#172 何も大きな事じゃなくても、人から想像以上に感謝されることがある。
もう3年も前のことだが、僕は熱海のリゾートホテルで住み込みでアルバイトをしていた。
自分が働いていたのは、ホテルニューアカオという絶景のオーシャンビューが楽しめるホテルだ。
3か月という期間の中で、印象的だったことがある。
それはお客様の誕生日のお祝いを自分発案で取り行った時のことだ。
お客様との会話が楽しかった
自分はホテルスタッフとして、レストラン会場でお客様の料理の配膳や説明をする係だった。
自分が大事にしていたことは、お客様との会話。
ただ配膳をしたり機械的に説明をするのではつまらない。
なんでこのホテルを選んでくれたのか、
どんな思い出があるのか、
どんな旅行にするのか。
そんなことをお話しするのが楽しかった。
仕事の後はすごく疲れるが、「あなたが担当でよかったわ!」
と言ってもらえると疲れなんて吹っ飛ぶくらい嬉しかった。
実は昨日妻の誕生日だったんだ。
会話をする中である時、「実は昨日妻が誕生日だったんだ」
と話してくれたお客様がいた。
ものすごく気さくなご夫婦で、自分ともたくさん話してくれた方だったので、なんとかできないかなと思った。
リーダーに「あちらのお客様が誕生日らしくて、もしもケーキ余ってたらお祝いしたいのですがどうでしょうか??」
と試しに聞いてみたら、
「いいね!是非お祝いしようよ!せっかくだからゆうひ君が担当でいこう!」と後押しをしてくれた。
とりあえず言ってみようという感覚で言ったことが、形になった。
ケーキのサプライズはやったことない。緊張するが、やってみよう。
シェフに頼んでケーキにお名前を書いてもらい、お客様のもとへ。
喜んでくれるかな…
迷惑じゃないかな…
なんてドキドキしながらケーキをお渡しした。
するとその瞬間お客様が満面の笑顔になって、喜んでくれた。
「さっきの会話からケーキ持ってきてくれたの!?」
「嬉しい!本当にあなたが担当でよかった!」
「今日これだけで最高の滞在になったよ、また絶対くるね!」
正直嬉しすぎて、気持ちが追いつかなかった。
ちょっと勇気を出して、「お祝いしたい」と言ってみたら、こんなにもお客様が喜んでくれた。
自分が一歩踏み出すだけでこんなにも世界は変わるんだと思った。
喜ぶ顔が見たいという思いに勝るものはない
相手のために何かしてあげたい。
その思いを持って一歩を踏み出すと、ちゃんと相手に気持ちは伝わるものだ。
何も大きなことをする必要はない。
この時のサプライズも、自分のアイディアをリーダーにちょっと打ち明けてみよう。というくらいだった。
ちょっとした一歩でもちゃんと形にすれば、相手からしたら忘れられない一生の思い出になることもある。
だから「こうしたら喜んでくれるかな?」というアイディアがあれば、どんなに小さなもでもいいから、形にしてみよう。
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