見出し画像

創業以来初めてのVision改定について。

ABCashは2018年2月に創業をして、当初からMissionとVisionを固定して、その時々の組織状態や規模に合わせてValueを改定して行動を規定していく方法をとっていましたが、今回初めてVisionを改定したので、その理由について少し書いてみようと思います。

Vision変更の背景

以前のVisionは「世界に誇れるかっこいい会社を創る。」というものでした。
これは私たちのMissionである「お金の不安に終止符を打つ。」を達成するために、自分たちが所属する会社は自分たちが誇りをもって働ける会社にしていこう、という想いが込められていました。
以前のVisionは私自身もとても好きなVisionで、答えのわからない意思決定をする時も「世界に誇れるかっこいい会社」になるために正しいか?という判断基準を持っていましたし、採用活動に於いても候補者の方から「ABCashのVisionに共感しました」という声もたくさん頂いていました。
一方で抽象度の高いVisionだったが故に、組織の規模が拡大するにつれて会社の目指すべき理想の姿の捉え方に、個々による差分が出てきていました。Mission・Visionの達成のために暗闇の中を突き進まないといけないベンチャー企業では、会社が掲げるMissionやVisionのもとに、全社員が一体感をどれだけ持てるかが重要だと考えています。
そのVisionが上述の通り組織規模の拡大に伴い言葉としては浸透しているものの形骸化してきていたので、改定の意思決定をしました。

Vision改定3つのポイント

次にVisionを改定する際に注意したポイントについて書きたいと思います。
注意したポイントは3つあります。
1つ目は「MissionとVisionの連動性」です。Visionを考えていると、ついつい耳触りの良い言葉にすることに比重が寄りすぎてしまったりするので、私たちの北極星であるMissionを達成するために私たちがどんな姿になる必要があるのか、という当たり前のことがブレないように改めて基本を意識しました。

2つ目は「部長以上で決める」です。Mission達成に向けてのあるべき姿は、より現場の状況を把握している各部門の部長を巻き込むことで、経営だけでは見えない視点や意見が出てきます。経営者だけで決める選択肢もありますが、ABCashのMVVはABCashに所属する全員のもので、組織規模も大きくなってきたので会社を構成する各部の責任を背負っている人にも当事者になってもらいました。

3つ目は「Visionの有効期間を決める」です。改定前のVisionは有効期間を決めずに定義していました。この方法だと大きく魅力的なVisionにはなりますが、日々に落とし込んで意識をすることは難しくなります。
私たちが開拓している金融教育市場は、まだ市場形成真っ只中なので、未来の見通しが立てにくいです。なので、Visionは3年〜5年という有効期間を設けてイメージしやすい具体的なものにし、達成をしたら改定をしていくという方針にしました。

Visionに込めた想い

Vision改定3つのポイントに記載したルールをもとに改定したVisionは「金融教育市場を開拓し、誰もが金融リテラシーを身につけている社会を創る。」になりました。

少し長いVisionなのですが、組織内でなるべく認識の齟齬が起きないように覚えやすさを犠牲にして敢えて具体的な記載にしました。
前半の「金融教育市場を開拓する」と、後半の「誰もが金融リテラシーを身につけている社会を創る」という2つのパートから構成しています。
創業期の2018年頃には、ほぼ存在していなかった金融教育市場ですが、ここ1〜2年でようやく成長してきた実感があります。この金融教育市場を開拓し大きな市場にしなければABCashのMissionである、お金の不安に終止符を打つことは難しいため、市場の拡大が必要不可欠です。
前半パートでは、その中でより良い社会を創るためにABCashが金融教育市場の拡大を牽引する会社になる、という想いを込めました。

そして、お金の不安を解消しようとした時に知識を持っていれば良い、となりがちなのですが、大切なことは「知っている」や「理解している」状態ではなく自分の血肉となって使える状態、つまり「身についている」状態にすることです。誰もが金融リテラシを身につけている状態を実現できれば、自然と私たちのMission達成に一歩近づくことができるので、後半パートでは私たちがそういう社会を創る、という想いを込めました。


今日ここに書いたVIsionを達成して3〜5年後に新たなVisionに改定しているのが今から楽しみです。創業当初はMVVの重要性があまり良くわかっていなかったこともあり、どの本を読んでもどのwebサイトを見てもMVVは重要だと書いてあるので、そういうものなんだろう程度でしたが、事業が組織が拡大するのに比例してMVVの重要性を実感できるようになってきました。
スタートアップ経営も知識だけではなく実感することで、成長につながると思うので、これからも色々な経験をして書き残していきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?