きょう6月1日は、法律で義務付けられた、企業の障害者雇用状況報告において基準となる日です。
この日の障害者の雇用数に基づいて、行政からの指導が入るかどうか判断されることになります。この日までに障害者を採用しようと活発になる企業が多い傾向です。
以前、「6月1日だけ雇うフリして雇用率達成を考える企業もありえなくはない」という言説をインターネットで見かけたことがありました。制度的にそれはできないことになっているし、令和4年で意図的にそれを行っている企業がある根拠は見付けられないとみていますが…。そこで書きました。
しかし私は、雇用状況報告が提出されていなかった、という企業を見たこともありました。
セールスフォースの調査報道では、発達障害の元従業員の提訴が発端となって東京労働局に障害者雇用率の情報開示請求をしたところ、同社で2020年の障害者雇用状況報告が適切に行われず、東京労働局のデータに反映されていなかった、という話が出てきます。原告の元社員が退職勧奨されたと主張する年に、障害者雇用状況報告が適切に行われず労働局のデータに反映されていなかった、ということでした。その年度には被告会社が355万円の納付金を払った記録もあり、雇用率は大幅未達が伺えました。(注・これは罰則規定があります。社内の人事しか把握していなくても、何か問題があった時に外部の第三者が情報開示請求したことで発見されることもありえます。雇用状況報告の結果が情報開示請求の対象になることは、ハローワークが人事向けに出しているマニュアルにも記載されています。)
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バックオフィスの機能がずさんな企業であれば、「6月1日だけ雇うフリ」というのを考えることも、ないとは言いきれないかもしれません。
自分の企業が、障害者雇用状況報告をめぐり、何か違法性のあるような不適切な行いをしているのをもし見かけたら、どうすればいいか。
まず、社内で改善を試み、それでもダメなら公益通報制度を使って管轄の労働局に報告することです。ただし、物的証拠は揃えたうえで、きちんと考えた書面で行いましょう。労働局も証拠なしに動くことはできません。
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