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学校現場ってほとんどのことが「手段の目的化」してない?

毎日目的を意識して生徒と向き合いたい、でも何のためにするのか(目的)より、どのようにするのか(手段)に重きを置きがちです。もちろんルーチンワークは必要ですし、毎日コロコロやることが変わったらそれはそれでしんどいのですよね。でも、目的ってほんとに忘れられがちなんです。今日は、そもそもの根本にある目的を洗い出すセッションを生徒とやってみた授業についてお話したいと思います。

手段の目的化とは

手段の目的化とは、どういうことでしょうか。辞書だとこういう意味です↓

手段の目的化
ある目的を実現するために採用した行動やその方法が、本来の(目的を実現するという)意義を逸脱して、行動する事それ自体を目的として行動するようになってしまうことを指す表現。形骸化に伴って生じやすい。

Weblio辞書

もう少し噛み砕くとこんな感じ。

  • 「手段」自体が「目的」になってしまうこと。

  • 「目的」を見失い、「手段」にばかり目がいってしまうこと。

  • 「手段」だけが残っていて「形骸化」していること。

それでは学校現場での手段の目的化を細かく見てみましょう。

「手段」自体が「目的」になってしまうこと。

今の職場では会議がとても多いです。毎週かなりの数の会議があります。そもそも会議には目的があるはずですが会議をするために会議をしているのでは?と感じることもあります。

また、以前いた学校では、会議で発言する人はごく少数でした。私は気づくと20年近く、会議で発言することすらありませんでした。こうなると、会議に参加する目的は?と聞かれると「参加すること」の他ありませんでした。

生徒目線で言うと、授業に出席することが目的となっているかもしれません。ノートを取ることが目的となっているかもしれません。

「目的」を見失い、「手段」にばかり目がいってしまうこと。

学校では多くの場合教員が生徒に指示を出します。
・宿題は○月○日ね、ノートに見開き2ページ解いてくること。
・次のテストの目標は全員80点以上だ!
・宿題を忘れてはいけません。
・授業中はノートをしっかりと取り、顔を上げて聞くこと。

もう、顔を上げて聞くことが手段となっていて頭の中動いてない!なんてことも。将棋の藤井プロがこんなことを言っていました。

藤井 そうですね。中学生のとき、「宿題なんてやる必要があるのか」と先生に質問して、困らせてしまったことはありました……。自分としては、帰宅後に将棋の研究をしたいというのもあり、授業に集中して内容をきちんと理解していれば、宿題は必要ないのではと思ったんです。

NumberWeb 将棋Press2021/09/18

結局、「宿題は授業でやったことを定着させるためのものだ」と先生に言われて、その後は宿題をやるようになったそうです。そもそも何か意味はあったけど、なんだっけ?というのがこのパターンです。

「手段」だけが残っていて「形骸化」していること。

これはルーチンワークと言われるものです。例えば、なんとなく毎日やっている小テスト。ただ単にノートをとるだけの行為。全員が揃って行進すること。

なんのためにやっているんだろう?が答えられないものは教員側にも多く見られます。最近書いているキャリアなんとかも、中身を見ると「がんばった」「XXした」で終わっている場合も。

もっと言えば、生徒の理解を早めるため?の穴埋め問題も、もはや穴を埋めることが目的なのか、生徒を黙らせることが目的なのかと思うことがあります。目的が穴埋めなら将来は穴埋め職人ですね。

さいごに

ちょっと書こうと思ったら長くなってしまいました。次回は手段の目的化の原因、結果、そしてどうしたら防げるのかについて書いてみたいと思います。さらに、授業で行った「コンポンセッション」についてご紹介します。目的を問い直すセッションで、生徒から学ぶことがたくさんありました。嬉しい!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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