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軍隊の階級徹底解説のおまけ話

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
前回で軍隊の階級自体の解説は一通りしましたが、それに関連するお話がいくつかありますので、おまけ話として記事にしました。
軍隊の階級徹底解説の本編は下の記事からどうぞ。

今回のおまけ話は全部で6つです。
それでは、それぞれを詳しく解説して行きましょう。

■予備役の話
前回「兵の階層」の部分で、「2~3年の兵役義務を終えたら、殆どの人は退役する」とお話しました。
この兵役義務で実際に軍務についている期間を、現役と呼びます。
そして任期が来て退役すると、予備役と言うグループに属します。
この予備役とは、「普段は普通に働いて普通に生活していていいけれど、もし戦争になって兵士の補充が必要になったら、また軍務について貰います」と言う期間です。
予備役期間中に召集されると、ほぼ強制的に現役に復帰となります。

各国はそうやって、お給料を払わないといけない現役の人数を抑えて軍事費を減らし、いざ戦争となったら大人数を動員できるようにしています。
予備役の期間は長くても10年ほどで、兵役義務で二十歳前後に軍務についた者も、予備役の期間が終わる頃には30歳前後なので、兵士として使えるギリギリの年齢でお役御免と言う所です。
予備役の後は、さらに後備役と言うグループもありましたが、まず召集されることはありませんでした。


■士官学校
士官(少尉以上)になるには、ほぼ必ずと言っていい程、この士官学校で専門的な軍事教育を受ける必要がありました。
時代と国にもよりますが、他国と交流するために外国語を最低でも一つ。
さらに兵器の運用に必要な物理や化学、経済学、法律、歴史のような一般的な科目と、専門的な戦略、戦術、兵器、航空、築城、衛生などを学びます。
当然、肉体と精神を鍛えるために武術や馬術も学び、全てをクリアして晴れて士官となれました。
ですので、各国とも士官と言えばエリートと言って差し支えません。


■軍大学校
軍隊版の大学と思えば大体合っています。
将官を目指す場合は場合は軍大学校で学び、より高度な戦術や戦略、参謀勤務の知識、さらに国際法や陸軍でも海軍戦術の授業(逆も然り)などもありました。
陸軍なのに海軍の戦術を学んだのは、統合作戦(陸・海・空の合同作戦)のために海軍が何を言っているか分かる程度の知識が必要だったからです。
また佐官に昇進する時も軍大学校や、各兵科の専門学校のような教育機関で高度な教育を受けました。
当然、軍大学校を卒業しなくても佐官に昇進することはありましたが、将官に昇進する際には必須と言っても過言ではないぐらい必要な実績でした。


■士官と将校の違い
士官と言うのは、少尉~大将までの全ての階級の事を指します。
将校と言うのは、士官であって、かつ直接戦闘に参加する兵科に属する者を指します。
一般的に、歩兵・砲兵・機甲(騎兵)・工兵・憲兵・参謀などが直接戦闘に参加する兵科となります。
具体的に言うと、歩兵少尉とか砲兵中佐のように呼ばれる士官です。
戦闘に直接参加しない経理・軍楽隊・衛生などは、士官とは呼ばれても将校とは呼びません。
この様に、同じ階級なのに直接戦闘に参加する方が偉いみたいな、微妙な差がありました。


■元帥の扱い
元帥の取り扱いは国による違いが顕著で、「大将より上の階級」として存在する場合と、「大将が貰う名誉称号」として存在する場合の2パターンがありました。
皆さまに関わりの深い旧日本軍では、名誉称号である元帥として扱われておりました。
第二次世界大戦当時では、ドイツ軍は上級大将より上の階級として、アメリカ・イギリス・ソ連なども同じく階級としての元帥が存在しました。


■大佐は黒幕になれるのか?
先に答えを言ってしまうと、大佐は黒幕にはなれないでしょう。
よくある戦場での民間人の虐殺と言う事態は、あり得ると思います。
これがゲームや小説なら、指揮をしていた大佐が主人公の仇となるわけですが、現実でその事実をずっと上層部に隠し通すことが出来て、誰にもバレないと言うことはありえません。
また、新兵器を開発した時に予想以上の結果が出て、大佐がそれを秘密兵器を隠し持つなんて言うシーンもありますが、これも不可能です。
新兵器を開発している最中に誤差の範囲ならまだしも、予想を大幅に上回る成果が出てしまったら、その研究施設なり実験場で大事故が起きることになり、絶対に周りに知られます。
この様に考えて行くと、大佐が何か悪事を働いたとして、2・3日報告を遅らせる程度ならまだしも、いつまでも隠し通して黒幕になれるレベルで秘密を持つと言うことは不可能です。
軍隊と言う組織は何をしても周りに知れ渡るほど、報告や監視が厳しい組織です。
そんな組織の中で黒幕になれるほどずっと秘密を隠し通せるのは、将官クラスでないと不可能でしょう。

階級に関するおまけ話は以上となります。
理解しやすい様に話を進めたため、厳密には違う部分もありますが、だいたいこう言うものだと理解して頂ければ十分です
本編を含めて詳しい話が知りたい方は、配信のアーカイブをご覧ください。


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