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気持ち悪いと思うものに興味を持つサガ

「なんか、気持ち悪い」
と、思うものに惹かれてしまう。

「普通は、気持ち悪いって、引くよ。」
と、思う。

気持ち悪さの正体が知りたい…なのだと思っていたけど、
私自体が奇妙で気持ち悪い生き物なのかもしれない。
神様〜、それだけは許して〜〜〜。
気持ち悪いって、最悪じゃない?

…でも、もしそうなら、仕方ないか。


何年か前、
友達(仮に、ゴマ)
「Twitterで辻さんから、ツイート来たの〜💖 見て見て〜。」
と、スマホを見せてきた。
辻仁成? …なんか気持ち悪い。
と、思ったけど、
「わ〜、スゴイね〜。」
と、合わせるしかない。
そして、ゴマは、辻仁成の小説やブログやTwitterを、
事あるごとに、私に見せるようになった。

で、私もいつの間にか、
辻さんのTwitterなるもののフォロワーになっていた。

なんか、ヤッパリ気持ち悪い。

何がって?
顔?…かな〜?
雰囲気…それかな。
そんなの分からない。
私自身の気持ち悪い…自体の意味があってるのか?

ゴマは、小説が出るごとに貸してくれて、感想を求める。
小説、…なんか読んでてしっくりこない。
結果、そこに行っちゃうの?…と言う感じもして、
勝手に結末を考え出したりする。
素直な私は
「結末さ〜、……な、だったら面白いと思わない?」
と、言ってしまい、ゴマは分かって無いね!って、顔をする。

ゴマは握手会なんかも参加していた。
その日は、新品の洋服に身を包み、颯爽と握手会に出かけて行った。

その日の夕方。
ピンっと、Twitterの通知音が鳴って、
見ると辻さんのツイートだった。
読むと、握手会のツイートで、
興奮したファンが
「…。」と言ってきた。
と言うものだった。
興奮したファンとは、ゴマだ!
ゴマは空気も読まず、好きな人にそんなこと言うか?
…と言う事を、平気で言う。
でも、辻さんの対応が、面白くて、愛があった。

夜にゴマが戻って来ると、
「今日、辻さんとしゃべったの〜。」
と、興奮している。
「知ってるよ。」
「え〜、なんで〜。」
「Twitter載ってた。ゴマだってすぐ分かった。」
「だってさ〜。そう言っちゃうよね〜。」
…イヤ、フツー言わないだろ。
「でもさ、辻さんの返し、なんか愛があるよね。」
「そうなの〜!! 辻さん、いいよね。」
ゴマはずっと、一人で喋り続けた。
ハフ〜〜〜。

それから、辻さんのTwitterを見るようになった。
写真も琴線に触れて来るし、
言葉が優しい。
ブログ、スゴク面白い。
柔らかいのに、力強い。
それに、パリのことも知れたりする。

私の気持ち悪いは、時々、面白いものを連れて来る。
でも、時々だ。
気持ち悪い➕奇妙…は良いけど、
気持ち悪い➕闇が深い…はbadだ。

人が引き寄せられるって、キラキラだけじゃ無いのかもね。
気持ち悪いに惹かれる私は、
ヤッパリ気持ち悪いのかも知れない。
でも、気持ち悪いのその奥の、興味深い何かが、ヤッパリ魅力的な何かが、気になって仕方ないのだろう。

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