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居候と老神主

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居候と老神主 3-1

 年明けの慌ただしさも落ち着いたある平日の午後。
 ブチは柔らかな陽射しに温められた宝物殿の裏にいた。けして多くはないが、途切れなく参拝客がいるのはいつものことだ。けれど一応立ち入り禁止になっているこの辺りに人が来ることは滅多にない。思い出したように近くの木の枝から飛び立つ鳥が音を立てる程度で、昼寝を決め込むのに最高の環境だった。
 午前中もこの場所でのんびりと過ごしていた彼は、昼の時間帯を挟んで

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居候と老神主 2

 神社の奥、鎮守の森に埋もれるようにある老神主の居宅の庭先で彼は、手持ち無沙汰の時間をどう過ごそうか迷っていた。
 今日まで初詣の参詣として参拝客を受け入れている。当然ながら老神主一家は孫たちまで揃って手伝いに出ていた。夏祭りの時もそうだが、人手はどれだけあっても足りないくらいなのだろう。夜も明け切らないうちから支度を済ませ、夕方まで走り回ってくる。
 家族、神官、巫女たちの中でもとりわけ忙しいの

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居候と老神主 1

 ほんの少し前まで薄ぼんやりと明るかったはずの空は、住宅街の細い路地を数本通り過ぎる間に夜色に変わっていた。年明け間もないこの時期特有の冴えた空気は、ヒトよりも、感情豊かな八百万の神々にこそ似合うのではなかろうか。
 そんな他愛ないことを考えながら、彼は視界の正面、随分先にあるように見える目的地を目指して足を動かす。狭い歩幅と、あるかなしかの足音。小さな体が弾むように目指すそこは、この辺りに古くか

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