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ミニマム臨死体験【2]



臨死体験…とか、言っちゃったけど、全然ご臨終な訳ではありません。

う〜ん。
そんな感じ?
…くらいのものです。

魂って、彷徨えちゃうの
…くらいのものと言うか。


入院して2日目になると、生体的に4次元で落ち着いてきた様で、魂の揺かごにないなくても、苦痛は大分減っていました。

でも、
目覚めても、
並行感覚が乏しいからなのか、
自分が天井に寝ている様な、
床が壁面にある様な、
上下が分からない感じがありました。

そして、

ふと思い浮かべると、
思い浮かべた先にいるんです。

私はウェブデザイン学校の合否が気になっており、自分の部屋を思い浮かべると自分の部屋にいました。
ただ、行くことは出来ても、封書を開封する事が出来なくて、結局合否の確認は出来ませんでした。

私は頭の中で、念力で開封できないかなぁ…と、封書を見つめ続けたのですが、無駄でした。

「私にそんな力はないもんね…。」

と、がっかり。

次に、植えた野菜が気になり、思い浮かべると畑にいました。

野菜たちは元気に育っていました。

「うん。よしよし。」

それから、
自分の場所に戻ろうと考えると、
何故かいつも、昼寝したら気持ちよさそうな日当たりのいい廊下に戻るのでした。
そこが何処なのかは、全く分かりません。
知らないけど、その廊下で日向ぼっこしながらお裁縫をしていました。

それは、
考えるだけで、時間も場所も関係なく瞬時に移動するんです。

だから、ふと意識が4次元に戻った時、
自分が何処にいるのか分からなくなるんです。

「あれ?
床が天井にあるけど、ここは何処?」

寝ている病室に戻っても、日当たりのいい廊下が自分の戻るべき場所に思えていて、自分がどうして病室にいるのかが分からなくなってしまうんです。
そして、さっきまでしていた、お裁縫セットをここに持ち帰れたらいいのにと思うのでした。

「そんなこと言ったら、看護師さんに頭がおかしいと思われる。私は今、入院中なんだ。」
と、自分に確認させていました。


そんな状態の中、私は誰かの所に行こうとは全く考えませんでした。
普通は、家族とか、仲の良い友達の所に行くのでしょうが、私の心には誰も住んでいないらしく、誰の所にも行くことはなかったのです。

そして恐らく、私が倒れたと知っても私を案じる人もいなかったのだろうと思うのです。
もし、案じる人がいたら、私はその人を訪ねたと思うのです。

そう思うと、私の人生はとても寂しい世界だった様にも思うのですが、それは、意外にどうでもいいことの様に思えました。

そんな寂しい状況に耐えられない方もいるのではないでしょうか?

でも、この世界、誰がいるから安心とか穏やかってない気がするんです。

言うなれば、自分という意識をキープすることの方が私には重要に思えました。



退院してから、木内鶴彦さんと言う、3度臨死体験をされた方を知ったのですが、
木内さんも、
「自分が何者かと言うのをキープしないと、他の意識と取り込まれてしまう。」
と、言っていたのです。
私の心に誰も住んでいなくても、
誰も私を思うことがなくても、
自分をキープ出来なければ、
他の意識体に取り込まれるのです。

結局は、一人の様で、一人ではないし、
一人をキープする方が生きると言う意味においては、大切なのではないかと思うのです。
自分という意識は、決して一人ではなく、意識の集合体の一部。

そう思うと、自分という意識でこの世に生まれて、自分という意識でこの世を楽しむと言うのは、とても大切だと思いませんか?


木内鶴彦さんは、
考えただけで、何処にでも移動出来ることに気付いて、過去や未来に行ったそうです。

私は、考えただけで移動出来るとは気付きましたが、過去や未来と言う発想はありませんでした。
日当たりのいい廊下がとても気に入り、他に興味を持つことはありませんでした。
何処にでも行けると知っていても、特に行きたい所もなかったのですが。


こんな事を書いても、
「はぁ?」
って感じでしょうか?


こんな共通の体験をする人がチラホラいることについて、私的には、バグの発生が増えているんじゃないか?…と、思うんです。

「はぁ?」
って、思われた方は、バグに気付いていないだけかも。
バグの発生が増えたと言うことは、どこがで何かしらの軌道修正があるかも知れません。

…とか、言ったら、世にも奇妙な物語的な、薄気味悪さがありますね。

とにかく、世界は変わり続ける。
それだけなんですよね。


木内鶴彦さんを調べてみたら、
レンズでの発電や、小さな村単位の生活、お金の不要性、それぞれの特性を活かして生きることなど、共通の考え方をしていて、とても驚きました。
もしかしたら、同じ世界を覗いたのかもしれないと思う程です。
勿論、私は足元にも及びませんが。
ただ、同じ発想の方がいて、現実的に動かれていると思うと、とても楽しみな気がします。
私がみたいなぁと、思う世界が見られるかもしれない。

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