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【不登校の子どもとの関わり】待つ、とにかく辛抱強く待つ。

普段ずっとゲームばかりしている男の子。

ゲームが悪いわけじゃない。
その子は人と会話しながらゲームをするし
研究熱心な姿勢はほんとに素晴らしい。

でもせっかくフリースクールに来てるし
週に何回かのこの貴重な日は
みんなともう少し関わってほしい。

でもそれは本人ではなく
私たち大人の勝手な期待。

無理に動かしたくはない。
どうしよう、と思いながら
決めたのは、待つこと。

本人が動き出すのを待つこと。

ただ待つのではない。
その子の見えるところで
楽しそうにみんなと遊ぶ。

時々こちらから
「一緒にやる?」と声をかけるし
あちらから声がかかれば
もちろん対応する。

意識してもらえるように
空気を醸していく。

そんなこんなで数ヶ月。
やっと来た。

「〇〇やりませんか?」と
自分から言ってきた。

最近「飽きた〜」と
言っている声は聴こえていた。
でも深く手は差し出さない。

やっと生まれた、この子の意志。
いや「生まれた」というより
「元々あったものが表出した」
のだと思う。

段々と新しいことにチャレンジして
前だったら、出来ないと
すぐに諦めていたことも
最近は弱音を吐かずに
粘り強くやり続けるようになってきた。

本当は親御さんの期待もある。
「ゲームばかりじゃなく
違うことにも取り組んでほしい」

直接言葉に出さなくても
会話や表情から伝わってくる。

でもその期待に応えようと
焦ってこちらが動いてしまったら
子どもは「やらされ」になってしまう。

それでは第三者である私たちが
関わる意味がなくなる。

私たちは家族でもない
赤の他人だからこそ
冷静にその子の特性を分析したり
必要な支援を編み出したりできる。

その冷静さがとても大切。

だから親御さんの熱い期待には
丁寧に説明をすることもあれば
時々見ないふりをして
子どもに全集中することもある。
(親御さん、ごめんなさい‼︎)

大切に育ててきたこの貴重な種。

「〇〇やりませんか?」という
本人の意思が
本人の集中力とやる気と負けん気と
たくさんの学びと成長を生む。

この一言のために
僕らはこの数ヶ月やってきた。

あなたのその言葉に
みんな「よっしゃ‼︎」って
心の中でガッツポーズ。

口ではふざけて「え〜」と言ったり
「仕方ない、やってやろうじゃないか」
と言ったりしてるけど
本当は心の底から嬉しいんだ。

一緒に成長していこう。

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