見出し画像

性格の性差(ビッグ5テスト)~2011年論文要約~

科学的に最も信頼性の高い性格診断の【ビッグ5テスト】から性差があると2011年アメリカの研究で明らかになっております。
復習としてこのビッグ5テストでは性格を文字通り5つの要素と考えています。
【神経症的傾向】【外向性】【開放性】【誠実性】【協調性】
意味合いはざっくりいうと文字通りの印象で大丈夫です。ではどのような性差が報告されているか見ていきましょう。

表1



・神経症的傾向
基本的に女性の方が高い傾向にあり、また男性と種類が違います。
女性は不安、うつ病、自己意識、および脆弱性といった種類、男性は怒りや敵意といった感情に心の不安定さが高い傾向が強いです。
ですがこの性差は加齢によって減少しますが、成人期の女性で増加するが男性ではみられない。

・協調性
こちらも女性の方が高いとわかりました。
理由としてはステレオタイプな考え方ですが、女性は感情の共有と共感を会話では重要視し、男性は己の認知理論や自己体験を尊重します。
論文では以下のような表現です。
男性は、独立した自己解釈、または他者の認知的表現とは別の自己感覚を持つ傾向があります。女性はより相互依存的な自己解釈を持ち、自己の感覚には他者が含まれる】
そしてこの協調性は加齢によって性差は拡大するようです。

・誠実性
広義の意味で特別有意な差はなかったものの、狭義の側面である勤勉さと秩序でみると女性の方が秩序の面で高いことがわかった。これは完璧主義を含む秩序と組織の維持に関連する特性を反映していて、完璧主義と不安やうつ病などの神経症傾向の要素との間に正の相関関係があることを考えると納得のいく結果である。また勤勉さは男性の方が高い結果が出ています。また女性の秩序は加齢により減少し、男性では増加するそうです。

・外向性
女性の方が高く、性差があると出ています。ですが狭義の側面からみると女性が高いのは主に【社交性】の部分であり、男性は【自己主張】という面においては女性より高いスコアだったそうです。

・開放性
広義の意味で特別有意な差はなかったものの、狭義の側面である開放性と知性には性差がありました。開放性は女性が高く、知性は男性が高かった。一応解説としてここの開放性と知性について誤解がないように記しておきます。開放性は美学や感情と捉え、知性は認知能力やIQスコアとの関連性がを示します。ですが決して男性の方がIQが高く、女性の方が低いといった事を指しているわけではなくむしろ男性はIQ数値のばらつきが女性よりある事が分かっています。また加齢により性差は減少することも分かっています。

皆さんいかがでしたでしょうか?まだ一度もビッグ5テストをやったことがないかたは是非やってみてください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?