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ケサランパサランの正体を見つけてしまった : 独り言



幸運を運ぶと言う、
ケサランパサラン。


コンビニを出ると、
なんと目の前に飛んできたのです。

「え?」
と、思う間もなく、捕まえていました。

すると、
またもや目の前に。
勿論、反射的に捕まえていました。

そして数歩、歩くと、
ケサランパサランの方から、
空いていた手のひらに入って来たではありませんか。

どう言うこと?

私は
三つのふわふわを
熱視線で溶けるくらい見つめました。

私が今まで出会っていた
ケサランパサランと思われます。

じーーーーーっと、
見ると、
一つのケサランパサランにだげ、
中央に小さな種が一粒付いていました。
他の二つに種はありませんでした。

そうなのです。
ケサランパサランは、
タンポポの種と同じ仕組みだったのです。
違いは、ふわふわの沢山の綿毛に種は一つだけ。

そしてそのふわふわは、1ミリ位の白い繊維で、何とその1ミリの繊維には、さらに細い見えるか見えないかくらいの、綿毛がさらに付いていました。
細い細い綿毛は、少しの風にも乗ることができ、予想もできない動きをするのです。
見えるか見えないかの綿毛。
…カワイイ💖
タンポポの綿毛と同じと分かっても、僅かな空気の揺れで動くその動きが、妖精にしか思えないのです。


そして、
その綿毛の種子の主を探しましたが、
その時は、見当たりませんでした。
その時は、見つけられなかったのですが、数時間後、そのコンビニの裏手を歩くと、そこに主がいました。

ノアザミでした。


「君だったのか…。」
と、感慨深いものがありました。
全ての人に忘れられたように、
ノアザミは立っていました。
本当に、
いったい誰が、
そこにノアザミが生い茂っていることに
気付いたでしょう。
だからこそ、
刈られてしまうことなく、
ケサランパサランを飛ばすことが出来たとも言えますが。
まだまだ沢山のケサランパサランを
飛ばしそうな様子でした。

幽霊の 正体見たり 枯れ尾花

なんて言葉が、
頭の中をぐるぐるしました。
でも、
私にとってノアザミは
枯れ尾花ではなく、
さらに愛しい植物になりました。

トゲトゲと手折るには難しいけれど、
トゲトゲが必死で生きている感じがするし、
花のピンクは何とも可愛らしいし、
何と言ってもケサランパサランです。
可愛らしい花の後は、
無重力の妖精のような、
ケサランパサランを飛ばすのです。

3つも私の元にやって来たのは、
正体を知っても、
私が『愛しい植物』と思うのを
知っていたかのようです。

そう言えば…。

遠い、遠い昔。
霧ヶ峰の丘で見たノアザミも、
こんな時期に
鮮やかな花を咲かせていた気がします。
そうだね。
昴に帰りたいね。







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