楽園

この世界のどこかに
楽園があると探し続けていた

でも
楽園なんかどこにもなかったし
みんな辛そうな顔で生きていた

辛そうな顔で
何かを誤魔化すように一時しのぎの気晴らしをして
あるいは何かを誤魔化すための代償行為

辛そうな顔で生きるのが当たり前？

この世界に楽園なんか存在しないのか？

「違う　ちがう」

心の声が言う

「違う　チガウ」
「ちがう　違う」

いったい何が違うのか？

辛そうな顔の人を眺めていたら気付いた事がある

楽園なんか誰も求めていなかった

それは自分の姿で
楽園を探しているフリはしていたけれど
楽園を求めるなんて愚かだと思っていた
辛い顔で
誤魔化しながら生きるしかないって思っていた

心の声が言う
「そっちじゃない」
って

何度つまずいて
私はその声に気付けたんだろう？

何度つまずいたっていいじゃない
今　気付いたんだもの
ようやく一歩前に進める
一歩一歩進めばいい
私は前に進みたい

気が遠くなるほど遠いかもしれないけど
そのうち楽園にたどり着く