【2019.08.31リンク追加】同人誌の頒布と販売

※予め。以下の文章は全て個人の見解で個人の意見です。(当方、小説を書くので、自費出版などの『本』を意識した文章になってしまっています。グッズ等をメインで取り扱っている方は脳内で置き換えてお読みください)

※2019.08.31→簡潔にまとめた同人の定義は今多く使われているものなので、補足や自分の考えを書きたくて別途noteにまとめたのでリンク追加。それに合わせた一文の追加。

※2019.08.26→同人の定義などを語り合う機会があり、認識違い及び記述の不足に気づいたため、訂正及び補足などを加筆修正いたしました。下部にざっくりとした修正点を記載しておりますが、8月26日14時以降に記事を読む人は読まなくて大丈夫です。混乱しかねないからスルー推奨です。

※以前の記事を読まれた方、大分文章が変わってしまい、申し訳ありません。また、お気を悪くされた方、大変申し訳ありませんでした。お手数をおかけいたしますが、宜しければ今一度読み直していただけましたら幸いです。

頒布の定義としては『無償有償問わず、品物や資料などを広く配る(配って広く行き渡らせる)こと』であり、二次創作でもオリジナル創作でも『頒布』を使うことは【間違いではない】ということを前提で話をします。

あと、今はオリジナル創作しかやっていないけど、私自身、二次創作も好きだし、決して二次創作を批判したいわけではありません。


まず、はじめに。

何故、同人誌を『頒布する』というのか。
それは、元々の同人誌が同士達が各自で本を作って交換していたが、読みたい人(書いていない人)にも渡せるように『頒布』していたのが始まりで、利益を得る意志がなかった(弱かった)ため、『同人誌を頒布』と言われ続けてきたのだと思われます。

同人の定義について簡潔にまとめると。

・一人でも同人サークルと言う。(個人サークルとも)
・商業誌以外は二次創作でも一次創作でも『同人誌』
・同人世界は【非営利】

この辺のことは、別でnoteに書きました。

以降は、今多く使われている定義(簡潔にまとめた)方で進めます。

頒布と販売でどうこう言う前に『二次創作とオリジナル創作をごっちゃにしていないか?』

まずは、オリジナル創作作品と二次創作作品の販売について

『二次創作物を利益を得るために販売することは認められるか?』

答えは【否】

厳密には著作権法違反なのだから、利益を得る行為は表立っては認められない。
なので、これからも『頒布』として権利者に配慮しつつ活動をした方が良いと思います。

続けられなくなる値段設定は「ダメ、ゼッタイ」だけど、原価が安く結果的に利益が出たとして、多少のお小遣いレベルは黙認されるかもだけど、著作権法違反なので、あまりにも利益が大きいと権利者から訴えられるリスクはあるので気をつけて。(黙認してもらっているので活動できているのだから、二次創作をやって利益を得る以上、利益は少なくても訴えられるリスクはあります)

『オリジナル創作物を利益を得るために販売することは認められるか?』

答えは【可】

勿論、著作権違反をしない範囲で作ったものに限るけれど、少なくとも権利者は自身である以上、利益を得る行為は何も問題がない。利益が大きいと税金がかかるよってことくらい。

次に、オリジナル創作作品と二次創作作品の頒布について。

『二次創作物を利益を得るためではないのに何故頒布するのか?』

繰り返しになるが、頒布とは「無償有償問わず、品物や資料などを広く配る(配って広く行き渡らせる)こと」であり、二次創作物に関しては「原作を沢山の人に知ってもらうため」が目的なはず。

目的が頒布の意味に合っているのと、前述にあるように著作権法の事情により、二次創作に関しては『販売』ではなく『頒布』が正しいと言えます。

さて、肝心のオリジナル創作についてですが……。

オリジナル創作物を「頒布する」と言うともやもやしてしまう最大の理由がここにあります。

【オリジナル創作物を何故『有料で頒布する』のか?】

広く知ってほしいなら、それこそ無料のペーパーを配布(頒布)した方が効果的です。
有償で頒布することで、手に取ってもらえるターゲットを減らすメリットは特にないはず。

では、有償で頒布する目的は?

『好きなことを広めるために作っていたらペーパーじゃ足りないし、本にするという憧れもあるから、同人誌を作り、材料費を得て今後も活動を続けていきたい』のは二次創作と共通だと思います。材料費がほとんどで利益も出ないサークルさんも、材料費がすごく安くて利益が出るサークルさんも二次創作と同じようにいると思います。
ただ、オリジナル創作は『僅かながらでも利益を得て作品を認められた達成感を味わいたい』という気持ちが二次創作よりも強いのではないでしょうか?

願わくばプロとして活動をしたい人もいると思います。そのためには、最低限、オリジナル創作作品で我が身の生活を維持しないといけないので、なおさら利益は欲しいのではないだろうか。

さて。
ここまで読むと、目的が頒布の意味とはかけ離れていっている事に気づきませんか?

オリジナル創作を『頒布する』という表現は、広く配ることが目的であるなら『間違いではない』が、『利益を得て糧にするため』なら適切ではない。

認識違いに気づく前は、【個人的に、周りの意見を気にせず『自費出版として販売する』と言った方が、自分も周りもスッキリするんじゃないかなぁ】と思っていました。
認識違いに気づけた今は、【少しでも『プロになりたい』という気持ちを持っている場合に限り、『頒布ではなく、自費出版として販売する』と言った方が、自分も周りもスッキリするんじゃないかなぁ】と思います。(※個人的な考えです)

※そもそも『頒布する』のが目的なら『売れなかった』ではなく『減らなかった』が適切なんだから、『売れなかった』時点で、意識は『販売する』となっているはずです。

『販売する』という意識があるとわかったなら『販売の方法』を調べた方が良いと気づくと思います。

【2019.08.25追記】ただし、同人の世界の場合は『販売』ではなく『頒布』となります。

さて。前述した内容は間違いではないのですが、実は、同人世界においては適切ではないんです。

同人世界には様々な人がいます。

(1)趣味で活動しているので利益を度外視している人(利益が出てもお小遣いレベル)
(2)プロでやっていきたいけど、プロでやる前にアマチュアで腕を磨きたい人
(3)プロだけど、同人で楽しみたい人
(4)人気のあるサークルで部数が沢山あって、単価が安い故に生活できるくらいに稼いでいる人
(5)手作り製本で材料費が安く、結果としてお小遣いレベルでも利益が出る人
(6)グッズ販売(ハンドメイドやポストカード)がメインの人
(7)趣味で自費出版をしている人

他にもいると思います。
みんなが楽しめれば良いと思うし、何かを言うのは間違っているけれど、同人誌の成り立ちが『頒布』から始まっている以上、自費出版だとしても同人世界では『販売』ではなく『頒布』となります。

近年、作者と出版社とのトラブル増加等で、出版社を通さない『自費出版で生計を立てる』ルートで生計を立てる人が出てきたためにややこしくなっているのですが、【同人世界の中では、『結果として利益が出ている』ってだけ】なんです。

わかりやすく言うなら、要は【営利】【非営利】かということ。

商業は【営利】
同人は【非営利】
なので、同人世界で物を売る以上、【非営利】となります。

【2019.08.25追記】「じゃあ、営利にならないように価格を下げるのか?」ということではありません。

【利益が出ているのは悪くはない】です。
なので、『価格を下げることで他のサークルの価値を下げてしまう』ことはしないでください。

売れるなら売れたでいいじゃないですか。
お小遣いだよ、やったね!
でも、所得税の対象になったら、ちゃんと払おうね。

そもそも、営利なのか非営利なのかを迷う前に。

自分が何のために同人世界にいるのか、考えれば自ずとわかります。

★『いつかプロになりたい』『プロを目指す』人
 → プロ(自費出版または出版社から出版する)を目指すためにしなければいけないことが沢山あります。同人世界では交流を楽しむ、自分の推しや好きなものを訴える場として活用し、営利を目指すために別な場所でも活動した方が良いです。

今はKindleなど電子書籍も利用者が増えていますし、Amazonマーケットなどで自分で登録して販売してもいいですし、出版社に持ち込んだり賞に応募したり、やることは沢山あると思います。

★趣味として同人世界で楽しく続けていきたい人
 → ここで間違っちゃいけない。『楽しんで続ける』ことから意識を逸らしちゃいけない。
販売することに固執すると続けられなくなってしまう。

もちろん売れてほしいとは思います。でも、売れるよりも大切な『楽しんで続ける』ことを忘れてはいけません。

※売れるために作品の質を上げるため、売る方法について改善を試みるなどの向上心自体は良いもののはずなので、これからもお互いに頑張っていこうね!

【2019.08.25追記】「販売」「購入」「再販」「完売」「売れた」「商品」等の言葉は不適切ではあるが……

同人世界自体が明確に線引きを避けているというか、白黒をつけずに【暗黙の了解】で成り立ってきたというか……。

※『再度頒布する』『同人誌を受け取る』『全部受け取ってもらった』が言葉として正しくても、なんとなく言いにくいよねぇ。

あと、通販って最初、通販サービスじゃなくて自宅通販が主流だったんですよ。
あの有名な通販サービス『BOOTH』も比較的最近(2013年12月から)スタートしたみたいですし……。

※記事参照
https://www.pixiv.co.jp/news/information/article/6568/

色々進化して便利になってきましたが、同人イベント以外でもやり取りできるようになり、自費出版に近い形となったために『頒布』ではなく『販売』と使われるようになった結果、同人世界なのに『販売』という【営利】の言葉や『ショップ』という概念が絡んで、ややこしいことになってしまっています。

正直なところ「販売」「購入」「再販」「完売」「売れた」「商品」等の言葉は同人イベントでは不適切ではあっても間違いではないです。
そもそもちゃんとしたガイドラインがあるわけでもないですし。
あるなら教えてください。訂正します。

ややこしいのが嫌いな人は自分でスッキリする言い回しを同人イベント用に考えても良いかもしれませんが、オススメはしません。
矛盾とか気になって夜も寝れなくなっちゃう。言葉は適切に使いたいけど、誰も幸せにならないので、不適切な表現はあまり気にしないでおこう?

【2019.08.25追記】同人イベントって本来、もっと敷居が低いもののはずじゃ……?

私自身が認識違いをしてしまった要因の一つが、同人イベントの敷居が参加当時(2000年代前半)よりも高くなっているからです。

実のところ、私自身、同人世界に復帰したのが1年前くらいで、ブランクがかなりあり、更にはサークル参加経験はゼロと、同人世界にはあまり詳しくなかったようなものだったのです。

それでも、近年の同人誌のクオリティはかなり高くなっており、物によっては商業誌と遜色がないものも多々見受けられるようになったなとは感じています。
【同人イベントのサークル参加者に求められているレベルが年々高くなっている】とサークル参加者が無意識レベルで勘違いしていたとしても、おかしくはないと思います。

なので、同人誌の成り立ちは調べたものの、「今の同人世界において、商業誌と同じで利益も出るオリジナル創作なら同人誌ではなく個人出版なのでは?」と認識違いをしてしまったのです。認識違いが早い段階で正されて本当に良かったです。
認識違いを正す機会が得られたことに、すごく感謝をしています。

個人的には、同人世界には同人世界の面白さがあるので、今まで通り【非営利】で良いと思っています。
ただ、【非営利】で『クオリティレベルを問わずで自分の好きなものを語り合う』イベントはもっと増えて欲しいと切に願っています。

あと、「【営利】の販売会イベントが少ないから【非営利】の同人イベントに流れてきた結果、同人イベントの敷居が年々高くなっているのでは……?」と思ったのですが、どうなんでしょう?

私の考えが間違っていたとしても、『【営利】の販売会イベント(自費出版)』自体はもっと増えたら楽しくなるのになと思います。

最後に

私を含めて、皆さんが楽しい創作活動を送れることを切に願っています。

変更点

認識違い及び文章が足りていないことに気づいたので以下の点を訂正及び加筆修正させていただきました。気づけた機会が得られたことに感謝いたします。

認識違い1

誤)何故、同人誌を『販売する』ではなく『頒布する』というようになったか。

正)本文中に記載の通りです。

認識違い2

誤)元々の同人誌が『同士達がお金を出し合って本を作って』出していて

正)本文中に記載の通りです。

認識違い3

誤)近代の同人誌が『同人誌=二次創作(厳密には著作権違反)という意識が強かった』から、『販売する』という表現の使用が憚られたためだと思われます。

正)本文中に記載の通りです。

認識違い4

誤)近年は、一人でも同人サークルと言うし、一人で出しても同人誌と言うが、定義としては同人誌ではなく『個人で出す自費出版』となる。二次創作なら『個人で出す個人誌』だ。(太文字)

こうして考えるなら、この後の本題なんて触れなくても済むだろうに……。

正)本文中に記載の通りです。

追記
★【2019.08.25追記】ただし、同人の世界の場合は『販売』ではなく『頒布』となります。

★【2019.08.25追記】「じゃあ、営利にならないように価格を下げるのか?」ということではありません。

★【2019.08.25追記】「販売」「購入」「再販」「完売」「売れた」「商品」等の言葉は不適切ではあるが……

★【2019.08.25追記】同人イベントって本来、もっと敷居が低いもののはずじゃ……?

★最後に(見出しだけ追加)

加筆及び修正

※新文章(修正内容)は本文を参照。

【旧文章1】
※重複文章を見つけたので一緒に直しました。(重複文章は削除)

そのため、これからは、材料費等の経費を元に値段をつけて頒布することをオススメします。続けられなくなる値段設定は……ダメ、ゼッタイ。

ただ、多少のお小遣いレベルは黙認されるかもだけど、あくまで著作権法違反なので、利益として得るような価格設定は控えた方が良さそう。

【旧文章2】

【オリジナル創作物を何故『頒布する』のか?】(太文字)

広く知ってほしいなら、それこそ無料のペーパーを配布(頒布)した方が効果的です。
有償で頒布することで、手に取ってもらえるターゲットを減らすメリットは特にないはず。

では、有償で頒布する目的は?(太文字)

材料費を得て今後も活動を続けていきたいのは二次創作と共通だとしても、(太文字ここから)オリジナル創作は『僅かながらでも利益を得て作品を認められた達成感を味わいたい』という気持ちが強い(太文字ここまで)のではないか?

願わくばプロとして活動をしたい人もいるだろう。そのためには、最低限、我が身の生活は維持しないといけないので、利益は欲しいのではないだろうか。

さて。
ここで目的が既に頒布の意味とはかけ離れているのにお気づきだろうか?

【旧文章3】

周りの意見を気にせず『自費出版として販売する』と言った方が、自分も周りもスッキリするんじゃないかなぁと個人的には思っています。

【旧文章4】
趣味で続けたい人は、ここで間違っちゃいけない。(太文字ここから)『楽しんで続ける』ことから意識を逸らしちゃいけない。(太文字ここまで)
販売することに固執すると続けられなくなってしまう。

もちろん売れてほしい。でも、大切な『楽しんで続ける』ことを忘れてはいけないんです。

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