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出会い

Australia  Brisbane

私は大学の夏休み期間を利用して、1ヶ月間オーストラリア現地に滞在し、オーストラリアの柔道環境について勉強させていただきました。今日はその経験から、感じたことなどを記録しておくためにもnoteに綴っていこうと思います。

今回私が1ヶ月間お世話になったのは、ブリスベンにある柔道クラブです。滞在中は、すべてのクラスに参加し、指導方法などを学ばせてもらいました。また、休みの日には近くにある違う道場にも出稽古に行かせてもらったり、クイーズランド州のステイトトレーニングにも参加させていただきました。

実際に、オーストラリアの柔道に1ヶ月間触れてみて、1番強く感じたことは、全員が楽しく柔道をしているということです。私自身、全国大会や日本一など、勝つことを目標にして柔道をしてきたと思います。気がつけば、いつの間にか柔道が楽しくてしていると言うよりかは、勝つためにしているような感覚になっていて、柔道を楽しむと言う本質が失われていたような気がします。しかし、オーストラリアの人たちを見ていると、本当に柔道が好きで、柔道に魅力を感じて、楽しくて習っているというのがとても伝わってきました。大人になってから柔道を始める初心者の人がたくさんいること、少しでも気になることがあればすぐに質問してくれて、納得がいくまで熱心に耳を傾けてくれました。試合での勝ち負けや柔道の競技力が高い低いは別にして、この姿勢は見習わなければならないと強く感じました。

また、私がお世話になった道場には大きく分けて3つのクラスがあります。キッズクラス、ジュニアクラス、シニアクラスとあり、正確にはもう少しクラス分けがされているのですが、それぞれのクラスによって練習内容や指導方法が違うことなども印象に残りました。そのクラスごとに、どういう目的で指導をするのか、指導する側と習う側の方向性が同じであるように、工夫されているのが見ていてとてもわかりやすかったです。子どもたちのために柔道に近い動きを工夫してゲームにしていたり、ウォーミングアップが毎回違ったりと、自分が子どもの頃にしてきた練習とは、全く違ってとても刺激的な毎日でした。

さらに驚いたことは、色帯の制度です。日本の柔道場でも色帯の制度があり、昇級していくごとに帯の色が変わっていく、そしてそれが子どものモチベーションとなる。というのは導入されている道場もあると思います。しかし、オーストラリアでは、色帯の数がとても多い。つまり昇級する回数が多いということです。例えば、日本では白帯の次が黄色帯だとしたら、オーストラリアでは、白帯の次に白色と黄色のハーフ帯があり、その次にそのハーフ帯に黒色のパッチが付き、次の昇級でやっと黄色帯になります。それだけ昇級する回数が多いと、子どもたちのモチベーションにも繋がり、柔道場に通うのが楽しくなると思います。このように、道場側の様々な工夫で子どもたちだけでなく、大人も含めて、全員が楽しく柔道をしているのではないかな、と考えました。
指導者がとにかく試合で勝つための練習を子どもたちにさせるのも大切かもしれません。でも、その練習は試合で勝つための練習をしたいと思っている子どもたちにとっては、楽しい時間かもしれませんが、そうではない、趣味程度で柔道をしたいという子どもにとっては、柔道が楽しくないものになってしまいます。オーストラリアの道場のように、クラス分けを多くし、試合で勝つための練習をするクラスや、趣味程度の柔道をするクラスなどを作る。そして、試合に出てみて、勝ったり負けたりを経験して、もっと強くなりたいと思うようになれば、上のクラスに上がっていく。このような制度を取り入れることでよりたくさんの人が柔道を好きになる、とても良い循環が生まれると思います。まずは、柔道を好きになってもらう。どんな目的でも道場に来てもらう。そのために指導する側が出来ること、方法などは無数にあると感じることが出来ました。色々なことを取り入れていく柔軟性が何事にも大切なのかもしれません。

柔道家として、人として、忘れかけていた本質的な核心を改めて見つけることが出来たと思います。1ヶ月間私の柔道環境に関わってくれた方々には、本当に感謝しています。ありがとうございました。


これからもOhori judo clubを応援し続けます。Ohoriのみんな、頑張れ!!


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