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転載:「先生みたいな先生に」 ~塾長列伝③~

※この文章は「ゆめしま未来塾塾長」時代にゆめしま未来塾アカウントで自分自身で執筆した文章の転載です。
(転載元:https://note.com/yumejuku/m/m65640c3fa0a0

先日、面談で生徒にこんな言葉をかけられた。

「先生みたいな先生になりたい」

教育職についていて一番嬉しい言葉である。
その言葉を聞いて、なぜ自分が教育職を目指したかを思い出した。

私は今回の公営塾の塾長として就任することを含めて2回転職を行った。
新入社員で入社したハウスメーカーは1年あまりで退職し半年ほどふらふらしていた時期もあった。

ふらふらしている時期に「仕事」というものに対して悩み倒した。
多くの人にも相談をした。
自分の人生を改めて考えなおしたとき、私は多くの人に支えられ、ここまでこれたと初めて意識をした。
そのこともあり、前職の塾業界というところに行きついた。

この塾業界に行きついたキッカケというのが、まさにこの前生徒からかけられた言葉と同じだった。

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高校3年生のときに大阪にある塾に入塾した。
この塾は決して大手の塾ではなく、3教室ほどを展開している小さな塾だった。

小さな塾ということもあり、すぐに他の学校の生徒達とも仲良くなり苦しい受験期だったが楽しく過ごせた。

私が通っていた教室は特に仲が良く、うるさすぎて講師の先生に
怒鳴られることは日常茶飯事。

時間がある時は浪人の先輩と塾の前でスケボーの乗り方も教えてもらった。散髪が行くのが煩わしく感じ、教室の中でバリカンで私の断髪式も行った。講師控室に置いているマンガを一日読み漁ったこともあった。

まさに「自由」な校風(塾風?)であった。

これだけ聞いていると
「え?この塾大丈夫?」
となると思います。(笑)

しかし、人であふれかえる自習室は物音一つせず。
授業が始まると、みんな必死に講師の言葉に耳を傾け必死に質問を繰り返していました。

まさに「メリハリ」

どの生徒もしっかりとメリハリをつけ、やるときはやる!といった雰囲気が塾内にしっかりと根付いていました。

それを作り出していたのが当時の「塾長」

この「塾長」は私たちの行動に対して、決して怒ることはありませんでした。非常に寛容でされど優しすぎず、言うことは言う。

そんな「塾長」

悩んでいる生徒がいれば何時間でも相談に付き合ってくれ、
やる気が出ない時は何時間でもくだらない話に付き合ってくれました。

そして、なによりも私たち一人ひとりのことを認め、生徒としてではなく
一人の人間として対等に付き合ってくれたのです。

高校生という難しい時期に私たちの考えたことを決して否定せず、生徒一人ひとりのことを認め、そしてアドバイスをくれる。

だからこそ勉強も捗り、そして学業以外の部分も大きく成長することができました。
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話が長くなりましたが、この「塾長」こそが私が教育業界に入るキッカケとなりうる人物だったのです。

当時の私には想像もつきませんでしたが。

私は今でもその塾長のうしろ姿を自然と追いかけ、「先生みたいな先生に」なろうとしています。

もしかすると、当時の「塾長」も「先生みたいな先生に」なりたかったのかもしれません。

「先生みたいな先生になりたい」

この言葉が自分の原点を思い出させてくれました。

未来を作っていく子どもたちから、またその先の未来を作っていく子どもたちにも伝わるように、先生みたいな先生になりたいといわれる先生になれるようこれからも頑張っていかねばと改めて想う秋風が吹き込む夜でした。


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