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「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」観覧記録

森美術館会館20周年記念展「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」に行ってきました。

産業革命以降、特に20世紀後半に人類が地球に与えた影響は、それ以前の数万年単位の地質学的変化に匹敵すると言われています。この地球規模の環境危機は、諸工業先進国それぞれに特有かつ無数の事象や状況に端を発しているのではないか。本展はその問いから構想されました。
本展では、国内外のアーティスト34名による歴史的な作品から新作まで多様な表現約100点を、4つの章で紹介します。第1章「全ては繋がっている」では、環境や生態系と人間の活動が複雑に絡み合う現実に言及します。第2章「土に還る」では、1950~80年代の高度経済成長の裏で、環境汚染が問題となった日本で制作・発表されたアートを再検証し、環境問題を日本という立ち位置から見つめ直します。第3章「大いなる加速」では、人類による過度な地球資源の開発の影響を明らかにすると同時に、ある種の「希望」も提示する作品を紹介します。最終章である第4章「未来は私たちの中にある」では、アクティビズム、先住民の叡智、フェミニズム、AIや集合知(CI)、精神性(スピリチュアリティ)などさまざまな表現にみられる、最先端のテクノロジーと古来の技術の双方の考察をとおして、未来の可能性を描きます。
本展のタイトル「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」は、私たちとは誰か、地球環境は誰のものなのか、という問いかけです。人間中心主義的な視点のみならず、地球という惑星を大局的な視点から見渡せば、地球上にはいくつもの多様な生態系が存在することにあらためて気付くでしょう。本展では、環境問題をはじめとする様々な課題について多様な視点で考えることを提案します。また輸送を最小限にし、可能な限り資源を再生利用するなどサステナブルな展覧会制作を通じて、現代アートやアーティストたちがどのように環境危機に関わり、また関わり得るのかについて思考を促し、美術館を対話が生まれる場とします。

公式ホームページ概要より

幼い頃、某公害が発生した地域の近くに住んだことがあり、学校での被害者の方との交流経験もあった経験から、自分が足をつけているこの土地がどんな状態にあるのだろうかという関心はずっと心の何処かにありました。
東京に来てから環境系の話題とは縁遠くなっていたので、最近はどんな問題提起と取り組みがなされているのか知っておきたいと思って足を運びました。

日本の発展に伴って発生した多くの環境問題に伴って多くのアート作品が生み出され、それが今に引き継がれ私の前に現れていると考えると、良くも悪くも過去の人間の営みの上で私達が暮らしているんだなと改めて思いました。
色々と展示はありましたが、よく言う3R(Reuse・Reduce・Recycle)が基礎にあるのかなと感じました。ゴミとして捨てられていたホタテの貝殻を建材に再利用したり、街中で拾ったゴミをタイルに埋め込んだり、身近な薬になる野草を調べてみたり。
日頃忙しくしていると自分のことばかり考えてしまうよう時もあるかと思います。しかし私たちは私だけで生きているわけではなく、その土地とそこに住む人達と一緒に過ごしています。お互いの配慮を忘れず、気持ちよく暮らしていけるように配慮して暮らしていかねばと改めて思いました。
展示のスケール感は地球クラスのもっと大きなものでしたが、結局は自分ができる範囲で捉え直すことが大事かなと思ってこんな感想になりました。
地道で小さなことの積み重ねが、大きなことにつながると信じて。

ちなみに、写真に書いてある白い球は、真珠の養殖に関するインスタレーションで、見た目の綺麗さとは真逆の怨念こもったおどろおどろしい内容でした。
詳細は真珠の養殖の方法を調べてみたり、展覧会に運んでみてください。最後の方のエリアにありました。

チケットは大学生料金が設定されているので、学生証提示でお安く観覧することができました。また、私が行ったタイミングでは、「ヒルズアプリ」経由でチケットを購入すれば入場料金が50%オフになるクーポンが配信されており、通常よりかなり優待されました。ありがてぇ…。
また、図録は通販でも売っているようです。森美術館は遠いけど展示は気になる方や、重い図録持って帰るの大変って人は嬉しいですね。


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