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2018年の夏と平成最後の夏のこと

今日で8月が終わる。

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「平成最後の夏だから!!」と意気込んでたけど、実はフェスにも行かず、去年の夏より外に出ず、夏休みはひたすら実家で過ごした。
まぁ、実家にはなかなか懐いてくれないあまのじゃくでキュートな猫がいるから、この休みに仲良くなろうと自分なりに理由をつけたりもした。3日かけて距離を詰め、やっとお腹を撫でることができるようになった。
平成最後の夏、実家の猫と仲良くなった。

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平成最後の夏の終わり、会社のオフィス移転に伴う身辺整理をした。
「また何かの案件で使うかもしれない」「デザインが好きだから残しておこう」「先輩の朱書きが入ってる原稿だから」と残してあったものが沢山あった。
入社して初めて関わったパンフレットまであり、「よく残してたな…」と半ば呆れつつ当時のことを思い出したりもした。とはいえ、もう使わないので捨てた。
今の私からすれば「これは捨てとけよ…」と思うものがほとんどだった。
当時の私からすれば、「万が一、これが必要になったら…」と思いながら段ボールに詰め、残しておいたのだろう。時を経た4年後の自分が汗だくになりながら、それらを捨てているとも思わずに。
平成最後の夏、私の身の回りは少しすっきりした。

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ある日、「平成最後の夏だから!!」と好きな人に流星群を見に行こうと誘った。多少の無茶苦茶があっても、自分が納得できる免罪符、言い訳をつくらないと誘えなかったから。
しかし、「元号が変わるからって何も変わらんやろ。」と一言。
「平成最後」という割と世間が騒いでいるコトを、私の想いを、華麗にスルーしやがった。
確かに来年も夏はやってくる。
彼は何も間違っていない。むしろ彼らしい一言。かくいう私も「平成最後」だから見に行きたいわけではなかった。来年が平成31年だろうと、彼と星を見に行けたら、ちょっとエモい夏の思い出に彼が登場したら、とか考えている自信がある。
とはいえ、今年の夏はもう終わる、あと5分で9月だ。
来年の私はまた、性懲りもなく「新元号の最初の夏だから!!」と遊びに誘ったりするのだろうか。そのとき彼はどんな顔して何て言うんだろう。相変わらずな返事の可能性は高いけれど、少し呆れながらも「しゃーなしな」と言ってくれないだろうか。
というか、それまでに言い訳を必死につくらなくても、誘える関係になりたい。
平成最後の夏、好きな人とそんな会話をしていた。

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今年は「平成最後」だから思いっきり特別な夏を過ごした、楽しい計画を実行した人はたくさんいた、ような気がする。
私は猫と仲良くなって、身辺整理をして、好きな人とちょっと切ない会話をした。
今年にはまだ「平成最後の秋」と「平成最後の冬」が待っている。
どうやって過ごそうか。
あの人には効かない「平成最後」という言い訳。
これから他の言い訳を探す「平成最後の秋」がはじまる。

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