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冬が来る前にインフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を

先日、このような告知を病院で見かけた。

「冬が来る前にインフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を」

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、冬を中心に世界中で流行がみられる。
ウイルスにはA・B・C・D・4つの型があり、流行するのはA型とB型だ。
はじめに38℃以上の発熱、頭痛、全身の倦怠感・筋肉痛・関節痛などがあらわれる。続いて鼻水、セキ、ノドが腫れるなど呼吸器官に異常が出てくる。およそ1週間で回復するが、かぜ症候群と異なり肺炎などの合併症を併発し、死亡する可能性も少なくない。基礎疾患のある人や免疫の落ちている人、高齢者・乳幼児・妊婦(お腹の赤ちゃんにも影響をおよぼす)は特に注意が必要となる。
感染経路は「接触感染」と「飛沫感染」の2通りある。
感染するとセキやくしゃみといった風邪の初期症状があらわれ、続いて高熱が出る。 しかし、インフルエンザには約2~3日の潜伏期間があり、初期症状が現れるまでは自分が感染したことに気づかない。それにより、セキやくしゃみを抑えた手であちこちを触り、それに触れた人が感染する。
感染者がセキやくしゃみをするとウイルスも飛散し、それを吸い込んでしまった人も感染する。マスクやハンカチで覆っていないと、二次感染、三次感染する危険性が高くなる。このように被害が拡大するのが特徴だ。

日本でも毎年700万人から1200万人の患者が発生する。
総務庁統計局によると日本の人口は1億2953万人(令和2年8月1日現在概算)。平均すると14人に1人は感染する計算となる。想定すると、学校の40人クラスに3人、路線バスの定員は70~80人なので倍近くになる。大型バスの座席数は45人程度だが乗車する時間が長いこともあるので、感染する可能性は高い。地下鉄などの公共交通も混雑するので、なるべくなら避けたいところだ。
ウェザーニュースの統計では2019ー2020年シーズンのインフルエンザ患者数(推計値)は728.5万人。過去5年で最も少ない結果となった。昨シーズン同時期(1176万人)と比べても約450万人減少している。これは1月16日に日本で新型コロナウイルス感染者が確認されたこともあり、手洗い等の対策がいつもより徹底して行われたことが影響したともいえる。

私自身インフルエンザA型B型どちらにも感染した経験がある。特にA型は家族全員が感染し、39℃近くの高熱・全身の痛み・頭痛・セキ・ノドの痛み・口の乾き・鼻水などの症状に悩まされた。さらに悪いことは「味覚症状」が現れたことだ。食べ物の味がわからず何を食べても美味しくない。塩気が口中に刺さり、豆腐などスポンジのようだった。
新型コロナウイルスに感染した人の中にも「味覚症状」がみられた。インフルエンザに感染し「発熱」しているとすぐに病院へは行けない。まずは保健所に連絡する必要がある。「味覚症状」が出ていると新型コロナを疑われる。院内感染や「三密」を防ぐためにも待機することになる。高熱が出ている状態で待たされる気持ちはいかばかりであろうか。

予防対策としてはインフルエンザ予防接種を受けることが大切になってくる。予防接種で感染を完全に防ぐことはできないが、重症化や死亡を防ぐことができる。免疫を高める働きもあるので、感染しても発症を抑えたり症状を軽くする効果が期待される。インフルエンザが流行し始めるのは11月以降、例年1〜3月をピークに迎える。2020年度に限っては予防接種がひと月前倒しになった。回数も原則1回(例年2回)なので、いつ受けるか考えている人も多いと思う。効果が持続する期間は、接種した2週間後から約5ヶ月程度。流行前の11月中に受けるのが理想だが、混雑も予想されるのでなるべく早めに受けておきたい。内科以外の病院でも受け付けているので、調べておくとよいだろう。

インフルエンザウイルスに感染すると肺炎を引き起こすことがある。原因は肺炎球菌が一番多い。1918年に世界的大流行したインフルエンザ(スペイン風邪)で死亡した人の多くが肺炎球菌に感染していたことがわかっている。
肺炎は65歳以上の死亡者が多く、年があがるほど死亡率も高くなる。基礎疾患を持つ人もリスクが高いので、インフルエンザと肺炎球菌2つの予防接種を受けることが推奨されている。接種してから抗体ができるまでに約3~4週間。肺炎球菌の予防接種は5年に一度なので、5年分の保険をかけると思えば高い値段ではないはず。自治体によっては、接種費用の助成を行っているところもある。

張り紙には「今年を乗り切れば来年の今頃には新型コロナウイルスのワクチンが完成している…」とも書いてあった。現在開発が進められているコロナ・ワクチンは早ければ来年2021年1月に完成するらしい。しかし、1回で劇的な効果が出るのか、どれくらいの人に行き渡るのか、また副作用についても不確定要素が多い。
やはり、今年だけでも予防接種を受けた方が、余計な心配事は減ると思う。

日常予防には「うがい」と「手洗い」。部屋を50%程度の湿度に保つことも大切だ。外出先ではマスクを着用し、栄養のある食事と十分な睡眠をとって、ウイルスに負けない身体をつくっておくことを心がけたい。

<手洗い動画>

<うがい動画>

<参考>

200909 YUHUA O.

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