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ゆういち7歳「ひとり」

ゆういち7歳。

ゆういち7歳。
小学校2年生になりました。
この頃、引っ越しをしました。

父親は不動産会社を経営していましたが、その事務所の2階です。
一階の事務所の隅に物置みたいな空間があって、
ちょっとした基地のような感じで、よくそこにいました。

夏休みの宿題。

夏休みの宿題を全然やらず、
夏休み最後の日にまとめてやっていました。
勉強はできるのに、そういうのはやらんのです。

工作は父親に手伝ってもらって作ろうとしたのですが、
やっているうちに、父親がほとんど一人で作ってしまい、
僕は見るだけだったりします。

事務所にある赤い高級な紙を使って作られた立派な遊園地ができたのですが、
子どもが作るような出来栄えをはるかに超えてしまったので、
また人と違うから持っていくの恥ずかしいとか言った気がします。

ザ?ジ?

このころはウルトラマンシリーズが一旦終わった感じになり、
アニメの「ザ・ウルトラマン」というのを見ていました。

しかし、今思うと、ウルトラマンはUだから、
正しくは「ジ・ウルトラマン」。
「ジ」は「痔」みたいでカッコ悪いから
「ザ」にしたんでしょうね。

落し穴に落ちたのは...?

家の裏には庭がありました。
僕はなぜか穴を掘るのが好きで、友達と一緒に落し穴を掘っていました。
誰を落とすというわけでもなく、「落し穴を作る」ことが楽しかったようです。

やはり落し穴は、作っているところを人に見られてはいけません。
洗濯機が止まると音が鳴って、母親がやってくるので、
洗濯機のダイヤルみたいなのを見張りながら、
落し穴を掘りました。

落し穴は完成しましたが、結局誰も落とし穴に落ちず、
僕たちも落し穴のことを忘れていたころ、

父親に
「従業員のイチマルさんの車のタイヤが庭の穴に落ちたぞ!誰や?穴堀ったん?」
と、怒られました。

三つ編みをほどかないで...

引っ越して、通学路が変わったので、
一年生の時に仲が良かった女の子のコマエさんの家の前を通らなくなって、
コマエさんとあまり遊ぶことはなくなりました。

あまり仲良くない感じになって寂しかったので、
ある日、コマエさんの三つ編みをほどいたら、泣かしてしまいました。
それから、コマエさんとはめっきり遊ばなくなりました。

ひとり。

相変わらず、学校では友達があまりいません。
友達の作り方が分からないし、
友達との遊び方が分かりません。

学校では昼休みは外に出て遊ばなければならないのですが、
みんなスポーツをして遊ぶのですが、
スポーツできない(やらない、興味がない)僕は
一緒に遊ぶ友達がいません。

昼休みは運動場を1人でふらふらと歩いて過ごしていました。
早く昼休みが終わらないかな~といつも思っていました。

地域での行事にも全く参加しませんでした。
行っても、周りには知らない人ばかりで辛い。
母親は行けと言うので、行ったふりをして時間をつぶして家に帰ります。


続く。


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