赤月ゆにを名乗る吸血鬼の考察

フロッピーディスクが生き残ったワケ

最初にちょっと、赤月ゆにとは関係のない話をする。

あなたのPCにもインストールされているであろう文書作成ソフト、あるいは表計算ソフトや動画編集ソフト。
その保存ボタンに記されているシンボルは多分、フロッピーディスクのはずだ。

何故フロッピーディスクなのか?
答えは簡単、コンピューター黎明期に開発され、その後世界に広く普及した記録媒体だからだ。
その後に登場したCDやDVD、フラッシュドライブの方が記憶容量・読み込み速度共に秀でているのに、シンボルがフロッピーディスクから変わらないのは、最初に普及したから。

だが、フロッピーディスクが活躍したのは2000年台後半まで。
今や、過去の遺物だ。
今の小学生や中学生にフロッピーディスクを見せても、大半はそれが何なのか解らないだろう。
しかし、彼らは『ソレ』が保存ボタンのシンボルであることは知っているはずだ。

私が思うに『赤月ゆに』を名乗る人物は、フロッピーディスクが現実世界で起こしたこの現象を、『赤月ゆに』としてインターネットで起こしたいのではないのだろうか。

ゆにはインターネットの20年後を見ている

彼女曰く我々視聴者は彼女の眷族であり、彼女のミームを拡散する媒体であるらしい。

上記動画では、吸血鬼がインターネットを通してどのように眷族を増やしていくのかが語られる。(眷族必見の内容なので、見てない眷族は見ようね)

その中で、以下のような言葉がある。

情報は忘れられなければ生存、人に伝われば繁殖になる
(上記動画 6:17~)

先程述べたフロッピーディスクは、このミームを拡散するという点において大成功した例だろう。
記録媒体として生まれたフロッピーディスクは保存のシンボルとして姿を変え、このシンボルは今後別の何かに置き換わることはないはずだ。
人類が電子機器を扱い続ける最後の日まで、消えることは無いはず。
その日が一体いつやってくるのか今の人類の科学力では解らないけど、少なくとも30年とか50年という近い将来ではないのは確実だ。(吸血鬼の時間間隔で言えばすぐなのかもしれないが)
フロッピーディスクはその日まで、ミームを拡散し続ける。

解説のシンボル?

翻って赤月ゆにの場合。

2018年のインターネットにてその存在を顕にした彼女は、スマートになれる情報を発信しちやほやされる事を目的としている。
その一環として毎日『今日は何の日』の動画を投稿し、毎週一回ラジオで視聴者からの質問や感想に答えている。

言い換えれば、彼女は毎日視聴者に知識を与えている。
いや知識と言うには語弊があるな、強いて言うなら『語り直し』か‥‥‥?
という内容は前回私が投稿したnoteに書いてあるのだが、この『語り直し』という文化、どこかで見覚えのある眷族諸氏はいないだろうか。

個人的には、この文化はニコニコ動画等において近年増えてきている『ゆっくり解説』に似たものを感じる。
代表的なものとしては、SCP解説だろうか。
SCPの微妙に難解かつ、大量にあるSCPの内動画製作者の好みの物をチョイスできるという点(加えてコメントで反応が分かりやすいという点)が『ゆっくり解説』という文化にピタリと合致したのだろう。
難解な何かしらを噛み砕き、分かりやすい様に再構成し、動画という形で視聴者に教える。
SofTalkやVOICEROIDの合成音声がゆに様の麗しい御声に変わっただけで、やっている内容はそれほど変わっていない。
いや、『語り直し』と平行して(バーチャル)Youtuberとしても活動している所が彼女のすごい所なのだが。

ともあれ、この『語り直し』を行いつつミームを拡散する姿勢は、素直に関心する他ない。
赤月ゆにが『語り直し』のパイオニアを目指しているのか、はたまた私が勝手に合点しているだけなのかどうかは分からないが。

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