韓国の青少年小説紹介~「페인트」(ペイント)~

たった今~、こちらのブログで紹介する小説の題名のハングルを確認するために検索をかけたら~、日本語の翻訳版が存在していることに~気が付きました~~~!!チックショー!

てっきり翻訳版がないかと思って韓国語版を必死に読み進めた納豆巻きです。今日はこちらの「페인트」(ペイント)という本を紹介します。

こちら、韓国でも評価が高い青少年向けの小説だそうです。自分は韓国の数少ない友達と本屋に行った際に「韓国語の勉強にもオススメだよ~」というノリで紹介してもらい、この本のことを知りました。その時は「いやいやこんなハングルだらけの本(当たり前)読めるわけなかろうや」と内心思いつつ、その友達に「外国語の本を読むなんてカッコいい!」とおだててもらったので、購入しました。正直、留学に来た当初は本当に読め無さそうだったので、約4か月ほどいわゆる”積読”の状態で静観していました。ですが、最近になって、友達の前でいきって購入した手前、流石に読まないとダサいぞ!と思いたちついに読み始めました。そしてゆっくりゆっくりと文字を目で追いながらなんとか完読したしだいです。

これは余談なのですが、個人的にはこういった物語はたとえ青少年向けであっても読むのがかなり難しい気がしています。反対に、授業で推薦されるような専門書や学術書はぱっと見難しいのですが、手に取ってみると実は読み進めやすかったりもするように思います。これはおそらく韓国語だからこその現象で、というのも、韓国語には日本語の熟語に似ている表現がたくさんあります。(言語学的な話に明るくないので適当なことを言っていたら申し訳ないのですが、漢字がベースになっている言葉が似ているようです。)そのため、本を読み進めていてわからない単語が出てきても、発音を考えてみると日本語の単語に似ていて、「あっ、この意味か!」とひらめくことが多いです。そしてそういったひらめきができるのは、「資本主義」「経済」「物理」といったちょっとお堅めに感じる(=つまり、日本語では漢字のみであらわされる)単語だったりします。そして、こうした単語は、物語より、専門書や学術書で見ることが多いです。そのため、日本人にとっては意外と後者の方が慣れてくると読みやすかったりするのではないか……?というのが持論です。

さてさて余談が長くなってしまったのですが、つまり書きたいのは、「感情的な表現とか話口調とか曖昧な表現が多い物語文、読むのが大変だぞー!」ということであります。「페인트」を読むときも苦戦しましたが、なんとか理解できる単語や表現を繋げながら読解していきました。読書の仕方として危ういのは承知でございますが、まぁ語学の勉強も兼ねているといtてうことで、ご承知くだせえ。

でもね!!この本!!!!完全に理解できてないなりにも、面白いです!!!!!!!

てか韓国社会の子どもたち、こんなシリアスなストーリー読むん?ってなりました。結構子供にとっては恐ろしくて厳しい話だとも思ったんだけど、その分心に残ることも多いでしょう。

読み始めは超少子高齢社会が行き着く先を想像させるディストピア小説かと思いましたが、読み終えると、家族のあり方、そして「大人、子供とは何か?」という点について考えさせられます。大人になっても心の中で成長していない子供、いわゆる「インナーチャイルド」と言われる概念も一つの主題になっているみたいです。

これ、登場人物の誰に感情移入するのかも人によって違いそうだな~って今思いました。私は아키が純粋で好きなキャラクターでしたが、自分は絶対彼みたいにはなれないな~羨ましい~と思いながら読んでいました。私の読み解き不足かもしれませんが、박さんの父との現在進行形の物語が結局ほとんど語られなかったのはちょっと残念でした!

なんにせよ、登場人物一人一人の生き様や言動が印象に残る小説です。主人公がとても大人っぽいので、そこは作者の視線も重なっているところなのかな、とも思いました。

「大人ってなんなんだ!」「子供を育ってるってなんだ!」といった、人間にとって大事だけど何かと目を逸らしてしまいがちなテーマに向き合いたい方に、特におすすめの小説です。



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