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人は鏡

今日は、3週間の教育実習で経験させてもらったことを踏まえて、私が感じたことを言葉にしていきたいと思います。

教育実習中に授業や担当教室でのHR、そして研究授業などは、どの教育実習生も経験することだと思います。どれも貴重な体験で、生徒との思い出もたくさん出来ました。しかし、私が実習期間中に1番心に残った瞬間は、柔道部の県総体でした。

私の柔道人生において、全国大会に出場を決めた試合よりも、優勝したどの試合よりも、決して忘れることのできない試合があります。それは、高校最後の県総体の団体戦で負けた決勝戦です。
教育実習生として母校に帰り、実習期間中に迎えた県総体では、運命なのか必然なのか、私たちが決勝戦で負けた高校と団体戦で激突しました。そして、その高校に私たちが負けた時と同じスコアでリベンジを果たしてくれました。この瞬間は本当に鳥肌が立って、心の中で止まっていた時間がまた動き始めたような感覚になりました。このために教育実習生として母校に帰ってきたのかもしれないと感じるほど感動したことを鮮明に覚えています。本当に良いものを見せてもらうことが出来ました。あの瞬間に実習生として関われたことは、これからの財産になると思います。

そして、そんな時にふと思い出したのは、私が高校3年生の時に教育実習生として帰ってきた兄の存在です。私が高校3年生の時、当時大学4年生だった兄は、母校である私の通っていた高校に教育実習という形で帰ってきました。兄の担当クラスが違う学年だったこともあり、学校生活で兄を見かけることはほとんどありませんでした。しかし、部活動には毎日来て一緒に練習をしていたので、兄がいるという不思議な感覚を抱いたことを覚えています。教育実習を経験した今では、実習期間中に毎日部活に行くことがどれだけ大変なことか、良く理解できます。

教育実習期間は、高校生活最後の総体がある時期と重なっていて、追い込み期間、調整期間、試合当日まで、常に兄がいたことはとてもいい思い出です。兄がそのことに関して、どう考えていたかはわかりませんが、私にとっては最後の総体で兄と一緒に戦えることに必ず意味があると感じていました。しかし、結果は団体戦で2位、個人戦で3位と全国大会に出場することはできませんでした。団体戦で負けた日のミーティングで兄は「まだ個人戦がある。個人戦でやり返そう」とみんなに向かって話してくれました。結果的に個人戦でも負けてしまったけど、試合前に背中をポンと叩いて、「いつも通りやってこい」と言ってくれたことはこれからも忘れることはないと思います。

教育実習が終わった今、私が教育実習を通して、生徒たちに何かを伝えることが出来たのか、と考えました。それと同時に兄が教育実習に来ている時、何かを伝えてくれたかな、と考えることもできます。私が生徒に何かを伝えることができた自覚はないし、兄から教育実習中に何かを伝えてもらった覚えもあまりありません。しかし、3週間と言う時間を教師と生徒という立場で一緒に過ごすことで、何気ない言葉や行動が心に残り、これからの活力にできると思います。そして、その活力を教師と生徒の両方の視点から学べたことは、私にとっての貴重な経験になると確信しています。

つまり、私が教育実習を経験して感じたことは、生徒に何かを伝える難しさとかではなく、人は人と向き合うことで沢山のことを相手から学ぶことができるということです。
人は鏡。自分がどう向き合うかで、相手も自分との向き合い方を考えてくれる。鏡にうつる自分を変えるためには、先に自分が変わる必要がある。そんなことを感じた実習期間でした。

沢山のことに気づかせてくれてありがとう。
これからも暑苦しいくらいに真っ直ぐな素直さを忘れずに、明るい未来を見て走り続けて下さい。
いつまでも応援してます。みんな頑張れ✌️

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