「月間ログイン数0.5回/人」のSaaSを導入してしまった男が目指すカスタマーサクセスのトップランナーとは
はじめまして、カミナシのyu hiranumaです!私は2021年5月にカミナシにジョインしました。前職では金融機関で情シスをしていて、カミナシで新たにカスタマーサクセス(CS)としてのキャリアを始めました。
そんな私ですが、カスタマーサクセスのトップランナーになるためにカミナシに入りました。いきなり何を言ってるんだ?と思われるかもしれませんが、本気でそう思っていて、面接でもそう宣言して入社してきました。
今回はなぜ私がCSを志したのかお伝えするとともに、私が考えるカスタマーサクセスのトップランナー像や、なぜトップランナーになりたいかについてお話します。
ぜひカミナシに興味のある方、私と同じようにCSでトップランナーを目指したい(と密かに思っている)人にお読みいただけると嬉しいです。
「月間ログイン数0.5回/人」の大失敗SaaS導入
「え、0.5回・・・」
目を背けたくなるような衝撃の数値が利用実績レポートから飛び込んできた。これは私が前職で導入したとあるSaaSの社員一人あたりの月間ログイン数だ。
月額30万円に対し、月間ログイン総数は26回。利用対象ユーザーは約50人。ログイン単価12,000円のSaaSが誕生した瞬間だった。
「毎日使うツールだからこの数字は何かの集計ミスに違いない」
心からそう願ったが、決してそんなことはなかった。
このSaaSはつい数ヶ月前に稟議を通したばかり。月間30万円に見合うだけの効果があると謳い、意気揚々と導入した矢先の出来事だった。
「なんで使わないのか・・・?」正直意味が分からなかった。
このSaaSは社内から要望が挙がっていたものだ。そして自分自身もトライアルをしてみて良いサービスだと思って導入したものだった。
いいプロダクトなのに使われない、自分の理解の範疇を超えた出来事だった。
社内をヒアリングして周ってみると、自分自身の導入プロセスを反省する答えばかり返ってきた。
「情報量は豊富なんだろうけど、どんな特徴があるか分からないんだよね」
そう答えたユーザーは、数回使った後、全くログインしなくなっていた。
「○○さんが使うの大変って言ってた。だったら自分にはなおさら無理だから使ってない。」
全くログインしていないユーザーからはそんな声が聞こえてきた。
確かに、社内へのレクチャーはろくにせず、社内掲示板に使い方とマニュアルを掲示しただけだった。当時の自分は正直それで十分だと思っていた。なぜなら「いいプロダクトなら誰でもすぐ使ってくれる」と信じていたからだ。
しかし現実は逆で、どんなにいいプロダクトでも導入時に悪い印象がつくと使ってもらえないのだった。
機能がよく分からないからうまく使えない→うまく使えないから悪い噂が広がる→悪い噂があるから利用に消極的→消極的に取り組むからよく分からない・・・という悪循環が出来上がっていた。
このままではまずいと思い、状況を変えようと慌てて社内で使い方をレクチャーしてみたが、ログイン回数はほとんど伸びなかった。この大失敗を経験して、システム導入担当者として導入支援の大切さに気づいた出来事だった。
(写真)前職で情シス担当をしていた頃の私
一流のカスタマーサクセスを教えてくれたSansan
この大失態からしばらくして、リベンジする機会が訪れた。名刺管理SaaS「Sansan」の導入である。先述のSaaSに近い予算規模のプロジェクトであり責任重大だった。
「よく分かんないから、今のままがいいよ」
そう言われるんじゃないかと悪い想像が止まらなかった。しかし、Sansanのおかげで、その悪い想像は現実にはならなかった。
Sansanは契約後すぐカスタマーサクセスという担当がついたのだった。その担当が緻密に練られたオンボーディングプログラムを提供してくれ、無事安定稼働まで導いてくれた。社内事情を踏まえてアドバイスをくれるなど、システム導入担当者としては痒い所に手が届く存在だった。
先述のSaaSとは違い、導入時にCS担当と一緒に説明会を開くなど、ユーザーの理解度を高める施策を実行していった。
その結果、先の悪循環とは真逆で、よく分かるからうまく使える→うまく使えるから便利でいい噂が広がる→いい噂を聞いてから使うので積極的に取り組める→積極的に取り組むとよく分かる・・・という好循環が出来上がった。
このようにスムーズに導入できたことに驚くと共に、CSの仕事の素晴らしさに感動した出来事だった。私はこのSansan導入で初めてCSという仕事を知ったのだが、顧客の成功にフルコミットすることが、自社の事業成長につながる構図がとてもフェアで衝撃を受けた。
過去セールスをしていた時に、売るのがゴールになってしまった経験があった。売ったことがその顧客にとって本当に良いことだったのか、自信を持ってYESと言えるか分からなかった。
しかしCSは売ってから始まる役割だ。顧客の成功にシンプルに向き合うことができる。顧客が成功して喜んでくれる瞬間を間近で見れる。とても魅力的な仕事だった。
「こんな仕事があるなら私もやってみたい!CSをされる側の経験がある私なら、より深く顧客のサクセスを作れるのではないか?」
そんな気持ちが日に日に強くなり、気づいたらキャリアチェンジしていたというのが私がCSを志した理由だった。
カスタマーサクセスのトップランナーとは
さて、上述の理由でCSとしてのキャリアを始めた私ですが、冒頭にもお伝えした通り、私はカスタマーサクセスのトップランナーになりたいと思っています。
では、トップランナーとはどのようなものか?私はマラソンランナーに例えて、以下のピラミッドのように整理しています。
トップランナーまでは全部で4段階あり、もし世界がCS 100人の村だったら、ランナーが75人、市民ランナーが20人、プロランナーが4人、そしてトップランナーはそのうちのわずか1人のイメージです。
まず第一階層は、ただのランナーです。イメージはまだまだ運動を始めたばかりで、マラソン完走を目指して特訓中の人たち。決められた業務範囲で自走し、部分的にCSをこなしている状態。CSとしてこれからいろんなチャレンジをしていきたいと思っている集団です。
第一段階:ランナー(自走)75人/100人
スキル
・とりあえずCSという肩書きで仕事している
・自分の業務範囲の中でCS活動をこなしている
マインド
・CSの考え方が好き!
ただのランナー集団から抜け出すと、次は市民ランナーになります。イメージはフルマラソンに出ても完走できるような人たち。ランナー集団から抜け出せるような強みを持っていて、社内で重宝されている状態。
このレベルになってくると、CS業務の全体が細かく見えてくると思うので、いいことばかりじゃなCSの酸いも甘いも知っている人たちになります。
第二段階:市民ランナー(完走)20人/100人
スキル
・ランナー集団から飛び抜けられる強みを持っている
(例)
SQLを自ら書いてCS活動に有効な顧客分析ができる
大規模なユーザー会の参加者満足度が5段階で4.5以上
マインド
・CSの酸いも甘いも知っている
ここからは狭き門で、次の段階はプロランナーです!イメージはゼッケンに企業広告が入っていて、走ることでお金がもらえるようなプロフェッショナルな人たちです。この段階にくると、発信力が問われてきます。自社で上手くいくのはプロとして当たり前。それをしっかりと発信して、さらに多くの人に価値を提供できる人たちです。理想は副業なり業務委託で、普段の仕事とは別にお金をもらえるような活動ができる状態です。
第三段階:プロランナー(疾走)4人/100人
スキル
・「あ、他と違うな!」という取り組みを発信できている
・プロとしてお金をもらって社外に貢献できる
マインド
・もはやCSとは腐れ縁
そして最終形態が、私が目指すトップランナーです!イメージは、日本記録や世界記録に挑んでいて、最前線でチャレンジをしている人。トップランナーはCS分野で常に新しいチャレンジをして成果を出し続ける必要があります。そして、講演や執筆活動の依頼がたくさんきて、自分のやってきたことを現在だけでなく、後世にも記録として残せる状態が理想です。
最終形態:トップランナー(独走)1人/100人
スキル
・ CS分野で誰もやっていない領域に最前線でチャレンジしている
・自分の経験を後世に伝えられる(講演・執筆依頼が来る)
・コンサルをお願いしたいと思ったらすぐに顔が思い浮かぶ
マインド
・My life is カスタマーサクセス
この通り、私が目指すトップランナーまでのステップはたくさんあります。私自身はおそらくただのランナーでして、まだまだトップランナーへの道のりは遠く険しいものだと思っています。
なぜトップランナーを目指しているのか
ではなぜ私はトップランナーになりたいのか?
それは何者かになりたいからです。
これまでのキャリアを振り返って、私はまだ何者でもないと思うことがしばしばありました。自分はこれができる!これなら負けない!と胸張って言える分野が欲しい。このままでは社会人生活、何者にもならず終わってしまう、そんな危機感がありました。
そんな中、上述の通りCSという考えに出会い、社会人生活の中で一番極めてみたいと思うものでした。
もちろん、何かを極めるには相応の年月が必要だと思っています。今年30歳を迎えた自分がこれからの社会人生活を考えたとき、何かのトップになるにはこれが最後のチャンスだと思っています。
そして何者かになれた暁には、将来ある若者に自分の経験を伝えられる人になりたい!そんな気持ちも心の奥底にあります。
おそらく私がトップランナーになる頃には、今よりもっとCSの考えが浸透しているはずです。大学のビジネス系の学部では、マーケティングや経営学と同じような人気科目としてCS論が展開されるはずです。
その際に、一講師として将来の若者に自分の経験を伝えていく、そんな仕事ができれば、自分自身の社会人生活を振り返ったときに「何者かになれたな」と思えるんじゃないかと考えています。
ただ、現時点の自分はまだまだ足りないことばかり。発信することも、体系立てて人に説明することも恥ずかしながら苦手です(このnoteも何度も書き直してやっと仕上げたくらいです)。
実際に仕事をしていて失敗したとき、「本当にトップランナーになれるのか?」と不安になることもよくあります。
しかし、弊社代表の諸岡が「宣言すれば95%の人は追い抜ける」と力強く背中を押してくれたので、まずはこのnoteで宣言することから始めてみよう!そう思ってこの記事を書いてみました。
(写真)弊社諸岡が背中を押してくれたコメント
まだまだただのランナーの自分が、成長してカスタマーサクセスのトップランナーになる過程をこれからぜひ応援していただけると嬉しいです。
今回お伝えしきれなかった、私が市民ランナーにステップアップする戦略やなぜカミナシでトップランナーを目指すかについては、別途noteで発信する予定です!
拙文で恐縮ですが、個人的な所信表明の記事を最後までお読みいただきありがとうございました。
※もしCS界隈の諸先輩方にお読みいただけたのなら、皆様がどのステップにいらっしゃるのか、そして次のステップにいくためにどんなことに取り組んでいるかなどシェアいただけると大変参考になります!
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