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宙に浮いた、初めてのファンレター (と、その後)


生まれて初めて、
ファンレターを書いた。

今年になって、舞台やライブに行っている。
なぜ今、とも思うが、
こんな時だから、生の現実での刹那的な繋がりを求めているのかもしれない。
その時にしかない、二度と同じものはない、変化する出会いだ。

いくつか行ったうちの一つ。
その人にとても感動して、勢いで、
初めて書いたファンレター。
大好きです、応援していますって
伝えたくて。


便箋と封筒は何がいいかと悩んで買って、
メモ帳に下書きして、推敲して、
上手くもない字で書いた。
封筒に住所も書いて、あとは投函するだけ。

でも、出せない。

事務所がコロナ対策で、ファンレターを含む全ての贈り物の受け取りを中止していたから。
もしかしたら郵送ならOKなのかも知れないが、検索してみてもよく分からない。
直接問い合わせすればいいのかもしれないが、気後れする。

この気持ちのやり場を、
どうしたらいいのだろう。


私はSNSに疎い。
noteを初めてはみたが、Twitterアカウントは持っていない。
インスタはあるが見る専の鍵アカで、
直接ご本人にDMを送ってみても、きっといたずらかスパムに見えてしまうだろう。

ファンレターを送りたいなんて、
所詮、私のエゴでしかないのだけれど、
読んでくれるかどうかも分からないのだけど、
送れないまま手元に残って、余計に気持ちが宙に浮いてしまったように感じる。

また事務所が受付再開したら、
送ってみようか。
いつになるか分からないから、
書いた時から時間が経った言葉になってしまう。

私の好きな漫画に、こんな言葉が出てくる。

そうそう 
言いたいことも 聞きたいことも
すぐに言葉にした方がいい
言葉は時が経つほどに熟れていくが
色を失っていくものでもある から ね
ヤマザキコレ著『魔法使いの嫁』493


熟れた言葉。色を失う言葉。
熟れた果実は美味しいが、熟れすぎたあとは土に還っていく。

熟れたファンレターは、美味しいんだろうか。
熟れすぎた時は、いったいどこに還っていくんだろう。

行き場のない気持ちは、どこにいくのか。

もう、いい年なのに、
まるで思春期みたいな考え方をする。

宙に浮いた、ファンレター

今の気持ちごと、
宙に消えてしまいそうで、
なんだか怖いと思ってしまった





※その後……
このnoteの下書きを書いたあと、
やっぱり、この気持ちを
言葉に色があるうちに伝えたいと、
ご本人のインスタにDMを送った。

上の文と完全に矛盾してる。
いつも私はこんなふうに矛盾ばかりだ。

そもそも誰かにDM送るの自体初めてで、
すごく緊張した。
「インスタ DM 送り方」で検索をした。
賛否あるだろうし、迷惑じゃないかと気が気じゃなかった。
でも、やらずに後悔するよりは、と。
完全にエゴでしかない。

長すぎると引かれるかと思い、ファンレターの下書きをかなり削って、スマホ1画面分くらいに短くした。

フォローして日も浅いのに、
既読していいねをつけてくださった。
DMなんて山ほどくるだろうに、ほんとに優しい方だと思う。

お名前は記事に書けないけれど、
ここでもお礼を書いておきたい。

本当にありがとうございました。

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