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ほどよい悔しさを感じる駅伝大会が悪くなかった

あ、トップ画像のガチ駅伝じゃないです
社内の駅伝大会です。

僕の会社では、従業員で有志チームを募って、工場敷地内をぐるぐる回る駅伝大会というものがあります。
1人2キロ、7人チーム。

各職場から7人が選手として出場。残りのメンバーは家族を連れて観戦。
沿道の空きスペースで豚汁とか軽食を食べたり、子どもにお菓子を振舞ったり。
駅伝大会自体は昔ながらだなとか、伝統的だなとか思いつつも、このほのぼのした空気はよいなぁと思いながら見ていたりします。
一方で、元陸上部をそろえて常に上位を狙うチームもいたりします。

その駅伝大会で、ほどよい悔しさを味わったので書いてみます。

チームメンバーは「別に走りたくない」

1人2キロ。普段運動していない人たちが「走りたくなる」なんてことまずありません。
ご多分に漏れず「若いやつが走れよ」という空気になります(笑)
普段からランニングが趣味の人を除けば、2キロも走らされるのは苦行ですから、選ばれた駅伝メンバーも「めんどくせぇ」って言いながら走ることになります。

文句言いながらもやる、っていうのも悪くない。です。
テスト勉強でも仕事でも「なんだかんだ言いながら結局やる」という人は多いですし、そういう光景はまぁ、普通ですから。

ただ今年は違いました。

勝ち方を知る経験者

例年通り、駅伝チームが編成される時期を迎えました。
これまでとの大きな違いは陸上経験者のAさんが異動してやってきたこと。
Aさんの異動前の職場でも駅伝大会があったみたいですが、彼曰く
「ガチで練習しすぎて自分のチームが数年間独走状態になった結果、競争が失われ駅伝大会が中止になった」らしい。

鬼コーチだ。たぶん。

そのAさんが今年はコーチになり、大会までのチームの練習を考えてくれることに。*
本人は「いやいややるなら、練習もしないしコーチもしない。やるなら本気でやる。」
残念ながらメンバーに選ばれた僕は、Aさんがどんな練習を持ってくるのか戦々恐々としながら待ち構えていました。
(ちなみに、先輩の言うことは絶対!みたいな感覚が少なくとも僕は薄くて、普通に「まぁやるか」という温度感でした)

*そもそもコーチなんて立ち位置はこれまで存在しておらず、一応のとりまとめとして「監督」と呼ばれる人がいるだけだった。

現状把握から目標を設定

とはいえ、それまでは「いやいや走る」文化を持っていた僕の職場。
「コーチとメンバーの温度差大きかったらどうしようかなー」とちょっと心配しながら迎えた初練習。(練習といっても終業後に自社のグラウンドに集まるだけですが。)
Aさんから練習メニューが提示されました。
[ウォーミングアップ]:練習前に必ずやる
ジョギングxグラウンド2周
80mをほどほどにダッシュx5本
[メインメニュー]:練習日ごとに異なる
①ロングジョギング:1周400mのトラックを7周
②ショートジョギング:トラック2周全力疾走→2周歩くで1セット。これを3セット

そして練習に先立って「タイム計測」が行われました。
トラック4周走ったタイムを計測し
①自分の現在のタイムを知る
②メンバー全員のタイムと過去の大会成績を照らし合わせ、目標順位を決定する。
というものでした。これがよかった気がする。
運動が苦手な僕は、元気な若手とのタイム差にテンションが下がりながらも「仕事終わりに走るって、ジムみたいなもんだよな」と言い聞かせながら練習に参加していました。

タイムを短縮できるとそりゃ楽しい

何度か練習に参加してくるとちょっとずつわかってくることがあります。
・80mのほどほどダッシュでその日の足の感覚を確認したり、力まずに走ることを意識
・疲れたときは腕を後ろに大きく振る。すると反動で大きく手が振れる気がする(個人差あります)
・息は全力で吐いて、全力で吸う(個人差あります)

正直、結構おしゃべりしながら練習してたので楽しかったですw
そんな中、再びタイム計測が行われました。
結果は10秒短縮。(1キロ4分10秒ぐらい。遅いです)
思ったより速くなってないな・・・と思いつつも、練習によって走ること自体に慣れてきたため、まだまだタイムは短縮できると感じました。

上記タイム計測を踏まえ、チームとしての目標は「100チーム中 20位」になりました。
例年のチーム成績は100チーム中50位程度なので、なかなか野心的ですw
目標達成のために「1人20秒のタイム短縮」が目安とのことです。

「得意と不得意が見えてくる」ことが実力の向上

いよいよ練習も終盤。
「ロングジョギング」と「ショートジョギング」を繰り返す中で個々人の得意/不得意が見えてきました。
・練習の最後に追い抜かれると抜き返す人
・短距離だと速いけど長距離だと遅い人(その逆も)
・タイム計測だと実力出せない人(プレッシャーに弱い)
これまでの練習を踏まえて、選手達が7区ある中で「どのパートを走るのか」を決めることになります。
プレッシャーに弱い人は4区あたりをお願いしたり、短距離でめちゃくちゃ速い人を短距離区間に持ってきたり、チームプレイとしての駅伝大会の様相を呈してきました。

僕個人は「短距離も長距離も遅いけど、タイムがそこまで落ちない」ことがわかったので
最初の1分半だけがんばって速く走る」戦法をとりました。これもタイム計測や日々の練習の中で見えてきた「自分なりの戦い方」だったように思えます。

いつものように走った当日

迎えた当日。
「いつも通りやれば結果はついてくる」と、結果出したわけでもないのに妙な自信を持ちながら、職場のメンバーと楽しく過ごしました。
この時も、いつもの練習でやっている
[ウォーミングアップ]:練習前に必ずやる
があったので「ウォームアップさえやればきっと大丈夫」と思えました。

そして本番。
選手が密集する中継ポイントでメンバーが来るのを待ちながら、体は冷えないように気をつけてました。
その後、たすきを受け取り、自分の出番!
前半は「最初の1分半だけがんばって速く走るプランで、後半は「自分と同じぐらいの速さの人についていくプランで走ってみました。
自分の実力以上のことはそこまでできないので、実力を発揮するための「練習で練った前半プランと、心が折れそうな後半に競争心を活かして実力以上の結果を(あわよくば)狙う後半プラン。

走っているときも、沿道からは
「がんばれー!」という声をもらえます。
自職場のエリアは言ってしまえは「グランドスタンド」
全員が自分のファンwなわけです。たくさん声援がもらえます。
ベタですが、応援されると頑張れます
今回の自職場エリアは後半だったので、戦略的にも良かったかな?と思います。

結果、実力値より10秒程度速く走ることができました!(うまく表現できないんですが)
チームメンバーもそれぞれ練習通りの走りができていたようです。

予想外の悔しさ

始まってしまえば、駅伝自体は40分程度で終了。
アンカーのゴールを見守り、とぼとぼ自職場のエリアに戻ると
「おつかれー!」「ペース負けてなかったな」「涼しい顔してたなw」
と野次やらなんやら言われながら、ご飯を食べながら結果速報を待ちました。

目標は100チーム中 20位
実際のチーム順位は100チーム中 24位!
目標に僅かに及ばなかった!

そして、昼食のテーブルに広がる悔しさ
悔しさを味わうことになるとは思っていなかったものの、終わってみれば確かに悔しい
例年の結果が50位程度であることを踏まえれば十分に良い結果なのですが、目標を微妙に達成できなかったことが、悔しさの源泉かなと

あとは、現状把握から導いた「ちょっとだけ高い目標」があったからこそ、ほどよい練習の緊張感と、ほどよい悔しさが味わえたのかなー、と思った次第です。

*****

「悔しさを感じないのは、まじめにやってないからだ!」
なんて、たまに聞いたりする言葉ですが。
「何をまじめにやればいいのか」というところを考えてみると、まずはこの2つなのかな、と思います。

①現在の実力値の把握(現状把握)
 →周囲の環境認識も含まれる気がする
②納得感のある目標設定
 →高すぎない目標にする必要があるため、最終目標というよりは達成できるレベルまで分解する必要がありそう

その次に目標達成のための手段を選び、まじめに実行する・・・と
結果がうまくいけばいいし、いかなかったらほどよい悔しさを感じて、次につながる。

実力値の把握に時間ばっかり使ってもいけないんですけどね・・・と思いつつ
ひとまず、予想以上によい経験になった駅伝大会でした!

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