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18.03.2024 ワンルームに引っ越して

バチ。

何かがはじけたような鈍い音と共に部屋が暗くなる。ついさっきまでドライヤーの騒音の中にいたのに、急に音がなくなる。まるで、ブラックホールか何かに音を吸い込まれたみたいだ。

ブレーカーが落ちた。

ワンテンポ遅れてその認識が脳に到着する。そうかブレーカーが落ちたのか。

またか、、、と独り言ちながら、スマホのライトをつけて玄関先へ向かう。近くにある台にそっと上りブレーカーを上げると、さっき急に止まった電気機器たちが投げやりに動き始める。また部屋にせわしなさが戻ってきた。

ブレーカーが落ちたのは引っ越してから2回目だ。

都内にある大学院へ進学するため、つい1週間前引っ越してきた。

都内といっても23区のような都心ではなく、とある市に住んでいる。しかし、されど東京あなどるなかれ、ついこの間まで住んでいた1K、トイレバス別、8畳、3万3千円の地方の物件とは違い、ワンルーム、ユニットバス、7畳で4万円の物件である。4万円だ。以前より7千円もアップ。そしてだいぶ感じるグレードダウン感。

物件を決める時は大丈夫だった。これが東京だよな、思ったより安いじゃないか、という安易な気持ちで、部屋のグレードダウンより、上京への高揚感が優っていた。

しかし、部屋に対する落胆はすぐそこにあった。

引っ越し当日。前の家でまとめた荷物を引っ越し業者の人が、全て部屋に運んできてくれた時だ。部屋が荷物でパンパンになり、座る場所も今日寝る場所もない、、、という状況になった。

そういう時ほど嫌なことは目に入る。エアコンが古くて部屋全然あったまらないし、トイレの便座冷たい、キッチンIHで火力弱いし、そもそも収納スペース全然足りなくない?そう私は突きつけられたのだ。ワンルーム7畳の部屋に引っ越してきたのだと。その生活がどのようであるのかと。

そんな始まりから1週間。今は案外このワンルームを気に入っている。しかも、ワンルームは整理整頓が下手な自分に管理することができる最大の部屋なのかもしれない、とも思っている。

以前の部屋では整理整頓してなくても部屋の大きさでカバーできた。考えなしに物を片付けても表面が何とかなる、だからよく見ると散らかっている、そんな部屋だった。

しかし、7畳ワンルームではそんなことはできない。

座椅子を捨てた。ハンガーラックも間違って買ったサイズの違うテーブル台も捨てた。

できる手を尽くし、今はだいぶスッキリして、人が来るときは狭いなあと思うが、自分一人の部屋としては悪くないこじんまりしたキュートな部屋になった。いいじゃあないか。

もちろんすべては家族の手助けあって成り立った。ありがとう。

これからよろしく。ワンルーム。

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