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休校時だから考える本当の学びって?ぽこん星のりんりんの話(1)

我が家でも学校から課題が届き始めました。FaceBookで話題になっているのがその内容です。ただ書き写す、プリントの穴埋めをする。それらを時間割にし、提出を義務付けています。場合によっては成績に反映されると書いている学校も。我が家の小1は、「あ」を何度も書くのが5月7日の課題でしたがすでに心が折れかけています。これ、学校に行くとさらに赤で訂正されてやり直しの再提出になるやつですよね。

中高でも似たようなことが起こっています。普段から、入試問題に似た問題を解くことが授業の中心で、それをしなければ解けるようにならないと言う先生も。本当にそうなんでしょうか?

ふと思い出したのが、自分が5年前に書いた物語です。実話に基づいて書かれたファンタジーですが、今読むとなんだか新鮮だったので転載します。

それでは、はじまりはじまり!

勉強って何でしょう?なぜできるようにならないのか、ポコン星のりんりんのお話。

りんりんの毎日はどこかの日常に似ている

ポコン星は地球からそう遠くない、小さな星。

300万人ほどのポコン星人が暮らしています。

りんりんは10歳。ポコン星の中学生です。

今日も塾でたくさん宿題が出ました。

・ハンマーカール100回

・コンセントレーションカール1000回

・ダンベルの使い方の説明書暗記

・ダンベルの角度を計ってくる

今学期は特に上腕二頭筋を鍛える事が主眼に置かれていて、教科書でも重要な項目になっています。

おっと、オヤツは、

ホエイプロテインとカゼインプロテイン、BCAA、クレアチン、

そうそう、今日の小テストでクレアチンは水分接種が大事とか言ってたっけ?

たんすいかぶつ、とかも必要だな。

ポコン星ではスポーツで昇進が決まるので、小学校一年生から教科書に書いてある通りの筋トレを毎日繰り返さなければなりません。

今度の実力スポテでは、上半身の筋力測定があるので、項目を細かく分けて、できるだけ効率よく鍛えて行きます。

授業では、ダンベルの角度を間違えると、お直しがあります。

塾では宿題を忘れると、即、親に電話があり、厳しく叱責されます。

りんりんは、学校に行き始めてからというもの、ずっと筋トレが憂鬱でした。

学校でもダンベルの角度を間違えたのに、お直しをちゃんとしないため叱られました。

「だいたい、上腕二頭筋を鍛えたからって、将来何の役に立つの?」と考えてみたりしたけど、理由は分かりません。

大人はみんな、いずれ分かるから、がんばりなさい、と言います。

あまりにもちゃんとしないので、親は塾に行かせる事にしたのです。

塾の先生は、学校のテストに沿って、りんりん用に計画を立ててくれました。

順番に一緒にトレーニングするので、少しやる気が出て、頑張れる気がしました。

塾の先生は言いました。

「りんりんは最近とってもやる気が出て、自分からがんばっていますよ。この調子なら、次のスポテはうんと成績が上がります」

ママも言いました。

「そうですか、ありがとうございます。」

次のスポテの日。

りんりんの斜懸垂の回数は100回、増えました。

塾の先生も、ママも満足げでした。

でも、りんりんはどうしてもなぜ上半身を鍛えないといけないかが分からず、悩みました。

そして塾をやめました。

ママは、仕方なくりんりんを隣の惑星、ペコン星のおじいちゃんのところへ送りました。

おじいちゃんは遊んでばかり?

おじいちゃんはとっても変わった学者で、ポコン星ではなじめず、隣の惑星に引っ越したのです。

りんりんはおじいちゃんに聞きました。

「ねえ、なぜ上腕二頭筋を鍛えないといけないの?」

おじいちゃんは言いました。

「鍛えなくていいんじゃよ。今日は、河原へ言ってカニを捕ろう。」

カニがたくさん取れたので、スープに入れて食べました。

次の日、

おじいちゃんは山へキノコ取りに連れて行ってくれました。

キノコグラタンは絶品でした。

体を動かしたあとのご飯ときたら!

それはそれは最高でした。

次の日、りんりんはおじいちゃんと凧揚げをしました。

次の日は、コマ回し。

次の日は・・・

結局半年間、りんりんは一度も筋力トレーニングをしませんでした。

でも、ママは知りません。

おじいちゃんが

「りんりんは毎日いい子にしてるよ。」と

テレパシーで教えてくれたから、安心していたのです。

何しろおじいちゃんは、ちょっと変わっているけど、

学者ですから。

未だに異種格闘技に挑戦して、勝利を収め、ポコン星でも人気があります。

おうちへ帰る日

さて、とうとうその日がやって来ました。

りんりんがママのところへ帰る日です。

「学校でちゃんとやっていけるかな、筋力テストとかついていけるかな。つまんない栄養の話、聞けるかな?」

心配するりんりんに、おじいちゃんは言いました。

「りんりんは、もう、だいじょうぶ。」

でも、どうしても学校に戻りたくないりんりんのために、

おじいちゃんが隣町の学校を紹介してくれました。

そうしてりんりんはまたポコン星で学校へ行き始めたのでした。

学校というだけでゆううつだったりんりん。

でも、今回は何だか違う感じがしました。


つづく・・・

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