【初めての文学フリマ出店者必見!】マーケティングの視点から見る文学フリマの売り方・出店ポイントまとめ(失敗経験談あり)

割引あり

この記事は、本業の仕事(別名義で活動しているWebサイトの改修・改善がメインの個人事業主)でWebマーケティングに関わる弓月キリ(サークル名:月夜のよろず屋)が、初めて文学フリマ札幌9に初めて出店したときに感じた体験談とマーケティングの視点で感じたこと、「あのとき、こうしたらよかった」と感じたことをまとめたものとなっています。

Webマーケティングは仕事で関わっていることもあり、マーケティングの視点で見た内容の無料公開はノウハウ部分にあたるために難しいと判断したことと、参考になると思ったために赤裸々に体験談を書いたため、有料コンテンツとなっておりますが、読んで後悔はさせないくらいにコンテンツを作り込みましたので、よろしければ、「読み物」としても読んでいただけたら嬉しく思います。

【はじめに】月夜のよろず屋のイベント参加歴について簡単に

文学フリマ札幌は、テレビ塔で開催したときに一度だけ一般参加(一般の来場者)で行ったことがある程度です。
いつもは、札幌の創作イベント「れみのそうさくむら」に参加しております。

今回、文学フリマ札幌9では、「ライトノベル」のカテゴリーで出店していました。

月夜のよろず屋のブース設営イメージ

次の画像は、月夜のよろず屋の文学フリマ札幌9のブース設営完了時の写真(Xで投稿したときのもの)です。
何度かイベントに参加して「立体的に見せた方が良い」と判断して以降、種類が多いときは、このようにしています。(種類が少ないときはポスターはそのままに本自体は平積みにしています)

なお、写真にある「無配のお品書き」と「無配ペーパー」については、後述の事情(有料コンテンツ内で触れています)により、真似することを推奨しませんので、この写真が正解というわけではないことをご留意いただけましたら幸いです。

写真の中央と左右は、出品した本と、あらすじカード・あらすじポスター、写真の左下は無配のお品書きとペーパー、右下はサークルポスター(小)です。右下は席を外すときは「席を外しています。30分くらいで戻ってきます」のようなポスターを用意して差し替えています。

月夜のよろず屋の文学フリマ札幌9の結果はどうだったのか?(ここに書いているということは成功したんでしょ?)

結論から話しますと「成功していたとしたら、コンテンツとして書いたり販売することはありません」

もしかしたら、ここぞとばかりにノウハウを有料コンテンツで販売していた可能性はなくはないのですが、「自分にとって当たり前にやっていること」だと判断していたら、ネタとして出てこないんじゃないかなと思います。質と量が伴っていない可能性か、「真似しても成功していないか」のどちらかではないでしょうか。

そもそも、Xのフォロワー数も差があったり、カクヨム等のPV数も差があったりしていそうです。(弓月キリ自身、カクヨムに投稿している作品自体はありますが、企画モノが多く、これといってメインになる作品は置いていません。Xのフォロワー数も文学フリマ札幌9参加時点で100人いるかどうかでした。

というわけで、
今回、初心者だったことと状況的に不利な状況だった(印刷・製本代が想定外にかかった、カテゴリー設定を間違えた)ことを考慮するなら「成功した」と言えると思いますし、ぼく自身そう思っていますが、実際のところは大失敗です。反省点だらけです。

そして、収支に関する失敗については今回の内容と一切関係ありませんので、一番最後におまけとして載せておきます。リアルな友人やそれなりに長い付き合いのある創作仲間以外で赤裸々に語るのは流石にご勘弁いただけたら大変有難く存じます。

どうしても無料である程度の情報を知りたい人は、はてなブログで反省会付きのサークル参加レポを書いているので、そちらをご覧ください。

どうしてこれを公開しようと思ったのか

何回か経験して、自分でも反省会をして繰り返して成功経験を積んでいくものかもしれませんが、マーケティングの要素を作り手が考えることができるのかというと難しいと感じています。
仕事で「客観的に」いろんな方を見てきても、「自分のこと」となると分からなくなるように。また、「売り手」と「作り手」の思考が同じになることも難しいと感じています。

イベントに出店するだけでも、沢山の労力と費用をかけています。
だから、作品に集中できるように、イベントに出店して、マーケティング、「売る」部分で失敗して作ることを諦めなくてもいいように、作品のクオリティの向上に全力を注げるように、書いて公開しようと思いました。

正直な話をすると、今回で、ぼく自身、イベント参加の継続危機を迎えております。このような大打撃を何回か受けたら、本気で続けられなくなってしまうので、自身への備忘録も兼ねて書き記しておきたいと思いました。

冒頭でも記載しましたが、有料記事としたのは、無料じゃ公開できない、仕事のノウハウが含まれていることと赤裸々に体験談を語っているからなのですが、有料部分に参考になりそうな情報をいっぱいまとめて載せていますので、参考になりましたら幸いです。


以降、本編です。
途中までは無料でも読めます。


月夜のよろず屋の反省点を踏まえながら、出店ポイントをまとめていきましょう。【失敗経験談を含む】

以下に、出店のポイントをまとめました。
月夜のよろず屋の今回の反省点を踏まえながらまとめたものになっていますので、参考になりましたら幸いです。

1.どんな結果でも心が折れない心構えをする(売れるの? 売れないの?)

結論から言うと、初心者は「売れない」ことがほとんどです。
(プラットフォームですごい人数のファンがついていたり、既にSNSのフォロワー数がえげつない程多い、すごいレベルの初心者が中に入るかもしれないけど)
更に、「売れないから」と少部数で本を作った場合、印刷代と製本代って高いんですよね。
そのため、高い出店料を払っても黒字になることはほとんどないといっても過言ではないと思っています。

そのため、1冊も売れなかったとしても心が折れないような心構えは大切だと考えます。

余談ですが、イベントのサークル参加自体がほぼ初だった月夜のよろず屋のイベントでの購入数は確か1~2冊だったはずです。
それなのに、どうして文学フリマで「全部は無理でも、半分くらい売れるかも」って思ったのか。冷静に考えてみると失敗だらけだったのに。(言い訳をするなら、想定外の印刷・製本代の高さで経費がふくらんでしまって、どう転んでも大赤字を避けられないから、気持ち的に焦っていたんだと思います。イベント中間くらいで少し売れてから、やっと冷静になりました。人間なので、仕方ないね)



2.部数はどれくらい持っていけばいいの?

今回、総販売数は8冊(6種類持っていきました)でした。
1冊あたりの販売数は1~2冊だったので、種類が少ない場合でも10部あると事足ります。
年内、別のイベントにも参加するなら、15部くらいでもいいかもしれません。

文学フリマでどのような結果になるのかの予想がうまく立てられずに、SNS(X)でアンケートを取ったときも「15部」という回答でしたが、結果を見ると、それぞれの作品で5部ずつでも事足りた(文学フリマ以降もイベントに参加するので、考慮するなら見本誌含めて10部でしょうか)ので、成功体験を身に着けるためにも、3種類以上なら「1種類5部」、3種類未満であれば「1種類10部」を推奨したいと個人的には考えています。

そして、今回月夜のよろず屋は、「2024年制作の作品と自分の中でかなり気に入っている2023年の作品を15部ずつ、それ以外は12部ずつ(一作品だけ結果的に13部になった)」を用意して持っていきましたが、まさかの13部だったものは1冊も売れずという結果に終わりました。2024年制作の作品はともかく、あとは次のイベントか通販にかけるしかないんですけど……。
というわけで、大量の在庫を抱えることはないので、全力で頑張っても報われないので、最初は赤字でも成功体験を得るための少部数を本当にオススメします……。(売り切れたら、次回から部数を増やせばいいのです……)



3.一人サークルで出店しても大丈夫?

「大丈夫」とも言えるし「大丈夫じゃない」とも言えます。
出店料は5000円程かかります。
この金額を高いと見るか安いと見るかではないでしょうか。
二人以上のサークルだと、出店料も割り勘ができるので、一人あたりの費用負担が軽減されます。
また、文学フリマ以外にも創作イベントに参加する場合は、その分のイベント参加費も加算されていく上に本を用意する経費もかかるため、収入と支出のバランスが合わないのなら、辛いと感じてしまうかもしれません。

何度か参加する度に年に一度5,000円+いろいろ……「売り上げはあったら嬉しいけど、趣味だから赤字だとしても気にしない」場合は、一人サークルで出店しても問題ないのかなと思います。

もし、一人サークルで頑張るけど予算が限られているのなら、プラットフォーム等で地元のファン(フォロワー)を増やしてから出店することをオススメします。手間はかかるけど無料でできますし。



4.敷布は重要(失敗体験談なし)

可能であれば、100円ショップで買ったものではなく、それ用の布をお店か通販で買うことをオススメします。
そこまで高くはありませんし、長く使い続けられるのと、サークルカラーのような印象付け、見た目が良くなることから、オススメします。



5.イベントの荷造りも重要(失敗体験談なし)

準備をしっかりとしておくと当日臨機応変に対応できますし、困ったことにはなりにくいので、荷造りのときに下記を忘れないようにしましょう。
文学フリマでは前日に「持っていくと便利なもの・忘れないでほしいもの」がまとめられた案内メールが届くので、一読しておくと良いでしょう。

(1)イベント運営からもらった入場証と案内が書かれた紙など
→封筒ごと持ってくれば良いと思う。当日慌てないように、切り離しておくものは切り離しておきましょう。あとは大体「よくあるご質問(Q&A)」に書いています。一読しておきましょう。

(2)出品する本などの作品

(3)文房具(メモ用紙・白い紙、ボールペン、はさみ、テープ類)

(4)おつり、おつりケース
→前日までに十分なお釣りを確保しておきましょう。
初心者は1000円は10~20枚、500円数枚、100円20~30枚があると安心です。(めちゃくちゃ人気な人がどれくらい確保しているのかは聞いたことがないので知らない)
50円と10円の枚数は販売価格によります。端数があるなら20枚前後でしょうか。

(5)値札、POP、ポスターなど
→月夜のよろず屋は、あらすじカードとあらすじポスターを用意していました。これは、以前イベントで見本誌をあまり読まれることがなかったために、簡単なあらすじを分かるように作ったときに効果を感じたので、以降のイベントでは余程のことがない限り必ず用意しているものになります。あらすじポスターの追加はつい最近ですが……。今回、見本誌(無料で読める本のサンプル/非売品)を用意していなかったのに何人かにご購入いただけたのも、このあらすじカードとあらすじポスターのおかげだと思っています。(見本誌の重要性については、有料コンテンツで触れています)

(6)袋(クリアポケット、OPP袋など)


ここからマーケティング要素が入るため、以下、有料コンテンツとなります。
実際の数値、出店側にいながらも一般来場者目線でどう感じるか、自身も実際に来場者として各ブースを巡ったときに感じたことを総合的に判断した内容でまとめています。


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