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UFOとの遭遇


その時住んでいた所は、とても坂が多くて、平地の奥には、高台の丘があって、丘の上に横一直線に住宅地が見えた。

丘の上の町は、直線で眺められるけど距離があって、ちょっとミニチュアの町みたいで、眺めていると飽きなかった。

その事を思い出したのは、
実家のリフォームを頼んだ、リフォーム会社の担当の人と話したからだった。

「僕、UFO見たことあるんですよ。
夕方、丘の上の町を見ていたら、
丘の上にいつもは見ない光があって、あんな所に信号とかあったかな?って、思って眺めていたら、光がビューって自分に向かって来たんです。」

「え? 
私も見た。私も、あんな所に信号ないのにって思って、ジッと見てたの。信号なら点滅するだろうと思って。
でもね、光は点灯したりしなくて、なんだろうな?って思ってたら、向こうもこっちを見てる感じがしたと思ったら、自分に向かって光があっという間にやって来て、光に包まれた感じが0.0000何秒あって、もう光は消えていた。なんか怖っって思った。
アレってUFOだよね〜?」

「そうです。そんな感じ。
思い出すと怖いんです。だから、あんまり話したくない。」

「怖い?
確かに見られてる感じがして怖かったけど。」

「思い出すの怖いから、この話しやめましょう。」

昔住んでいたその場所は、リフォーム会社と1、2キロしか離れていなくて、同じように高台の町を眺められる場所だった事を知った。
しかも見た時期も、震災の翌年の夏で同じような時期だった。

リフォーム会社との人が怖がるのも無視して、私は好奇心で話しを続けた。

「見たの、きっと一緒のUFOだよ〜。
いつも、UFO見たいって思ってたけど、ヤバイ!見つかったって感じで、怖かったんだよね。」

「ほんと怖かったんです。」

「え?
そんなに話すのが嫌な程?」

「出来たら思い出したくない。」

いつもUFO見たいと思っていたのに、私は念願叶って初遭遇出来たことをすっかり忘れていた。
きっと、リフォーム会社の人に出会わなければ、思い出す事もなかった気がする。
UFOとの遭遇の理想は、空を見上げて、「アレってUFOじゃない?」って眺めるのが良かったんだけど、現実は、リフォーム会社の人が恐れ慄くくらい怖かった。
スッゴク、見られてる感が強かったし、早すぎて抵抗なんて無理な感じだった。
光に包まれたのは、0.0000何秒に感じたけど、本当は宇宙時間で3年とか経っていたかも知れない。
リフォーム会社の人は、その3年の記憶があるとか?
大体が、リフォーム会社の人は、かなり年下だったけど、お互い初対面とは思えない気軽さがあって、結構親切にしてもらったりもした。同じUFOで過ごしていたのかも知れない。
リフォームの相談しながら、UFOの話しになるのも不思議だし。
…んな訳ないか?

何はともあれ、UFOとの遭遇が出来たことは、ヤッターと、思っている。
拐われなくてよかったけど。

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