簡単にプロ並みの楽曲が生成できるAI作曲アプリSuno(1)歴史・著作権
複雑なプロンプトなしで簡単に楽曲が生成されてしまうとんでもないアプリがSuno。最近、Canva Educators Community Osakaのテーマソング的なのを作ってみました。
これは無料アカウントで作っているので商用利用はできませんが、コミュニティのミートアップで流すことには何の問題もありません。
A.I.による楽曲生成の歴史
AIによる楽曲生成の歴史は2010年代初頭に遡ります。初期のAI音楽生成は、プログラムが基本的なメロディやリズムを作成するだけのものでしたが、2016年にOpenAIが「MuseNet」を発表し、クラシックからジャズまで多様なスタイルの音楽を生成できるようになりました。これに続き、Googleの「Magenta」やSonyの「Flow Machines」など、より高度でクリエイティブなAI音楽生成ツールが開発されました。これらの技術は、AIが音楽のパターンやスタイルを学び、独自の楽曲を生成する能力を大幅に向上させました。
近年では、AI音楽生成の技術がさらに進化し、一般のユーザーでも簡単に利用できるアプリが登場しました。例えば、SunoやAmper Musicなどのアプリは、ユーザーが指定したスタイルやテンポに基づいて、プロフェッショナルな品質の楽曲を生成します。これにより、音楽制作のハードルが大幅に低下し、誰でも簡単に独自の音楽を作成できる時代が到来しました。また、これらのAIツールは、映画やゲームのサウンドトラック制作、広告音楽の生成、個人の創作活動など、さまざまな分野で利用されています。AI音楽生成技術の発展は、音楽業界に新たな可能性をもたらし続けています。
A.I.で生成さえれた曲は誰のもの?
一方で、著作権に関する訴訟が起こるなど、問題も尽きません。
そもそも私がSunoに出会ったのは、2024年6月25日のニューヨークタイムズの記事がきっかけでした。
ソニー、ユニバーサル、ワーナーなどの大手レコード会社が、AI音楽生成企業のUdioとSunoを相手取って訴訟を起こしたのです。これらの企業が著作権で保護された音源を無断で使用し、A.I.を訓練していると主張しています。訴状によれば、UdioとSunoのサービスは大量のデータをコピーしてAIモデルを訓練し、その結果生成される楽曲は著作権侵害に当たるとされています。レコード会社側は損害賠償と法的な是正を求めています。
一方、UdioとSunoは、自社のAI技術が既存のコンテンツをそのまま再現するのではなく、新しい音楽を創造するものであると反論しています。Udioは、A.I.の訓練が音楽の基本的なアイデアを理解するためであり、これらのアイデアは誰の所有物でもないと主張。SunoのCEO、マイキー・シュルマンも同様に、自社の技術が新しい音楽と創造性を生み出すものであり、特定のアーティストを模倣するものではないと述べています。この訴訟は、AI技術の倫理的・法的な開発に関する基本的なルールを強化するためのものです。
こうなってくると、創造って何?どこまでがコピーなの?と分からなくなってきます。
曲を生成する際に気をつけるべきこと
気をつけることの1つとして、生成された曲が現行の曲に似すぎていないかがあると言います。しかし、これは私のような素人にはほぼ不可能です。
だいぶ昔になりますが、大黒摩季の「ら・ら・ら」と、松任谷由実の「真夏の夜の夢」が似ているとした訴訟がありました。松任谷由実が「ら・ら・ら」のサビが自身の曲と似ていると主張しましたが、裁判所は類似性を認めなかったと言います。わざわざ似せて作ったわけではないでしょうから、プロでも自分の頭の中に歩くメロディがどこから出てきたかなんて分からないのでしょう。(どちらもいい曲ですけど♪)
ただ、ツールの利用規約だけは確認確認しておきましょう。
さいごに
とはいえ、Sunoは本当に簡単で楽しいので、いろいろ今後も使ってみようと思います。オーガニックラーニングでは2024年の夏、A.I.と共に歩む教育の未来と題したオンライン講座を行なっています。1日目は終わりましたが、終了までにお申し込みいただければ、終了した回の動画をプレゼントします。
今江藤が一番話を聞きたいメンバーです。わたし自身、学ぶのが楽しみです。
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