先輩と後輩

 どの世界にいても、どんな社会に身を置いても“先輩”と“後輩”は存在するし、そこにおける“上下関係”は必ずある。でも果たしてその上下関係って必要なものなのか?と言われると必ずしもそうではないとも思う。


 僕は決して良い後輩ではなかったと思う。高校の部活では先輩たちを舐めてたし。下手で試合に出られない先輩たちが「年の差」だけで雑務を押し付けてくる風潮がめちゃくちゃ嫌いだった。

 1歳違うとそんなに偉いんか?俺の方が試合出てるけど?

 まあそんなふうに思ってたから俺もたいして上手くなれなかったんだろうけど。


 でもその上下関係に対しての違和感はずっと消えなかった。


 先日、ライブの片付けをしていた際。スタッフとしてまあまあ多くの人がいて、僕と同期の子たちと半期下の子たちとがいた。僕は早く終わらせたかったのでせっせと働いた。すると、大人が

 「先輩たちに片付けさせるなよ」(みたいなこと)

 と半期下の子たちに怒ってた。


 そういう世界と言ってしまえばそうなのだが、たかが半年入学が前後してるだけで先輩後輩なんて強調しないでくれよ、、、


 たまたまタイミングが違っただけで能力も才能もなにも違わない人間どうしに先輩後輩と名前をつけて上下関係に当てはめるのは迷惑なのだ。


 もちろんこれが芸人であったり、スポーツ選手であれば結果が見せれる分胸を張って「先輩です!」と言えるのかもしれない。でも僕はそうではない。誰にでもわかる結果をすぐに出せるわけでもなければ自慢できる功績もないし、もし仮にそんなものがあったとしても半年や1年歴が違うだけで先輩面するような人になりたくない。そういう人を敬えないから。


 冒頭の話に戻るが、僕の所属していた部活の先輩にはスタメンを後輩に譲っておきながら先輩風だけ吹かすような人たちもいた。でもやっぱりそういう人たちは真に敬えない。きっとその人たちも敬われたくてそうしてたわけじゃないと思うし。自分が楽をすることを考えたら下の人間を使うって方法があっただけで。


 きっとこれが仕事となったらまた話は変わってくるのだと思う。右も左もわからない人間と利益を出し始めてる人間とではうんと差があるだろうし、そこに尊敬はできるんだと思う。経験値の差は大きいから。


 でもやっぱり養成所で自分も学ぶ身でいろんなこと経験していろんな人に追いつき追い越せでやってっていう中で半年入学が違うだけの人たちを後輩とは思えないし、あんなに強調して声張らなくてもなーって思ってしまうよね。

 とはいえ、先輩と呼ばれる人たちには「先輩!」って感じで挨拶しますけども、それは。

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