましたが、〇〇への思いは感じられませんでした。弊社組織に入った際の良いイメージができなかったため、お見送りとさせていただきます。
パターン④:お見送り理由を面接評価シートで詳細に送ってくれる
先日、面接させていただきました〇〇様ですが、検討の結果、
今回は採用を見送らせていただくことになりました。
お見送り理由は添付のシートをご確認ください。
パターン⑤:評価点と懸念点を記載。そして候補者に向けたメッセージ
弊社内で検討した結果、大変残念ながらお見送りとさせていただきます。
[理由/面接官フィードバック]
評価点:お人柄が柔らかで素敵な方でした。当社へのカルチャーフィットも十分に感じました。
懸念点:一方で、◯◯の側面をみたときに◯◯の経験スキルが、◯◯の理由により当社の求めるレベルに達しておらず、現在は即戦力となる方を求めているため、大変悩ましいのですが、お見送りとさせていただければと存じます。
[以下◯◯様へ]
この度は弊社選考にお進みいただき誠にありがとうございました。今回のタイミングでは上記の理由によりお見送りの判断をさせて頂きましたが、
この先、◯◯のご経験スキルを積まれた上で再チャレンジ頂けましたら大変幸いでございます。◯◯様のキャリアを応援しております。

上記のとおり、本当に企業によって選考フィードバックは様々です。
大企業で面接数が多い企業であればあるほど、選考フィードバックが簡素になっていくと思うかもしれませんが、
毎月かなり多くの採用をしている東証一部上場企業で、パターン④、⑤のように丁寧にフィードバックをされる企業様もあれば、
少人数のスタートアップで、パターン①、②にような内容の薄いフィードバックをされている企業も、実際にあります。
※企業の規模や、採用数に起因することではないということです。

何故選考フィードバックが大事だと思うか

1.今回はお見送りとなった方でも、数年後に採用ターゲットになる可能性が十分にあるということ。

2.選考はお見送りかもしれないが、候補者が自社サービスの「顧客」となりうる可能性があるということ。

3.選考、選考フィードバックを通して、ご縁はなかったかもしれないが、さらなる「ファン」になって頂ける可能性があるということ。

現在のタイミングでは、経験が満たずお見送りだったかもしれませんが、数年後その候補者が他社で経験スキルをつけられ、即戦力の採用ターゲットになる可能性はあります。
そのときに、改めて挑戦したい!と思って頂けるかどうかは、とても大事だと思いますし、過去の選考フィードバックの内容によって、その気持ちは左右されると思います。

toCサービスを運営している企業であるほど大事

toBサービスを運営している企業では大事ではないということではありません。大前提、選考に進まれた候補者、全てが自社サービスの顧客になりうるということです。
特にtoCサービスの場合は、もともとサービスを使ったことがあるユーザーであった故に選考に進まれた方も多いですし、選考を通してそのサービスを知り、新たなユーザーとなるケースは多いです。

このnoteのタイトルを「神は細部に宿る」としましたが、
本当の意味で、顧客、ユーザーを大事にしている企業であればあるほど、
採用選考における候補者へのフィードバックも、その方のキャリアのことを考えたメッセージになると思っています。

僕が社外人事(リクルーター)をしている会社があるのですが、
その会社は、toC向けのアプリを運営しています。
だからこそ、候補者に対してのメッセージは、細かいところも含めて気を配り、特に選考フィードバックについては、面接官に詳しくヒアリングをして、応募頂いた方に詳細のフィードバックを返すようにしています。

結果として、ある方は採用に至らなかったのですが、
選考を通してのメッセージをお褒めいただき、
「御社のユーザーとして引き続き応援しています!」という嬉しいメッセージを頂いたときは大変ありがたいなと思いました。

最後に企業人事(採用リクルーター)の皆様へ

人事という仕事は本当にくそ忙しいので、
選考がお見送りになった方への気遣いまで、正直なかなか手が回らないということは承知の上で、
候補者にとって、企業からの選考フィードバックが、転職活動、そして今後のキャリアを見つめ直す大事な要素にもなりますので、
是非、少しでも詳細のフィードバックをしていただけると嬉しいなと思っています!

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