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理想の駐屯場所

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回も防御に関する話で、敵国に侵攻した際の、駐屯地の場所選びのお話です。
時間があれば、動画の方もご覧下さい。


孫子の原文が長いので、今回は訳文だけを載せます。

現代語訳
「軍を駐屯させる場所は、高地を選んで低地を避ける。日当たりの良い場所を選んで日当たりの悪い場所は避ける。水と草の豊富な場所を選んで兵を養生させて、病気が流行らないように注意する
これが必勝の軍となるための要点である。
近くに丘や堤防があれば、その丘や堤防の南東側を駐屯地に選び、この丘や堤防が味方の右側か後ろになるように駐屯する
こうすると有利になるが、これが地の利と言うものである」

駐屯地と言うのは、敵国に攻め込んだ際の一時的な拠点です。
基本的に味方が攻める側ですが、大将首を狙って敵が駐屯地を攻撃してこないとも限りません
ですので、当然に拠点の防衛と言うものを考えなくてはいけません
また、夜になれば進軍を停止して休憩するために、休憩場所を探さなくてはいけません。
その場合も万が一を想定し、ある程度防御しやすい態勢を整えておかなければいけません。
今回の話は、この駐屯地と日々の休憩場所選びのお話です。

基本1
周りより高い場所を選んで、低い場所は避けるようにします。
理由はいくつかありますが、まず見晴らしが良いのでやって来る敵を見つけやすく警戒しやすい。
そして弓矢のような武器は、高い場所から攻撃した方が射程が伸びて戦いに有利である。
また白兵戦を行う場合、下から登ってくる敵の勢いは削がれるが、上から駆け降りる味方の勢いは増して有利になる。
この様な戦いに有利であると言う理由が主なものになります。

基本2
日当たりの良い場所を選びます。
日当たりの良い場所を選ぶ最大の理由は、病気を防ぐためです。
暗くてジメジメした場所では病気が流行りやすく、もし軍隊で伝染病が発生するとあっと言う間に全軍に広がり致命傷になります。
ですから、少しでも日当たりの良い場所を選びます。

基本3
水と草の多い場所を選びますが、決して沼地を指しているわけではありません。
飲料水に適した水が手に入る、河や池の近くのことを言っています。
また草が多い場所を選ぶのは、騎馬隊が使う軍馬や、荷駄隊が使う牛の餌を確保する為です。
人間も動物も、水と食べ物がなければ全力を発揮できません。

丘や堤防の話もしておきましょう。
丘や堤防がある場合に、その南東に軍を置くのは日当たりが良いからです。
上で説明した基本2の話ですね。
丘や堤防を自軍の右側か後方になるような位置取りをするのは、丘や堤防を障害物にすることで、その方向から敵に攻められる確率を減らすためです。
後から敵に襲われないように丘や堤防に背中を預け、出来る限り敵と正面から対峙するようにするのです。
高い所に軍を配置すると言う基本1を無視して、丘や堤防に上がらないのには理由があります
丘や堤防程度の場所では広さに余裕がなく、逆に軍の動きを制限してしまうデメリットの方が大きいからです。
ですので、小高い丘や堤防程度の高さでは、高い所が有利と言うメリットを捨ててでも、身動きが取りやすい別の場所を選びます。

以上が駐屯地を作る場所や、一夜を過ごす休憩場所を求める軍が選ぶべき理想の地形となります。
実際に敵と戦う前から、すでに防御に関する下準備は始まっています。

今回の解説はここまでです。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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