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お笑いライブって「同じ」じゃない


「今日もまたお笑い?」

休みの日、陽も落ちてからお笑いライブに出かける私に、いつも家族が声をかける。

家族は、お笑いを見ない。
テレビ番組でも見ないし、ライブにも行かない。
騒がしいのも、叫んでいるのも、痛そうなのも嫌いで、お笑いは全く分からないらしい。

一方、テレビドラマや映画は好きらしく、ドラマに出ている芸人さんは顔と名前を知っていて、「このドラマに出てる〇〇さんって芸人なんだって?」と把握していたり。

いそいそと日々お笑いライブに行く私を、家族はどこか不思議そうに見てくる。

「また同じ人なの?」
「今日は何のライブだったの?」
「えっ?明日も行くの?」

多少の質問を投げかけてはくれるけど、私が説明しても、ふーん…と興味なさそう。


家族からすると「同じ」お笑いライブを何回も何度も、日をあけずして観に行くのが、あまり理解できていない様子。



「お笑いライブ」って一括りに言っても、いろんな内容がある。

ネタ、コーナー、トーク、大喜利……
ネタとコーナー、ネタとトークなどの組み合わせ

あとは、ポテトサラダ食べたり、歌ったり踊ったり、演劇したり、謎解きしたり、けん玉したり、大縄跳びしたり……

漫才とは?コントとは?と言う前に、お笑いとは一体何なのか。色々なライブを見るたびに、分からなくなる。面白くて楽しかったら、お笑いなんだろうな、多分。


昨日見たのはネタだけのライブだったけど、今日はコーナー企画で、公演内容が違うんだよ、と家族に説明してみたり。


「コーナーって何?」って訊かれると、説明に悩む。
私も観始めた時は何だろうって思っていたし、いまだに何だろうって一言で説明しずらい。
大喜利、クイズ、物ボケ、ジェンガ、大縄跳び、けん玉、即興劇……ネタ以外の何かそういうミニゲーム的なのをやってるのを観る時間。

「同じ芸人さんを見に行って、同じネタ?」
とも訊かれる。

同じこともあるよというと、そんなに何度も見て飽きないのかって、少し呆れたように言われる。
同じでも、少しずつ変わっている事が多いし、衣装やセリフや、出演者の組み合わせや会場でも変化するし、ライブの良さで全く同じことはないから、何度観ても面白いよって答える。


それでも、ふーん…と興味なさそう。
家族の会話の話題として一応訊いてくれてるんだなと、こちらも簡単に今日も楽しかったよと返す。


ユニットコントとか、コント師の演劇とか、それは普通の演劇と何が違うの?とかも訊かれるが、それは私も分からない。

きっと何回話しても、家族からしたら
「同じ」芸人さんの「同じ」お笑いライブに行ってることになってるんだろうな。

私も知らないジャンルのことは全然分からないし、お笑いも、最初は漫才とコントの区別もつかなかった。
だんだんと公演を見ていくうちに、これが解像度が上がるって言うことなのか、遠くからは「同じ」に見えていたものが、色々と違うものだと知った。
いまだに分からないことも多いし、きちんと理解してるかは怪しいけれど。


同じお笑いだけど、たくさんの違うお笑いライブ。

「今日もまた?」なんて言われながらも、
色々なお笑いライブ、楽しんで行きたい。

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