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ガレージから世界へ

ガレージの中の8畳ほどしかないスペースにお手製の大きな作業机。
ミシンや道具がところ狭しと埋め尽くす。

それが、yuhakuの出発点。

とあることから過去の資料が必要となり探したところ、創業当時の写真が見つかったのでした。
無くしたと思っていたこの1枚を見ていると、過去の思い出が走馬灯のように浮かんでくるのです。

戸部000

当時はアルバイトをしながらギリギリの生計を立てていました。
『いつかきっと自分のブランドを持ちたい』という夢はあったものの、どうしたらそうなるのかは全く分からず、夢物語でしかありませんでした。
それでも頑張ろうと思わせてくれた出来事がいくつもあり、おかげで折れずに、今、ここに立つことができています。

自転車操業の環境だったにも関わらず、自らの手で生み出すことや、『独立』に憧れ、応援してくれた友人たち。
彼らの存在が、『自分が一つの希望になれるように』という意思を抱かせてくれたのです。
この写真は、今は亡き友人の1人が撮影してくれたものです。

独立当初のオーダーで製作した作品の写真もたくさん出てきました。
思えば、色々な要望を形にしてきたものです。

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また、そのオーダーの中には個人からだけでなく、テレビCMの衣装用ブーツ、ステージ衣装、映画の衣装の依頼もいただきました。

いくつか挙げさせていただくと、及川光博さんのコンサートステージ衣装に、HONDA AIRWAVE CM用 ブーツ。
市販のショートブーツを乗馬用のブーツに作り替えるという、今では考えられない技を成し遂げた作品も作りました。

及川


映画『GOEMON』では、主役の江口洋介さんをはじめとする5人の登場人物が履く革の地下足袋。
この足袋は紀里谷和明監督のお気に召し、劇中には足元のカットが増えたのだとか。
こちらのフライヤーからもそれが良く分かります。
実際に映画の中で自分の作ったものが映し出されているシーンを観た時は、鳥肌ものでした。
決して金銭的な報酬としては見合わなくとも、作品として携われる喜びが対価でした。

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自分にとって最初のお客様である声優の中原茂さんからは、大小合わせて30点以上のオーダーを頂きました。
中には、今となってはもう作れない……と思うほどに手間と時間をかけて根気強くやり遂げた作品もあります。
それでも完成させられたのは、お客様の想像を超える作品を作ることで、驚かせ、そして何よりも喜ばせたいという想いからでした。
そんなご縁がつながって、今では中原さんをMCとしたラジオ番組のスポンサーを務めています。

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そして、「 yuhaku 」というブランドを立ち上げ12年。
現在では、商品をTVドラマに起用いただいたり、世界的に活躍する方に直接プレゼントさせていただくことも。
ルーマニアでのハリウッド映画の撮影現場にて体験させていただいたことですが、こんな未来が待っているとは、思ってもみませんでした。

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思いがけない体験はもう一つあります。

いろんなことを思い出させてくれた過去の写真を探すことになったのは、TV番組への出演が決まったためです。

9/18 10:30から放送のTOKYO MX 『 シゴト手帖 』
→現在こちらのURLよりご覧いただけます。
https://shigototecho.jp/backnumber/nakagaki_tomohiro/

yuhakuの原点となるガレージから現在のアトリエ、そして銀座オープンに繋がる軌跡が詰まった番組となっています。

8畳のアトリエにいた時は、まさか自分がこんな経験をするとは想像もしていませんでした。
ただただ、自分の思う美しい製品を作り続けた結果、今、ここにいます。
これからも、この先でどんな景色が見られるのかを心待ちにしながら、
自分たちのモノ作りの道を歩み続けることができたら、と思います。

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