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僕のBible【読書感想文No.①】

 初めての読書感想文になります。
今日はゆうごフェニックスという人の、人格形成の元となった小説を紹介していきたいと思います。

 『生徒会の一存-碧陽学園生徒会議事録-』

 著者 葵せきな
 イラスト 狗神煌
 出版社 富士見書房

 この本を一言でまとめると“ハーレムもの”です。しかし、これはありふれたハーレム物という意味ではありません。
 
 私が心を引かれたのが、何故ハーレム王を目指すのか、そして彼にとってのハーレムとは?という部分です。

【ここから先少しネタバレ要素も含んでいます。】
ご注意ください。

 主人公は杉崎鍵は、高校生になる前に、幼馴染の子と、血の繋がりのない妹に好意を持たれていました。      
 なし崩し的に幼馴染と付き合うのですが、結果、妹が精神不安定気味になり体調を崩してしまいます。

 そのことがあり、中途半端な気持ちで片方を選んでしまったことを酷く後悔してしまいます。
 幼馴染とも自然解消ぎみとなりました。
 
 そして、高校入学後に、現生徒会メンバーと出会い、彼の中でのある考えが確立するのです。

「全員大切なら、全員を幸せにすればいいんだ。そして俺は全員を幸せにするために、誰も“選ばない。"」

 
彼は誰1人として、“選ばない”という選択をしたのです。
 
 自分はわがままだし、欲張りな人間だ。もちろん女の子とイチャイチャしたい。それは彼が最初から理解していることです。
 自分はそういう欲張りな人間であると相手にもわかってもらった上で、好きな人に好きになってもらおうと考えたのです。
 
 憧れの女の子たちに近づこうと必死に努力する姿。
 誰も選ばないけど、全員を幸せにするという強い覚悟。それを目の当たりにした時、僕は今までにない衝撃を受けました。

 この本を読んだ後に私は一夫多妻制について深く考えました。そして、何故、結婚というシステムは好きな人を"1人"選ばなくてはならないのだろうということに疑問を抱きました。

 だって、実際おかしくないですか?
 小さい頃から「みんなと仲良くやりましょう。分け隔てなく接しましょう」的な教育を受けるのに、付き合う時だけ、選ばなくてはいけないんですよ。自分の事が好きな人が他にいるかもしれないのに。そして自分も他に好きな人がいるかもしれないのに。

 色んな人にこの問いかけをしてきたのですが、1人を選ばなくてはいけない理由を明確に答えてくれる人はいませんでした。

 【余談ですが、実際に僕も高校生の頃ハーレム王を目指してみました。2人の女の子といい感じになったのですが、その女の子達に失礼な中途半端な状況に耐えきれず、心が崩壊しそうになりました。改めて杉崎鍵は凄いなと思ったことを覚えています。】

 
 大きい捉え方をすれば、この現代の付き合うということや結婚に対する、疑問の投げかけをしているような作品だと僕は感じました。
 
 僕なりに出した答えは、現実の人たちは、自分しか見てくれない人のことをあまり好きにはならないから、ハーレム王になるのは厳しいというものです。
 
 誰だってそうですよね。好きな人は独占したいですよね。というかそんな男が現実にいたら普通にいつかは嫌いになりますよね笑

 杉崎鍵もその事は分かっています。でも彼は最も辛く厳しい、報われないかもしれないけれど、ハーレム王を目指す道を最後まで諦めませんでした。
 その男気に今でも尊敬の念を抱いています。

 
 
 彼から学んだ事は、『自分が幸せになりたい。だから、相手も幸せにする。でもこれをするのは自己満足だと分かった上でのことだ。』というものです。
 
 
 僕も周りの人に笑って欲しくて変なことをする人間ですが、それは自己満足だと分かった上で行動するように心がけています。
 人は相手のことを考えすぎると行動できなくなってしまいます。「余計なお世話ではないか」という考えが過ぎるからです。

 でも自己満足と考えてしまえば、すぐ行動は起こせます。"自分が自分の幸せのために相手に笑って欲しい"と自分の心の中で解釈できるからです。

 もちろん余計なお世話になったり、逆に迷惑をかけることもあると思いますが、そこはもう結果論であり、選択の問題です。
 やるからやらないかの問題。どっちが正解なんてありません。やればプラスマイナスのどっちかになり、やらなければ現状維持です。
 僕は杉崎鍵に触発されて、やりたい派を選びました。

 その選択に後悔はしていません。

 
 もう僕も気がつけば彼の年齢を越していました。大人になりつつあります。
 いつまでに彼に負けてはいられないので、僕も“自分のため“に周りの人を幸せにできるよう、努力を重ねていきたいと思います。
 そして恋人が出来た時に、自分の愛を最大限伝えていけるよう頑張ります。

 とても長文となりましたが、ご拝読ありがとうございました。
 次回からはもう少し短く出来るようにします。

文責 ゆうごフェニックス




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